白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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十段戦第3局感想

2020年06月17日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
最近Twitterで話題になっていたものを買ってきました。

「日本棋院監修 頭が良くなる張栩シュー」です!(嘘)
本当にコラボして欲しいのですが、どうでしょうか。
皮にこだわりがあるようで美味しいです。



皆様こんばんは。
本日は十段戦第3局が行われました。
第2局から83日後ですね。
タイトル戦でこんなに間が空いた事例は、戦時中まで遡らなければならないのではないでしょうか。

それでは振り返っていきましょう。
なお、この対局はYoutubeの日本棋院チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間(解説・李沂修八段)にて中継されました。

1図(実戦)
村川大介十段(29)の黒番です。
黒1~7まで、強引とも思える荒らし方ですね。
元来本格派の村川十段ですが、近年は碁が激しくなっている印象があります。



2図(実戦)
黒1~5には感銘を受けました。
黒×の要石にはこだわらず、自分の石を強化しながら右辺白や上辺白を狙っていくことが得策と判断したのですね。
これはいかにも村川十段らしい、大きな構想でした。



3図(実戦)
しかし、ここで黒△とは!
1目にもならないような手を打って、右辺白大石を殺しにいきました。
凄い迫力です。



4図(実戦)
白大石の眼は無くなりましたが、白2~8と反撃して、逆に周囲の黒を取りにいきました。
どうやら村川十段に何か見落としがあったらしく、結果は白の芝野虎丸挑戦者(21)の中押し勝ちとなりました。

取りにいったことが村川十段のミスであることは間違いありません。
しかし、もし相手が並のプロだったら、取りにいかず寄せ合いで確実に勝てると判断していた気もします。
芝野挑戦者は、もはや名前で勝てる域に達しているのでしょうか。

第4局は6/26(金)に行われます。
お楽しみに!



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