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テクノロジーは、Web2.0からEnterpriseへ逆流する

ICT市場では、製品・サービスやテクノロジーがEnterprise市場(企業向け市場)で導入されて、それからコンシュマー市場へ広がるというのが従来の大きなトレンドであった。例えばインターネットは、企業ユースでまず普及し、それからコンシュマー市場に波及した。

Enterprise市場では、テクノロジーの進歩は断続的に継続しているものの、以前ほどのイノベーションは起こっていない。一方、隆盛著しいブログ、SNSなどに代表されるWeb2.0は、コンシュマー主導で形成されたテクノロジーであり、サービスである。

膨大な数のユーザーが日々サイトを訪れるので、データの蓄積が進む。こうしたデータは、とてつもないバリューをもつ。また、ユーザーインタフェースはかなり洗練されているし、進化し続けている。企業システムのインタフェースの使いづらさに辟易している人も多いのではないだろうか。

このようなすばらしいものをコンシュマーユースに限定するるのはもったいない。そこで、ブログ、SNSなどを企業で導入しようとする動きがでてきた。だが、企業内のブログやSNSはうまくいっていないのが大半だ。そもそも匿名で自分の意見を自由に発信したいなどWeb2.0で担保されていたモチベーションは、Enterpriseに適用された瞬間しぼむ。

Enterprise情報システムはそもそもトップダウン型である。だが、Web2.0はボトムアップ型なのだ。従来のやり方ではうまくいくはずがない。

また、ブログ、SNSに似て非なるシステムがすでに企業内あるため、ユーザーは、混乱してしまう。システムが乱立する結果、どれも中途半端なる可能性も大きい。既存システムといかにバランスをとっていくかが成功の鍵となる。

ICTベンダーは、Web2.0テクノロジーを自社サービスに取り込んでいかなければ生き残れない。IBMは、すでにWeb2.0のテクノロジーをベースとした開発プラットフォームを作っており、今度はこれをオープン化した。マイクロソフトもGoogleのマネをしようと必死である。Googleのコピーともいえる機能を次期製品で続々と盛り込む。
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