白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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Golaxyー絶芸戦

2018年07月30日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間にて、小中学校の大会が中継されていましたね。
私の頃はほとんど個人戦だけでしたが、今は団体戦もできて賑やかになりましたね。
囲碁が強くなりたい子供にとって、大会に出られることはとても励みになります。
そういう意味では、今は良い時代になりましたね。

さて、本日は同じく中継されていた、Golaxy(XingZhen)と絶芸(JueYi)の対局をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
Golaxyの黒番です。
両ガカリに対しては、白AやBのツケか、Cのコスミで頭を出すのが常識です。
しかし、ここで白△とは!
まるで頭から布団をかぶって震えているかのようです。





2図(実戦)
しかし、それは見せかけで、白は武器を隠し持っていました。
黒1と閉じ込めにきたところで、白4から反撃!
ただ、黒9と打たれて隅の白が心配にも見えますが・・・。





3図(実戦)
白△を用意していました!
黒Aのシチョウが成立しないということで、1つの手筋ではあります。
ただ、人間にはテーマの図の時点で、この図を目指す発想は無いでしょう。





4図(実戦)
思いもよらない変化になりました。
形勢もよく分かりません。
人間にとって、模様を張る方も張られる方も難しいのです。

ただ、強いAIはこういう碁も問題無くこなしてしまいます。
人間とAIの差が最も大きく表れる分野でしょう。
それにしても、絶芸は強すぎますね。