親子でつながる子育て~抱っこ法~

抱っこ法の考え方をもとに、子育て中の親子やハンディを持つ方など、たくさんの方の心の支援を行っています。

障がいのある方の心のケア1 ~心のケアって~

2013年01月29日 | 障がいのある方の心のケア ネットワーク
ブログオーナーの永井です。
今日は、障がいのある方の『心のケア』の話をします。

『心のケア』と聞くと、「何か傷ついた心を癒すものかな?」
とお考えになりますか?

実は、障がいを持つ方の心の支援全般を、私たちは『心のケア』と呼んでいます。
心のケアについて語るため、私の息子の話をさせていただきます。

私の中学1年生の息子は、自閉症という障害を持っています。

息子は小さいころ、パニック・自傷・こだわりがとても強く、
何とかしてあげないとと、
TEACCHやabaや特殊教材などを一生懸命試しました。
保育園の先生や小学校の先生などにも協力をお願いして、
「目でわかる支援」を行ってきました。

でもなかなかうまくいかない・・
分かってはいるみたいなんだけど、教材をもっとわかりやすく改良しても…
なかなか、前に進みません。

私はその頃、七野友子先生の開催する『ゆうゆう言葉の教室』に通いだしました。
ここは、障がい特性に応じた療育を提供する場です。
そこで、七野先生の指導を受けながら、
私はあることに気が付きました。

『息子は自閉症だから視覚支援をしたら、勉強するようになる。
行動できるようになるはず。」
と思い込んでいたということに気が付きました。


でも実際は、本人が理解できる教材であろうとも、
スケジュールで次の予定がわかろうとも、
本人の心で、「出来なかったらどうしよう。じしんがないよ。やりたくないよ」
と感じていたら、前に進むことは困難です。

息子は、その頃、言語もなく、笑いやパニックでしか感情を表現しなかったので、
彼にそんな心があることに気が付かなかったのです。

どんなに重い障がいを持っていても、
何かを感じて揺れる心、
嬉しいと感じそれを人と共有したい心、
怖いと感じ誰かにすがりたい心、
たくさんのおしゃべりな心があります。

ただ、多くの障がいを持った方は
その心を伝える手段を持たないが上に、
心をわかってもらうことをあきらめ、
なんとか自分で頑張らないとと思っています。

息子は、「自信がないよ」という
心を伝えられない為に、
なんとか自分自身で頑張らなきゃと行動し、
うまくいかず自己嫌悪に陥り、
体がコントロールできなくなり暴れてしまう。
暴れてしまった自分に、また自己否定が加わり余計混乱してしまう、
その繰り返しだったように感じます。

息子の「自信がないよ」という心を慰めたり、
支えたりするうちに、
息子の心は、どんどん成長していきました。
今は、いろいろな問題を起こしながら、
中学校に頑張って通っています。


『心のケア』とは、障がいを持った方との心のやり取りを通じて、
その方が、生き生きと自信を持って生きるための心のお手伝いをいいます。


心のやり取りの方法は、
日常の何気ない会話でもいいし、
特別な時間を設けたセッションでもいいし、
筆談によるものでもいい、
また手や体のお話しでも何でもいい。
そこから生まれた心の反応を見る。
それにこちらががまた反応する。

そんな風に、『心のケア』は進んでいきます。

(障がいのある方の心のケアについては、また掲載させていただきます)
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