シェルティー ラン吉

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「仮称 メイちゃんの保護ストーリー 3」 ポチの思い出ものがたり-番外編- 2

2014-05-06 23:54:32 | ポチの思い出ものがたり

N子さんが急いで家にもどると、夫もおしゅうとめさんも、そろって玄関にでて待っていました

ふたりとも、家の前でおこったただならぬでき事を心から心配していたのです

N子さんは、アパートの女性からきいたことと、その犬の愛らしい様子を、ありのままに話しました

N子さんの夫は、かつて大切に育てた「シロちゃん」の面影をなつかしみ、一も二もなく、その犬を引きとることに賛成しました

かくして、そのかわいそうな放置犬は、何ごともなかったかのように、すんなりとN子さん家族のもとで暮らすことになったのです

 

N子さんは、その犬がやってきた季節の五月にちなんで、仮の名前として「メイちゃん」となづけました

「仮称 メイちゃん」は、虐待されて人間不信におちいった犬とはまったくちがう、それはそれは人なつこい子でした

「メイちゃん」は、N子さんがはじめてアパートの部屋で抱きあげた時とおなじように、当りまえのように、だれにでも抱っこをせがむ甘えん坊だったのです

N子さんの家では、夫もおしゅうとめさんも、この犬をかこんで、なごやかな時をすごしていました

 

が、本当の名前ではない、犬に仮の名前をつけたN子さんが思うには・・・

「この犬にも、今までの飼い主がいるのは間違いない」

「もしかしたら、飼い主が犬を返してほしいと言ってくるかもしれない・・・」

「でも、元の飼い主がこの犬を捨てたのだとしたら、そんな飼い主にこの子は返せない」

「でも、ひょっとして、この子がだれかに盗まれでもして、飼い主がさがしているなら、やはり返してあげなきゃいけない」

「いえいえ、まるでシロちゃんの生まれ変わりのようなこの子は、だれにも渡さない、わたしが育てる」

「あー、だめだめ、自分の都合で決めちゃだめ、この子にとっての幸せが一番なんだから・・・」

 

N子さんは様々な思いをいだきながらも、「仮称メイちゃん」をつれて、毎日近所の公園を散歩しました

そして、「この犬を知りませんか、この犬の飼い主を知りませんか」と、すれちがう犬散歩の人みんなに尋ねました

犬散歩のなかまたちはこの犬を写メして、友だちに転送したりして、情報をあつめようとしました

N子さんのしらないうちに、公園の犬なかまの間には、この保護犬の話がまたたくまに広がっていました

 

でも、この犬や飼い主を見たことがあるという人は、ひとりも現れませんでした

「メイちゃん」は、保護当時、首輪はつけていましたが、鑑札など連絡先につながる物はつけていませんでした

また、N子さんは「メイちゃん」を動物病院でみてもらいましたが、その結果、年齢は7歳くらいで、ながいこと手入れされていなかったことがわかりました

「それではやはり、この子は放置虐待された、ふびんな捨て犬ではないか」ということになり、この子にとっての幸せを願って、N子さんは堂々とこの犬を飼う決心をあらたにしたのでした

 

が、そんな時・・・

 


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