白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

入門教室

2018年09月15日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
たかお日記にて、高尾九段のポカが紹介されていますね。
あの攻め合いは、アマチュア有段者なら丁寧に読めば答えが分かるものです。
しかし、トッププロも人間であり、そんなところを間違えてしまうこともあるのです。
皆様も酷いポカをして落ち込んでしまうことがあるでしょうが、そんなときはプロのポカを見ると安心できるかもしれません(笑)
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日はさいたま市の泰平中学校にて、入門指導を行いました(昨日は小学校と書きましたが間違いです)。
体験講座ということで、囲碁以外にも様々な分野の教室があったようです。

最近は入門教室で講師を務める頻度が増えていますが、導入として囲碁の歴史について語ることがよくあります。
囲碁がいつ生まれたゲームなのか?
囲碁棋士という職業はいつ確立したのか?
そんなことをクイズ形式で答えてもらうのは定番ですね。

小さな子供が多いときは必ずと言って良いほど行っていることですが、今回は中学生に聞いてみました。
結果は、どちらの問題も間違える生徒が多かったですね。
中学生ともなれば、人間の歴史をある程度理解しています。
それでも囲碁が数千年レベルで親しまれてきたゲームであり、棋士という職業が日本では少なくとも400年以上前に成立しているということは想像を超えるようです。

さて、それでは今回の指導について感想をお話ししようと思います。
一言で言えば、生徒たちがとても優秀でした(笑)。
先日もお話ししましたが、中学生は理解力も集中力もあり、あっという間に覚えていきますね。
入門指導における最大の難関は終局ですが、実戦の1回目から自然に終局できる所が多かったです。
もちろん、技術的な問題で石がバラバラになってしまうこともあり、そうなるとややこしくなります。
ただ、それも良い経験であり、受けたアドバイスを生かして次の対局ではしっかりと終局できていました。

学校での囲碁入門は、おそらく生徒の時間的な都合などから小学校が多いのですが、もちろん中学生にとっても有意義なものになると思います。
今後もますます広がっていくことを願っています。

また、機会があれば高校での入門指導も行ってみたいですね。
高校生は大学受験があって大変なイメージがありますが、ゆとりのある高校生もいるのです。
例えば、私の通っていた中央大学附属高等学校では3年生の2学期までで内部進学者が決まってしまい、3学期は学校に行っても行かなくても良いような状態でした。
その期間は選択制の特別授業が行われていたのですが、そこに囲碁が含まれていれば、きっと参加者は多く集まったのではないかと思います。

最後に、学校での囲碁指導は多くの支援に成り立っていることをお伝えしておきたいと思います。
公的な補助もあれば、私的な補助もあります。
例えば、入門授業を受けた生徒には碁盤セットを渡していますが、そのために大塚製薬にスポンサーになって頂いています。
お土産にはカロリーメイトもついてきますね(笑)
さらに、学校の先生方や地元の方にお手伝い頂くことも多いです。
今回も地元で囲碁を指導されている方が2人、スタッフとして参加してくださいました。

囲碁の入門指導に意義を感じ、協力してくださることは非常にありがたいことです。
日本棋院や棋士も、もっと頑張らなければいけませんね。