白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

肩衝き合戦

2018年07月19日 22時41分50秒 | 幽玄の間
皆様こんばんは。
本日は名人戦リーグ、黄翊祖八段-張栩九段、芝野虎丸七段-河野臨九段が朝日新聞デジタル、日本棋院ネット対局幽玄の間、Youtube「日本棋院囲碁チャンネル」にて中継されました。
挑戦者争い終盤の重要対局が、リアルタイムで見られるとは!
大盤振る舞いですね。
後日、朝日新聞の紙面に観戦記が載るはずなので、そちらもぜひご覧ください。

ちなみに、今日は国内戦が18局も中継された日でしたが・・・。
その内、半目勝負が4局!
こんな日もあるのですね。
統計的には、日本のプロの対局での半目勝負の出現率は4~5%ぐらいだった気がします。

さて、本日ご紹介するのは山城宏九段と本木克弥八段の対局です。
この碁も半目差でしたが、注目すべきはそこではありません。



1図(実戦)
山城九段の黒番です。
お互いに2隅を締まり合う、なんとなく古風な印象を受ける布石です。
ところが、ここから・・・。





2図(実戦)
黒1の肩衝き!
AlphaGoが多用した手ですが、山城九段もよく試みていますね





3図(実戦)
そして、白も負けじと肩衝き!
目には目を、肩衝きには肩衝きを、といったところでしょうか?





4図(実戦)
さらに、黒も即座に肩衝き!
ここまでくると、対局者が面白がっているのではないかという疑念も湧いてきます(笑)。
好きなことをやって良い勝負なら、それ以上のことはありませんね。





5図(実戦)
ダメ押しの(?)肩衝き!
両者がこれでもかというぐらい肩衝きを打つ、肩衝き合戦となりました。
私も何回肩衝きと書いたでしょうか・・・。

本日は例によってAlphago流三々入りも数多く見られました。
個人的には、同じAlphaGo流なら肩衝きの方が断然好きですね。