柳時熏－ウ光亜戦

＜本日の一言＞
昨夜は凄い風でした。
大きな被害が出たところもあるそうですね。
自然災害は恐ろしいです。
＜/本日の一言＞

皆様こんばんは。
本日は三星火災杯32強戦の2日目が行われました。
今回は柳時熏九段(日本)とウ光亜六段(中国)の対局をご紹介しましょう。



1図(実戦)
柳九段が黒△と打った場面です。
このような進行は最近よく見かけますね。
柳九段は昨日も打っていました。
柳九段と言えば手厚い碁、攻めの碁というイメージがありますが、そう考えると棋風にぴったりの選択なのかもしれませんね。





2図(実戦)
黒1～5と、白3子を取りました。
地としてはあまり大きくありませんが、黒全体を安全にすると共に、黒Ａの切りを狙っています。
いかにも厚み派らしい選択ですね。
厚み派は、目先の利益よりも付加価値、将来性を重視するのです。





3図(実戦)
黒1～7までも、いかにも柳九段らしい打ち回しですね。
上辺に地を作ろうなどとは全く考えていません。
あくまで黒Ａの切りを狙う、戦い重視の発想です。





4図(実戦)
白1に対して、受けずに黒2、4と反発したのも厚みを生かす発想です。
下辺に黒地を作ることよりも、左下白全体の根拠を奪うことを重視したのです。
実戦は白が左下を守っている間に、流れで白×を取り込むことに成功しました。

「厚みを囲うな」の格言通りの打ち方でしたね。
ちなみに、10月号のNHK囲碁講座別冊付録の題材は「厚みを囲いたい病」です(宣伝)。



本日の結果は井山九段、柳九段が勝ち、芝野七段が負けということで、仲良く1勝1敗となりました。
明日の結果で全てが決まります。
全員の16強進出を願っています。