こんにちは、障がいを持つ方の心のケアネットワークです。
今日は、障がいを持つ方の不自由さについてお話しします。
『ハンディのある方の心のケア』を推進する活動をされている
【 さぽーと優&遊 】は、たくさんの人に心のケアを知ってもらうために、
『心のケア』に関しての本を出版しています。
その中の、
「 “心のケア”=対人援助技術 」と、
から、抜粋した文章の紹介に、私なりの説明を加えて
障がいのある方の心を知ってもらいたいと思っています。
「自己表現にハンディのある子供の心のケア」の冒頭に、こんな文章があります。
ハンディを持つ人たちは、なんと誤解を招きやすい人たちなんだろうとつくづく思います。
自閉症とか、ダウン症とか、様々な診断名が付きますが、
概してこの人たちは、自己表現に不自由さを抱えている人たちである、
という印象を持っています。
健常な人たちと同じように、いろいろなことを感じたり、考えたり、また願ったり悩んだりする内面世界があるのに、
それを表現したり、実行したりすることに、
とてつもなく大きな不自由さを抱えているため、
彼らは、その内面世界が、ほとんどないかのようにみられてしまいがちです。
そこでこの人たちを、
「自己表現にハンディを持つ人たち」と呼びたくなるほどです。
私は、初めてこの文章を読んだとき、
「自己表現にハンディを持つ人たち」という表現は、
障がいを持つ人たちを、的確に表現した言葉だなと感心しました。
一つ、事例を挙げて見ます。
障がいを持った成人の女性、Cさんが、施設に通っていました。
その施設には、とても優しくて素敵な男性職員がいて、
何人かの女性利用者はその方がそばにいると、とても嬉しそうにしていました。
Cさんも同様に、その男性職員がそばにいると、とてもにこにこしていました。
でも、その男性職員はCさんだけを見るわけにはいかず、
А君も、Bさんも、みんなとともに過ごさなくてはいけません。
そのうちCさんが、ほかの職員をたたくようになりました。
職員は、なぜそんな行動に出るのか、理解ができませんでした。
何を怒っているのか…
もしかして男性職員を一人占めしたいのか…
そこで、心のケアのセッション(特別な時間を作って、ゆっくりと話をする)を行いました。
その中で、体を使ったお話しや、筆談によってCさんの心を聞きました。
『うらやましい・・』
『ほかの人は、たくさんお話をする』
『私は伝えられません』
『大好きって言いたい』
Cさんの心は、こんな気持ちだったんです。
でもCさんの行動からは、そんな風には見えませんでした。
Cさんの内面世界は、人を好きだという気持ちと、
お話ができる人へのあこがれ、
話せない自分の悲しさなど、
たくさんの気持ちがあったのですが、
それを表現することができなかったんですね。
障がいを持つ方は、
自己表現の不自由さがあるために、
内面世界まで疑われる
と、本に載っていました。
この内面世界と表現の落差を埋めるための方法が
心のケアだなと思っています。