いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
過去の記事は随時掲載していきます。
以前読んで下さっていた方、ありがとうございます。

君と一緒にいたい

2018-01-27 04:40:04 | 日記
恋愛ではない部分で繋がっている相手とは、こちらの感情の起伏がない分、長く付き合っていけるように思う。ノンケなんかがそうだ。好きになってはならない相手を好きにならないし、なっても理性で諦められるということだ。それは、哀しい物語だとも思う。本当であれば誰を好きになってもいいはずなのに、それが叶わない人生を歩んできたから、そうなったのだ。そんなに好きではない相手と毎日楽しく過ごしているとも言えるかもしれない。

誰かを好きになる事は、とても苦しい。誰も好きにならない人生であれば、もっと自分のキャリアを追えたと思う。誰かと初めて待ち合わせた日、結局上手くいかないまま終わったとしたら、その帰り道にこう思うだろう。出会いなんか求めていなかったら、今日こんな無駄な時間を使わなかったはずだ、と。1人で強く生きていけるはずなのに、なぜか相手を求めてしまう。上手くいかなかったのに、またいつか、誰かを探してしまう。人はもし物質的なモノ全てを手に入れたとしても、最後に求めるのは一緒にいてくれる誰かなのかもしれない。

恋愛が始まった時、いつも思う。ああ、いずれ終わるのだろう、と。好きだけど終わる、終わるべくして終わるようなそんな予感がいつもしていた。今度こそとは思わなかった。地震が起きたら頑丈な家屋が簡単に倒壊するように、抗えないもののようにいくつもの恋愛が崩れ去っていった。でも思う。誰かを好きになれる人生で良かった、と。

新卒者

2018-01-24 13:14:18 | 日記
まだ若いその男性は体育会出身だった。スーツを着て営業マンをしていた。就職するというのは大変な事だな、と事あるごとに感じていたが、まさかこんなにすぐ退職するとは思っていなかった。

大学時代の後輩とは仲が良かった。後輩も就職してサラリーマンとなり、会えばお互い仕事の愚痴を話した。時々会って食事をしていくうちに後輩の見た目の変化にすぐに気付いた。どんどんマッチョになっていったからだった。聞くと、スポーツクラブに通い始めたとのことだった。途方もなくイケメンでありながら体は細かった後輩。同じ部活で知り合った。体だけが自慢のマッチョな先輩は、絶対的に格下だった後輩が体を鍛え始めた事に動揺した。

後輩がコンテストに出場して入賞した。それを知り、激しい嫉妬に襲われた。後輩であり友人がこうしてinstagramで華々しい大会写真を掲載しているのを苦々しく見つめていた。何も成し遂げていない自分。そもそも何も目指してもいない人生だ。なりたかったのかどうかも分からないサラリーマンになって、日々過ごしている。マッチョでイケメンだと大学時代は言われていたが、有名選手でも何でもない自分が世間で話題になる事などない。あくまで身内内でチヤホヤされていたに過ぎないのだ。しかし後輩は違う。有名選手でも何でもない存在だったが、こうして有名になっていった。今や体は自分よりもマッチョだ。おめでとうと思ったし、凄いと尊敬もした。だが許せなかった。くやしかった。彼がというよりは自分に対してかもしれない。ただただ面白くなかった。

「トレーニングを本格的に始めることにしたから、時間あまりないよ。」

ずっと付き合っていた彼女とは疎遠になっていった。週末はデートしていたのに、トレーニングをしたいと思ったからだ。心が明らかに離れていった。女性が好きだし、女性とSEXしたい。でも、トレーニングの方を優先したい。自然な流れで彼女と別れ、会社も退職した。トレーニングを安定してする為には残業が多い正社員生活は邪魔だった。学生時代のようにアルバイト生活を始めたものの一気に貯金は底をついた。

元々マッチョだった彼はあっという間に現役時代の体に戻すことができた。顔も後輩ほどではないが世間ではイケメンの部類だ。割と自由に時間はあるので夏は海に行ったりジム帰りにタンクトップで街中をふらふらしているとたまに色々な人から声を掛けられた。変な勧誘や体目当ての痴女みたいなのが大半だったが、その中でも有名なクラブ関係者には連絡先を渡した。そして、いつしか女性向けというかノンケの普通のクラブイベントにスタッフとして不定期で働くようになっていた。

何人かの後ろで賑やかしとして半裸でステージに上がるようになった。パフォーマーという程でもなかったがマッチョな若い男が脱いでいるだけで話題にはなった。手が空いている時は観客がいるエリアに行ってもいいという事になっていたので半裸でふらふらしていると、気さくに客から声を掛けられちょっとした有名人の気分に浸れた。半裸でマッチョを誇示する事でチヤホヤされる。服を着ていたら普通の男だが脱ぐと女性が群がりシャッターを浴びるのだ。instagramでいつも脱いで自撮りを上げている男達の気持ちが少し分かる気がした。

「夢、というのは特にないですけど、マッチョにはなりたいですね。」

若くてマッチョで純粋な彼が多くの人に愛されて有名になっていく気がした。

診察

2018-01-21 14:13:23 | 日記
その男は中学校から帰宅するといつものスポーツクラブに向かった。夕食を済ませてから行くので館内は割と混んでいた。いつものアナウンスや洋楽のBGMが流れる中、水着に履き替えると上下ジャージに着替えてストレッチエリアに移動した。某大学の体育会系大学生が大勢アルバイトしているジムでプールのコーチも皆大学生だった。中学生の彼にとって大学生は大人であり遠い存在だった。鍛えていてカッコいいのもあって憧れた。

選手コースと一般コースとあり、彼は一般コースだった。選手コースというのは幼少時から選手を目指す者達が対象で中学から入るようなところではなかった印象だった。何なら幼少期から選手コースに入っていたら人生が違っていたのかなと思ったこともあったが、選手がコーチに怒鳴られている過酷な練習風景をいつも見ていたので、入らなくてよかったとも感じていた。一般コースは更に上級、中級、といった風に細かく分かれて練習するのだが、ジムの方針で全員一同に介してストレッチを受けることになっていた。なので、本来であれば全く接点のないコーチや会員とも毎晩顔を合わせることができた。着替えはジムロッカーの方が設備が整っていてほとんどの大人がそこで着替えていたが、高校生未満とプール会員はプールの更衣室やジャグジーしか入館が許されていなかった。ロッカーで何となく大勢と一緒になる普通のジムと違い、プールの更衣室は3人くらいしかいつもいなかった。1人は泳ぎが上手いおじいさんで、もう1人は娘さんがいる50歳くらいの話好きの医者だった。全コースを通して中学生は彼だけであり、その上は23歳くらいの社会人元スイマーという状況で、彼は大勢から可愛がられた。

プールは楽しかった。選手を目指していたら苦しかっただろう。休日にスイムキャップを見に近所のスーパーに行ったり、館内で「Tarzan」を立ち読みするのも楽しかった。通っているうちにMサイズの競泳用水着が少しきつくなってきたのが嬉しかった。早く高校生になってマシンエリアも使えるようになりたい。鍛えてカッコよくなりたい。まだ中学生だった彼はそう決心していた。

プールは温水とはいえお風呂とは違う。水から上がれば途端に冷え込む。プールサイドにある温水のシャワーで体を流してから男女共用のサウナで温まってプール会員用の更衣室に戻るのがいつものパターンだった。チン毛は既に生えていて仮性包茎のチ〇ポもジャグジーで温まった後はふやけてちょっと大きくなる。ふやけている状態で競泳用パンツを脱いで着替えているとチ〇コだけは大人だった。勃起したらもっと大きくはなるが、半勃ちにすらなっていない、ちょっと温まって血流が良くなったチ〇ポの時が自然な感じで丁度いいと思っていた。皮の先からちょこっと亀頭が見えて仮性包茎じゃない感じもよかった。着替える時はいったん全裸になるので、皆に見られるのはジャグジー後にしたいと思っていた。

いつものおじいさんが先に帰って、医者と彼は10分くらい話していつも帰っていた。娘の話もたまにしてくれたが、大体は水泳の話でマスターズに出たいとか、君も何か出た方がいいんじゃないかとかそんな話が多かった。割と皆近所なので中学生じゃなかったらご飯とか飲みにとか色々誘われそうな雰囲気は感じていた。たまにお医者さんらしく体の事をアドバイスしてくれたので助かった。

ある時、ちゃんとちんちん剥いて洗ってる?と聞かれて、洗ってますよと答えた事があった。彼が競泳用水着を下ろした姿を観て思いついたようだった。オナニーをよくしていたので普段からちゃんと剥いて洗っていた。話しながら剥いて見せたら、ちょっといい?ごめんね、と言って医者は彼の仮性包茎を指先でぐっと剥ききった。すると垢がたくさん出てきたのだ。ここまで洗わないと。そう言って、医者のおじさんは洗面所で手を洗い、じゃあまたね、と言って先に帰っていった。自分のチ〇コがこんなに汚かったとは思いもしなかった。そして、こんな奥までチ〇コの皮が剥けるのか。ここではなく早く帰って家でしっかり洗おう。何よりじっくり見てみたい。1度ズル剥けになってスースーしたチ〇コを気にしながら帰宅し風呂場でしっかりと洗った。初めて触る亀頭のカリ首の根本をしっかりと洗っていたらすぐさま勃起してしまいその日も射精した。

練習が終わって更衣室に戻るとおじいさんと医者が後からやってきた。3人で話しているとおじいさんが先に帰宅し、2人きりになった。静かになった空間で静かな時が流れていく。中学生の彼は体を拭きながら医者の元へ歩いて行くと、競泳用水着をめくってチ〇コを見せた。医師である男性は当たり前のように彼のチ〇コの皮を剥くと、綺麗だね、と褒めてくれた。そして、なんか診察しているみたいだなと言って笑っていた。医者と患者の様な関係になっていたが、実際は親と子の関係に近かったのかもしれない。


射精管理

2018-01-18 15:47:43 | 日記
その男は女性が好きだった。大学を卒業し、就職した関東での一人暮らしにも慣れてきていた。帰宅すればコンビニ弁当を食べるような毎日で、時々彼女が欲しいと思ったりはしたが、実際はどうでもよかった。顔は男っぽい普通顔にそこそこ鍛えた体は、25歳でありながら童顔にも見えた。ゲイからしてみたらそこそこモテる容姿だが、女性にはあまりモテてはいなかった。学生時代からイケメンとは言い難い自分の容姿のことは理解していた。女性とデートするよりも男友達とゲームやったりカラオケ行ったりしている方が圧倒的に多い学生生活は気付けば終わっていた。

その女はSMには興味がなかったが、性的嗜好を辿っていくうちにSMサイトに辿り着いた。彼氏がどうのとか恋愛がどうとか、そういう普通の事とは全然別のところでMの男をいじめたいと思っていた。いじめる、と言ってもやはりSMとは違った。ちょっと触ったり脱がしたり、そういう事がしたいと思っていた。それを問題なく実施する為には、相手もそうされたい側でなくてはならない。過激な書き込みや気持ちの悪い投稿に辟易しながらも、その日もまたお気に入りのSMサイトを閲覧していた。

男は、自分の性欲が異常に強くドMであることに気付いていた。女性に命令されてオナニーを強要されたいと常々妄想していた。SEXをしたいというよりも、女性に管理されたかった。検索サイトで調べるうちにSMサイトに辿り着き、そこで自分の同志のような書き込みを目にしてホっとしたのを覚えている。自分だけじゃないんだ、とか、自分の頭がおかしい訳ではなかったんだ、とか、そんな安心感を得られた。それからはそのサイトに頻繁に書き込み、年上の痴女に勝手にチ〇コをしごかれて射精を楽しんでもらうだけの「出会い」を繰り返してきた。自分のチ〇コがデカいと喜ばれ、何回もイカされたりバイブ扱いされて跨られ、チ〇コにしか用がないと言わんばかりの扱いを受けるのがドMの男には快感だった。動画もよく強要された。知らない女性に勃起した性器の画像や自宅でオナニーをした時に撮った動画を送るのが日常だった。見ず知らずの女性達に自分のチ〇コのサイズやチン毛の生え方、射精する様子を閲覧されると思うと興奮した。

女が帰宅すると、音楽を聴きながらコーヒーを淹れた。いつもの習慣で見ているYoutubeを一時停止すると、別タブでSMサイトを開いていた。

「私も好きね」

にやにやしながら投稿を見ていると、1人の男性の書き込みが目に入った。デカいチ〇コを好きにしていい、そんな内容の書き込みだった。SEXをしたいというのなら理解ができるが、自分のチ〇コを女性に弄ばれたい男性というのはどういった心境なのだろう。実際にいじらせてもらいたいという興味もあったのでメッセージを送信することにした。すぐに返事が来る類のものではないので、またYoutubeの動画を再開した。そのうちメッセージしたことも忘れてお風呂に入ることにした。髪を拭いていると知らない相手からメッセージが届いていた。彼からだった。

「連絡ありがとうございます」

「いえいえ、こちらこそ」

SMサイトには似つかわしくない挨拶のやり取りだったかもしれない。ちょっとした他愛もない話をした後本題に入ると、相手は気さくに返事をくれた。「ちょっと待ってね」そう言うと動画が届いた。ボクサーパンツ一枚で顔は見えない男性が全裸になっていく30秒もない動画だった。「どうだった?」と聞かれたので、大きいですね、と言ったような返事をした。実際に勃起した彼のチ〇コは自慢するだけあって本当に大きかった。これを知らない女性に触らせているのかと思うと興奮した。ダメ元でオナニーしてと送ると、しごくだけならいいよ、射精は直接見て欲しいんだ、と返事が来た。たまたま一人でオナニーした時の動画なら送れるけど、とも。送ってと言うとすぐに動画が届いた。顔は分からないが体はそこそこ良くてあそこが大きい彼。女性限定とはいえ人前で射精ができるのだからノリも良さそうだ。良い人かどうかは分からないが、こうして毎晩やり取りをしていると良い人に思えてくる。好きにはならないが、こうして毎晩やり取りができる相手というのは人生に何人いるのだろう。この日も全裸の動画を進んで送ってくれた。彼の性器の細部まで私は把握できているのだと思うと自尊心みたいなものがくすぐられた。

オレはどうしたのだろう。最近やり取りしている変態の女のコから返事が遅いと催促してしまうことが多くなった。今までそんなことはなかった。こんなSMサイトを信用しているわけではない。都合よく会って射精できればそれでよかった。動画だけ送らされて無視されることもよくあったがそれはそれでいい。そんな事を気にしない者が楽しめるのだ。だから返事がこなければ次に行けばいいし、やった女のコとはそれっきりでも構わない。そう理解できている自分は頭のいい男だと思っていたが、そうでもなかったのかもしれない。なぜかこのコからの返事が待ち遠しい。チ〇コを見せてと言われるのが嬉しいし、いっぱい見て欲しかった。こんな男でも突然にやってくるのだ。誰かを好きになるという事が。好きというにはまだ遠い感情だったが、それでも好きには違いなかった。

ゲイは出会いの総数が少ない。だからノンケは恵まれていると皆思っている。だが、ノンケはノンケで出会いの総数が多いだけで幸せにはほど遠い。選択肢が多ければ多い程、人は迷い幸せを選べなくなっていくのかもしれない。そう思うと、こうした出会いも大切なように思う。

警察官

2017-10-28 12:30:05 | 日記
初めて一人暮らしをした家に、その男性を招待した。新宿駅東口交番前で待ち合わせたのは25歳の時だった。彼も25歳。学年は1つ違ったが誕生日の関係で同い年だった。

「コーヒーを飲みに行こうか」

「いいよ」

お互いにやり目的のアカウントで体の画像だけでこうして待ち合わせておきながら、会ったその場で普通のデートに切り替えた。今はもうないアパレルの店を見ながら歩き、もうなくなってしまったカフェでケーキセットを注文した。オレ全然分からないから同じのでいいよ、と彼が言うので笑いながら2つ同じセットを注文した。何でそんなにガタイがいいの、と質問すると意外な答えが返ってきた。警察官だったからかな、と。

その直後にオレが初めて一人暮らしをすることが決まって、色々とアドバイスをしてくれた。

「麺類くらいは自炊して、コンビニじゃなくてスーパーで買いなよ。」

そんな彼に部屋を見てもらおうと招待すると、予定を空けて泊りに来てくれることになった。次の日は帰る事になっていたが中抜けしてまた戻ってきてくれ、3日間ずっと一緒にいることになった。黒くてマッチョな若い身体が何度も射精するのを弄んだ3日間だったように思う。

よく彼はオレの顔を触れてきた。凄いプルンプルンの肌だとか好きな顔だとか言って指で頬を突っついたり両手で挟んだりして気に入ってくれていたようだった。だからというわけではないが、スキンケア自体はその当時からしっかりとしてきて、そんなに老けてはいないと思っている。あの頃のままというのは無理だが、誰かに好きだと言ってもらえるくらいの肌は保ってきた自信はあった。

それから10年以上が経ち、ジムで時々彼と出会う。向こうには向こうの人生があり、オレはオレで違う人生を歩んできた。彼の笑顔は変わらないが、老けたなとは思う。体型も緩んできているし、でもお互い様なのかなと思うと他人の事ばかり言ってもいられない。この前までは年下の相手と付き合っているようだったが、今はどうなっているのだろうか。

ロッカーで彼に声を掛けられた。久し振り、と話が弾んだ。ロッカールームという事もあって深い話はできなかったが、近況報告をし合って大体の現状を知ることができてよかった。そして、その時ちょっとだけ気になったがすぐに忘れてしまっていたある事を一人帰り道に思い出した。なぜか、彼がずっとオレの頬を見ていた事を。

低空飛行

2017-10-20 23:21:38 | 日記
過去に出会った男というのは、もう上手くはいかない気がする。あの時はそうだったかもしれないけど今なら、と考えるかもしれないが、そう人は変わらない気がするのだ。自分も相手も。だから、20代の時に出会った物凄いいい男達と再び出会えても素通りする事が多い。

20代の時、西新宿のカフェで待ち合わせた現役の選手がいた。なぜオレと会ったのだろうと思える程のいい男だった。真っ黒で爽やかで本当にカッコいいと思った。しかし、あまり話が盛り上がる事もなくそのお茶は終わった。

20代の時、渋谷のエクセルシオールで待ち合わせた男性がいた。マッチョでスーツ姿が似合っていた。同じジムだという事が分かって話は盛り上がったが、タイプじゃないからと早く切り上げられてしまった。

20代の時、自分はこういう事を繰り返していた。やり目的であれば80点くらいの男がいくらでも見つかるが、普通の出会いでは65点も難しかった。いい男と付き合いたければ全てが必要なのだ。顔と体と雰囲気と話し方と、あれもこれもが合格していなければならない。幸せになりたければ、全部揃えるか、全部諦めるかどちらかだろう。

そのどちらでもない状態がオレだ。何も揃えることもできず、諦めきれてもいない。自分に価値があるとも思えないが、それなりの幸せは欲しい。そんな30代を幸せだとは思わない。20代の時ほど輝きたいという情熱もないが、何か小さいところで他の30代よりはマシだという自尊心だけはある。これでいいのかもしれない。いつものジムでスタッフと話して、他の会員も知り合いが多くなってきて嬉しい。仕事はといえば無かったら困るけど増えても困る。キャリアアップなんか最初からどうでもいい。夜遅くまでコーヒーを飲みながらネットを見て、さっさと寝る。そんな低空飛行の人生がなぜか幸せのような気がする。

2030

2017-06-18 22:00:45 | 日記
30代になると恋愛成功率が劇的に下がる気がする。思い当たる理由は2つ。1つは恋愛偏差値が上がる為で、もう1つはライフスタイルが固定する為だろう。恋愛偏差値が上がれば成功率は上がりそうだが、そうでもない。ダメ男を引く率が下がる分恋愛の総数が減り、大恋愛中でも相手がダメ男だと気付けば躊躇なく別れる事ができる。失敗する確率が減るのが偏差値「高」だとしたら、20代の頃すぐ相手を好きになっては失敗ばかりしていた偏差値「低」の方が幸せだったきがするのはなぜだろうか。

もう1つのライフスタイルに関しては、1人で過ごすのが上手になる為で他者が煩わしくなるのだ。「ああして」「こうして」と、どうしても要求が多くなるので、ある瞬間、恋人がいながら「1人でいた方がマシ」と思うのだ。だから別れるとかいう話ではないものの、ライフスタイルなど固まってもいなかった20代の頃の方が柔軟に相手に合わせられた気がする。

自分の周りを見渡しても、30代はカッコよくてスマートで大人っぽくてお金もそこそこあって、そして恋愛が下手だ。

君のために生きようか

2017-06-08 23:59:19 | 日記



Male Model TOKYO 13: SSM
より画像を転載させて頂きました。

表参道ヒルズにほど近いカフェに到着すると、とある競技の選手が席に座っていた。声を掛けると、ふと顔を上げ、笑顔で迎えてくれた。

「好きだ」

仕事で知り合って、今度合同トレーニングをしようという事になったのが先日の事だ。2人でトレーニングを終えると、シャワーを浴びようということになった。全く隠さない彼の裸を見て、芸術作品のような体だなと思った。くたくたになって一緒に坂道を歩いていると、なぜか心が落ち着いた。何でもない関係の2人が、部活帰りのように並んでさっきのトレーニングについて話している。ノンケの親友同士のように歩けて嬉しかった。

「オレもです。」

週末に2人、カフェで待ち合わせた。
彼がコーヒーを買ってくるよと席を立った。
レジで並ぶ彼を見ながら思ったことがある。
彼のために生きよう、と。

縁があれば

2017-04-03 02:55:52 | 日記
アプリを眺めていると、マッチョな男性が目に入った。「顔はアンロックします」という事だったが、「見せて」と言う訳にもいかず、まずは顔が分からない相手にメッセージを送った。都内のマッチョなウケは大体見たことがあるはずだったが、こんな男性がいるとは思わなかった。いや、自分は何もすべてを知った風なつもりでいるのではない。20や21のマッチョなら把握できないが、30前半のマッチョなら沖縄にいようが大阪にいようが多少なりとも何かで見かけてもいいはずだと思ったのだ。しかも桁違いのマッチョだ。何かの選手かもしれない。どう見てもやり目的のアカウントだったのが気になったものの、お茶でも、と、とりあえず送ってみたのだった。

返事はすぐに来た。少しやり取りしている感じでは意外にもメールがまめな青年といった印象で、いつの間にかアンロックをして顔を見せてくれた。真っ黒に焼けた肌に完璧な身体。普通のボクサーパンツだからこそのエロさも感じられた。この男ならいくらでも相手には困らないだろう。聞くまでもなくゴールドジムに通っている気がした。

「やり目的ですが、いいですか?」

なぜ、若くマッチョな男性はSEXを前面に出してくるのだろう。では逆の質問を自分がされたら何と答えるだろうか。若くはないが、「なぜ、そこまでSEXを前面に出さないのですか?」「それは、SEXはただの1要素に過ぎないからです。」一緒にお茶をして、一緒にご飯を食べて、一緒に映画を観て、一緒にお風呂に入って、そしてSEXをして。いくつもある多面体の1つがSEXなのだ。だからそこだけを重要視していないからSEXがどうのという話は初対面ではしないと言い切れる。そう考えれば、若く美しいマッチョ達は多数がSEX重視なのかもしれない。SEXする為に鍛えているという可能性もある。

「よくはないです。お茶しましょう。」

こんなマッチョとならSEXすればいいと思うだろうが、やれば終わるのだ。終わるとなぜ言い切れるかと言われれば経験則だと説明できる。人の心というのは思っているほど強くはない。「いい人かもしれない」「これがきっかけになるかもしれない」と全ての人と平等に出会っていたら時間や労力もそうだが心が折れるだろう。だからどこかで線引きをしなければならない。会う人を減らすという事だ。そして、終わったとしてもSEXしとけばいいという考え方もあるだろうが、それはその人の考え方で自分の生き方とは違う。知らないおじさんに高額なプレゼントを貰って喜ぶ人間と断る人間がいるのと同じだ。損得ではない。マッチョとSEXできればOKという得がプラスなのかどうかはその人の価値観に委ねられる。自分は付き合う相手であればいくらでもSEXをする。

彼の笑顔が懐かしい。10年以上も前に出会っていたのだ。アンロックの画像ですぐに分かった。彼はトレーニングしまくっている大学生だった。新宿駅前で待ち合わせたのを覚えている。その時は自分も若くやり目的だったので彼とその日にSEXをした。とにかくガタイがよくてSEXは従順だった。ケツはまだあまり使った事がないと言っていたが、もう使えるようになっているのだろう。就職して社会人になって、当たり前のようにオフィスにいるのかと思うと時の流れを感じる。スウェットみたいなラフな感じでいて、ホテルではずっと勃起させたままずっとオレのをしゃぶってくれた。そんな彼が画像ではスーツを着ている。

彼に言う必要はないだろう。はじめまして、でいい。そしてまたたくさん話をして、縁があった先にはまたSEXができたらいいなと思う。

やさしいタチ、やさしくないウケ

2017-04-01 22:53:00 | 日記
20代のその男がジムを出た時、足は発展場に向かっていた。20代というのはSEXをする条件がいくつも揃っているのだから仕方がないことだとも言える。SEXに興味がある、SEXの経験があまりないとカッコ悪い、そもそも性欲が有り余っている。彼の場合は少し違っていて、「ある期間だけSEXをしまくってみよう」という理由があった。

ガタイ系で有名な大久保駅にほど近い発展場に入ると大音量の音楽が流れていた。コーヒーを飲みながら裸でロッカー前に長時間いると、「まだ来ないのか」といった顔をした他の男達が何人も覗きにくるので笑いそうになった。発展場に行ったことは何回もあったが、SEXをしたのはその半分くらいだった。やりに行っているが、相手は選ぶ。中の上くらいだったら、やらずに帰った方がましだ。

極上の男がたまにいるのが不思議だった。なぜこのような男がこんな場所にいるのだろう。タチの目印だったある男性は真っ黒なマッチョで格闘家のように見えた。絵に描いたような理想のタチだと思った。爽やかな細マッチョのウケとやってはシャワーを浴びて、また別の獲物を探している風だった。合計3人くらいとやっているのを確認していたが、まさか話しかけられるとは思わなかった。

「ウケはやらないの?」

「オレ、タチだからw」

「じゃあ一緒にいよう」

彼に個室に誘われた。彼は巻いていたタオルを外すとオレの手を彼のチ〇コに当てて、握らせた。キスだけでいいから、と言われ、ずっと2人でキスをした。抱き合ってキスをして、頭をなでてあげると、出したいから見ていてと言われ、彼は床に射精した。彼の手には指輪が光っていた。

あれこれと要求が多いのがウケ。はっきりしないのもウケ。誘いを断っておいて誘い返すことがないのもウケだし、こんなやつやるだけでいいやと思わせるのもウケ。多くの恋愛でタチから別れを切り出す事の方が多いのではないかと勝手に思っている。

やり目的や発展場というのは本当に面白い。相手の体さえ良ければ本当にどうでもいいからだ。むしろ性格が悪い方が躊躇なくやり捨てられて後腐れなくてよい。乱暴に性処理に使えて便利だろう。そんな事を望んでいない大多数のゲイであれば、誠実な相手と出会いたいと思っているはずだ。そうであれば、やはりフリーの時から誠実に生きていなければ突然には誠実な人間にはなれないのだなあと思う。



欠片

2017-03-31 00:47:50 | 日記
原宿の駅に降り立つと、よく見た景色が広がっていた。大昔、自分はこの街にあるジムでよくトレーニングをしていたものだった。ちょっとカフェにでも寄ろうかとも思ったがすぐにジムに向かうことにした。

ここではパーソナルトレーナーを付けて本格的にトレーニングをしていた。かっこいいと思ったのが第一印象だったが、トレーニング以外でも一緒にいるうちに意外と普通だなと思っていた。彼の笑顔をまた見たいと思ったが、もういない事を思い出しすぐに考え直した。彼はもういない。このジムに、というより、この地球に。

自分がトレーニングを続ける理由はいろいろあるとは思うが、彼に教わったことが大きい。彼に教わったことを1つ1つ思い出しながら続けていく作業が、何か自分のライフワークのようなものになったのだ。それがトレーニングとも言える作業だっただけだが、他人には、「カッコよくなりたいから」とだけ説明している。

煌びやかなのは相変わらずだったが、もう誰一人知るスタッフがいなかった。厳密にいえば古株のスタッフとマネージャーは知っているが、その下に知る顔は1人もいない。よく話した深夜のスタッフやあの時に新人だったスタッフ達はどこに行ってしまったのだろう。聞けば分かることだが、そうはしないでレッグプレスに向かった。

見ようと積極的に見渡した訳ではないが、instagramで見かける顔があちこちにいた。本人だとすぐに分かる面々だったが、実物は普通だった。インスタグラムではマッチョな美青年にしか見えなかったが、割と背の低い男性や、思ったよりも年のいってそうな男性が鏡の前で肉体を誇示していた。自撮りというのは本当の姿とはかけ離れた他者に見せたい自分の姿。本当にかっこいい人達だとは思うが、自撮りを見させられてからの実物では、どうしてもこうした低い評価になるだろう。

美しいものというのは、儚いものでもある。すぐに壊れて消えてしまいそうなものを美しいと感じるのかもしれない。そうなのであればパーソナルトレーナーである彼を初めて見たときに感じた美しさはもう消えてしまった。その欠片を取り戻す作業が自分にとってのトレーニングなのかもしれない。

好きでいて

2017-03-04 01:10:38 | 日記
「よかったら、お茶でもしませんか?」

都庁近くのカフェでスマホゲームをしていると、自動ドアが開く音がした。ふと顔を上げると鍛えた男性が入ってくるところだった。人を探している様子の彼に軽く会釈をすると、ほっとしたような表情を見せこちらにやって来た。

「はじめまして!」

「はじめまして。」

その日彼は普段サラリーマンをしながらゴーゴーをしていると話してくれた。そして好きだ、とも。ゴーゴーは好きにならない。職業差別をしているのだ。そんな自分は、もう1度お茶をする約束をした。

2度目のデートはまるで男女のカップルのようだった。彼が寄りたい店に付き合い、おしゃれなお店で食事を楽しんだ。この男は女性にもてるだろう。やるだけならゲイからももてるかもしれない。ただ、何かが足りない。オレと同じことを感じた男は彼を選ばないだろう。一緒にいて楽しいとか顔が好きだとか、そういう恋愛を30過ぎて自分はしない。生きる意味などと言うと大げさかもしれないが、この子の為に仕事を頑張ろう。財布に1万入っていたのなら、この子の為に遣いたい。そんな恋愛を探している。

彼の横にいる男は、きっとオレじゃなくてもいい気がした。好きな気持ちは本当だろうが、オレじゃなくてもいいのだ。彼に何かが足りないとしたら、色々と充足されている事だろうか。彼は1人で生きていけるのだ。

幸せにしたいと思える相手を好きでいたいと思っている。




学生ボディビルダー

2017-02-19 13:26:18 | 日記
その男は大学進学の為、東京を訪れた。地方の進学校を卒業することになり、それなりに悩みや心配事はあったが順風満帆な人生だったように思う。親と一緒に乗り換えた新宿駅は巨大な要塞のようだった。ちゃんと1人で電車に乗れるだろうか。有名大学に進学する彼の一番の心配事はそれだった。

大学生活は楽しかった。一番の理由はサークルが楽しかったからだ。ずっとガリガリだった自分が強引な誘いで軽くサインしたボディビルサークルがその後の生活を変えた。筋トレなどしたことがなかったからこそ体はみるみる変わっていった。サークルとして永続させていくためには当然学生大会での部員の活躍は必須だったが、スター選手の発掘が重要であることは4年生はよく分かっていた。自分たちはいずれいなくなる。社会人チームとは訳が違うのだ。先輩はみな新入部員には優しかった。

彼が大学4年になった時にはマスコミやメーカーから大学に名指しで仕事のオファーが届くようになっていた。雑誌のちょっとしたカットやサプリメントのイベントなどでの単発での仕事が主だった。ボディビルは卒業と同時に引退する。就職は内定が決まっているところに入る事が決まっている。残り少ない大学生活は後進育成とアルバイトに費やすことになっていった。

彼は社会人となって4年が経つ。最初の1年は地獄の様だったが、今となっては笑い話だ。トレーニングはあれからも続けてはいるが、学生時代の華々しい体からはかけ離れてしまっている。久しぶりに会う友人はみな「太ったね」と言ってくるのがお決まりとなっていた。通っているゴールドジムでも「結構体がいいサラリーマン」とでも思われているのだろう。ボディビルダーだったことは自分から話さない限り誰も知らない事となっていた。

学生時代に何となくやっていた。センスがあろうがなかろうが、それはそれ。就職してまで続ける気はない。学生ボディビルダーの大半がそんな感じだろう。中にはトレーナーやスポーツ業界で働くこととなって選手を続ける学生もいるだろうが少数だ。それがどこかさみしくもある。

ミスマッチ

2017-02-18 10:52:21 | 日記
やはり、自分はブサイクだと思う。自宅の鏡を見ている分にはあまり気にならないが、行きつけのヘアサロンや職場の鏡に映る自分はあまりにも醜い。では美しいということはどういう状態か。

まずアップに耐えられる顔であるということだ。パーツの配置が線対称で歯並びがキレイであること。そしてシワがなくほうれい線もなくツヤツヤと輝く健康的な唇。いくらでも挙げることができるそんな条件の1つ1つが自分からはほど遠い。そんな事はずっと分かっていた事なのに、いつしか忘れてきてしまったのだ。男に「美しさ」は不要かもしれないが、美しいから男としてカッコいいともいえる。ある日突然絶世のイケメンに生まれ変わっていたら、その日はむしろ何もしなくても幸せな一日を過ごせるだろう。コーヒーを片手に街を歩いているだけで多くの人達と目が合うに違いない。レストランやカフェでは女性店員が不必要に気遣ってくれるだろう。街を彩る花となって、ただ存在するだけで人々が幸せな気分になれる。それがいい男というものだ。

では、そんな美しい男達は滅多にいないのかというとそうでもない。ゲイの世界ではそんな黄金比の顔を持つ男は多い。特に東京では20代で体が細くて顔が完璧な男と出会う事自体が日常茶飯事だ。でも美しいとは思うが、好きになることはなかった。上手く説明ができないが、どうでもいいのだ。体においてもそうだ。フィジーク選手のような体の男がアプリでもジムでも最高峰に位置しているが、それはそれだ。それだけで好きになる訳でもない。もっと田舎っぽい顔でもっとゆるい体のゲイの方がモテているような気がする。ありきたりだが、「普通の男」がいいということだ。

美しくなりたい、カッコよくなりたいと必死に努力をしていながら、相手には普通であることを求めている。それが恋愛を妨げている気がする。

見知らぬ駅

2017-01-23 01:00:24 | 日記
見知らぬ駅の構内で目当ての出口の表示を見つけ、足早にその方向へと向かって行った。今日からここが自分の勤務地となる。美味しいお店やちょっとしたドラッグストアなどあるだろうか。たまには帰りにちょこっと寄れるカフェなんかがあったらいいななどと考えながら新しい職場のビルを探して歩いていた。

「仕事帰りなんだ。飯田橋駅で待ち合わせてもいいかな。」

それから数ヵ月が経った。商店街のポイントカードを作ってもらったりお弁当屋さんの店長に顔を覚えられたり、なかなか溶け込んでいた。何一つ見覚えのない街のはずであったが、時々何かが心をかすめる事があったが、気のせいだろうとすぐ忘れていた。

「そこから何駅かで着くから泊まっていきなよ。」

この駅の名前くらいは知っている。降りた事はなかったが都内の地下鉄駅として認識はしていた。でも妙に駅名に聞き覚えがあったような気がするのはなぜだろうか。

お金持ちのお客様が続いたので上司に世間話として振ると、ああ、この街は金持ちが多くてね。弁護士やTVマンとかばかりだよ。と笑って話してくれた。へえ、そうなんですね、とコーヒーを片手に聞き入っていたが、弁護士という言葉に何かが心に触れた。弁護士が何だというのだろう。そんな知り合いは周りにいないし、お茶でこの前会ったのは弁護士を目指している学生だったくらいか。いや、もう1人いたかな。随分と大昔に。

「好きだよ。」

たまたま寄った飯田橋駅前のイルミネーションがとても綺麗だった。カメラを持って来ていたらもっと綺麗に撮れたのに、と後悔しながら歩いていると、大昔の彼の笑顔が蘇ってきた。スーツで待ち合わせ場所に現れた。そして少しだけ歩いて地下鉄の階段を下りていった。ただそれだけの飯田橋だったが、今でも覚えているのはなぜだろうか。そして、その向かった先がこの地下鉄駅だったのだ。

「いつか一緒になれたらいいね。」

見知らぬこの駅で自分は恋に落ちて、10年以上の時を経て今またやって来た。運命や縁などという程のことでもないが、昔通って来た道が今に繋がっている気がした。