白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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高校選手権

2018年07月25日 23時56分33秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
3日間に渡って開催されていた高校選手権が、本日閉幕しました。
男子団体戦は灘高校、女子団体は洛南高校が優勝しました。
男子個人戦は林朋哉さん、女子個人は岩井温子さんが優勝しました。
おめでとうございます。

私が高校選手権で優勝したのが高校3年、17歳の時でした。
もう2倍の年齢になったのですね・・・。
当時とは全国大会の方式も色々と変わりました。
一番大きな変更点は、リーグ戦方式の予選が行われるようになったことですね。
私の時は1回負けた時点で即終了でしたが、今は少なくとも3局打てるようになっています。
参加者全員が楽しめるようになったと言えるでしょう。

さて、今回は個人戦決勝の2局の感想を述べたいと思います。



1図(男子個人戦1)
男子決勝、鈴木智大さん(黒)と林朋哉さんの対局です。
序盤から物凄い戦いが起こりました。
黒1に白2と受け、双方命がけのコウ争いが勃発!





2図(男子個人戦2)
コウ争いは黒が勝ったものの、白△に回っては白優勢です。
しかし、ここからの黒の必死の頑張りが印象的でした。
黒△と黒×を両方助けてしまいます。

一方、林さんも冷静でした。
最後まで隙を見せず、しっかりと勝ちきったと思います。

毎年言っていますが、最近の高校生のレベルは高いですね。
今の私は、17歳当時の私に2子置かせても勝ち越せると思いますが、最近の高校生のトップクラスにはとても無理ですね。
一般のタイトルホルダーも混ざっているぐらいですし・・・。





3図(女子個人戦1)
女子決勝、岩井温子さん(黒)と田中ひかるさんの対局です。
白△と、4線の石に肩衝きしたのは思い切った作戦ですね。
本局は全体的に、堅実な黒と思い切った打ち回しの白の好対照でした。





4図(実戦)
白1に対し、黒2からの打ち回しも印象的でした。
部分的にかなり損ですが、黒8と左右をつなげばもう負けようがない、という判断ですね。
実際、このまま黒が押し切ることになりました。