障がいのある方の心のケアネットワークです。
前回は、障害のある方の不自由さということで、
自己表現にハンディがあり、自己表現が苦手な方の、
内面世界と表現の実行の落差を埋めるのが、心のケアではないか、というお話をしました。
今日は、その自己表現にハンディのある、身体障がいを持つ方のお話をします。
私がかかわらせていただいたFさんは、身体障がいを持ち、
加えて、呼吸機能が弱っているために、気管切開をされていました。
気管切開というのは、気管に穴をあけて管を通し、そこで息をするためのもので、
気管に穴をあけているので、声を出すことができませんでした。
Fさんは、とても笑顔の素敵な方で、
職員が話しかけると笑顔で、『はい』という口の形をしながら返事をしてくれていました。
また嫌な時は、顔をうつむき加減にしながら、表現してくれていました。
そのFさんが、家庭の事情で、今自宅から通っている施設から
入所施設に入ることになりました。
入所が決まってから、Fさんから笑顔が消え、
いつもうつむいて、暗い表情をしていました。
そこで、Fさんを心配した職員が、心のケアを依頼してきました。
職員に聞くと、入所に関しての詳しいことは、
伝えにくく、またどこまで理解力があるかわからないため、
Fさんにはあまり話をしていないとのことでした。
そこで、最初のセッション時、入所に至った経緯や入所後の生活などについて、
詳しく説明してもらいながら、
Fさんの体の反応を見ていきました。
最初Fさんに触れたとき、とても固い印象がありました。
肩、首、背中、足、すべてを緊張させ、
悲しみや苦しさを我慢しているような印象を受けました。
セッションに関しては、次回にアップさせていただきます。