火曜日の育英センターは、ジュニアの日。
1年生のジュニア教室では、次週に迫った
クリスマスについての激論となりました。
「徹底討論
《サンタクロースは存在するか!?》」
そもそも、サンタクロースに手紙を書いてみようか、
という話から、始まったのです。
「えー、家で書く」とか、
「もう家で書いた」とか、
「学校でも書いた」とか、
「何をもらう」とか、「何をほしい」とか言っていた
みなさん。
川上が
「じゃぁ、みんなで考えてみようか。
サンタクロースはいるのか、いないのか!?」
えぇっ!?という表情の子ども達。
川上「いると思う人?
(みんなまわりの友人を見回し、なぜか手を挙げない!)
……じゃ、いないと思う人?
(と、みんなが「そりゃそうだよ!」という勢いと表情で、
バサバサと手を挙げます。)」
さっきまで、サンタさんにもう手紙は書いたとか、
何もらうか、もう決めたよ!と言っていたみんなが、
大まじめに話題として取り上げてみると、急に発言が
正反対になります。
なんだなんだ、教室モードというか、勉強モードでは
サンタクロースは急にいないことになっちゃうのか?
なぜか、「サンタさんなんかいないんだよ」という人が
多数派に。
じゃぁ、
徹底討論してみましょう。ということでスタート。
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川上「それでは、いると思う人、いないと思う人、
それぞれ、その理由を考えて言ってみてください。」
理由を尋ねていくと、
子「サンタなんか、いるわけないじゃん。」
子「そうそう、だって、見たことないもん」
子「そうだよ、お母さんやお父さんなんだよ」
まずは「“家族の人”説」が優位かという展開。
子「そうだそうだママだった。」
子「パパがそっと置いていた。薄目で見たよ。」
子「うん、ママだった。見た見た!」
川上「そうかなぁ、じゃぁ世界中のお父さんや
お母さんが、みんなでクリスマスになると
サンタがいるって、ウソをついているのかな?
そんなことするかなぁ?大人が。」
子「それは、……そうだよ」
やや、勢いが衰える。サンタ非存在派
川上「他にいないと思う人。ハイ、どうぞ。」
子「足音がしないもん!」
子「袋を置く時、音がしない。」
子「見たこと無いもん」
子ども達は、物理的な根拠から攻めはじめました。
川上「そうか、見たこと無い。
見たことがないけど、それはいないことの理由になるかな?
たとえば、郵便屋さんや、宅急便屋さんは見たこと無い人も
いるでしょう?でもみんなの家には届くよね。会ったことが
ないことは、いないことにはならないんじゃない?
それに、みんな眠っているときにまわりで何が起こっているか
ぜんぶわかる人はいないでしょう?
寝てるときの物音は全部は聞こえていないでしょう?」
子「ううーむむ」
川上「それじゃぁ、なぜサンタさんの服が赤くて、白いヒゲでとか
みんなが知ってるのかな?」
子「みんなが知ってるサンタは想像、作り話なんだよ」
子「そうそう、作り話だよ」
川上「数百年前から少なくともサンタさんはいるとされているのに、
ずっと昔から本当にはいなかったの?」
子「それは、うーん。でも作り話だよ。」
子「想像だよ。誰かが考えたんだよ。だって見たこと無いじゃん」
川上「じゃぁ、宇宙人はいると思う?
それとも見たこと無いからいないのかな?」
子「いないんだよ。だってテレビで言ってたよ。」
子「いるよ。テレビでは宇宙人いるって言ってた。
川上「そうだね。見たことが無いってことなら、
宇宙の隅から隅まで全部見たのかな?それでいないって
言うならわかるけど。
全部見ていないのに、本当にいないって言い切れるかな?
いることは見たらすぐに証明できるけど、
いないことの証明って、難しいんじゃない。
サンタも同じようにさ、誰も見たことが無いけど、
それがいないって証拠にはならないんじゃないかな?」
ここで、サンタ存在チームが声を上げます。
子「そうそう、いるんだよ。
だから、サンタの赤い服、白いヒゲは、
見たこと、会ったことのある人が描いたんだよ」
子「だから、みんな知ってるんだよ」
子「そうだよ。
それに、サンタがいるから、サンタクロースの名前があるんじゃん。
いなかったら名前なんかないじゃん」
子「サンタは、目に見えないで透明だからいるんじゃない?」
お、サンタ存在派が盛り上げてきた!
子「じゃぁ、どうやって家に入るんだよ?」
子「うちも、鍵がかかっているから入れないし、
煙突なんかもないじゃん。
大体どうやって鍵がかかってるのに入れるの?」
子「サンタは、透明だから、目に見えないから入れるんだよ」
子「そうだよ、透明になるからドアから入るんだよ」
子「そう、通っても見えないから」
やや、非存在派が不利か?
子「先生、あのさ、いないと思うよ。だってさ、
去年プレゼントもらったんだけど、その包装紙に
【アカチャンホンポ】のマークがあったもん」
子「そうだよー。いないんだよー。」
子「ぼくも【トイザらス】だったしー。」
一気に核心に迫る発言!やはり非存在派有利か?
そこで、川上もサンタ存在派を助太刀します。
川上「待って、サンタさんだって世界中の国に
プレゼント持ってまわるんでしょ?その国の子には
その国で買ったプレゼントなんじゃないの?
大体、日本中だってどれだけ子ども達がいるんだろう。
その子ども達全員に配るだけのおもちゃを全部持って
運ぶことは出来ないんじゃない?
みんなの学校の人数考えただけでも、大勢いるでしょ?
まして世界中の子どもの分を一気に運ぶことなんか
出来ないでしょう。
それに、おもちゃとかサンタさんが盗んでいるわけじゃ
ないだろうから、サンタさんだってどこかでやっぱり
買うんじゃないかな?」
子「だけど、誰もサンタさんに会ったことはないし」
子「みんなに聞いた訳じゃないじゃん!」
子「そうだよ。透明だから見えないンじゃん?」
子「透明で、どうやってお金払うんだ?」
川上「誰も見たこと無いんだから、サンタさんだって
普段は赤い服着てるわけじゃないんじゃないの?」
子「でも、そんなに大量に買う人なんかいたら、
大変だよ。わかっちゃうじゃん。」
子「だから、見えないんだよ。」
子「見えない人がどうやってレジ通るんだよ。」
川上「その時その時で、違う人に変装しているとか?」
子「見えないんだよ。」
子「いや、その日だけ、家の人が子どもに秘密にしてるんだよ」
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ということで、もちろん結論は出ません。
最後に子ども達には、ニューヨーク=サン新聞の社説に
100年以上も前に載った有名な文章をまとめとして
読みました。
それは「サンタクロースっているんでしょうか」。
現在は1冊の本になっているので手軽に読めます。
8歳のバージニアという女の子が新聞社の人に
サンタクロースがいるのかいないのか友達、家族と
話し合った末に、「新聞社の人が言うならいるんじゃない」という
お父さんの一言で投稿してきた手紙がきっかけとなりました。
そして、その手紙を取り上げ、サンタクロースの存在について
社説で答えているのです。
詳しくは本を読んでほしいのですが、とても素敵な文章です。
この文章を読むと、サンタクロースの存在を信じない人も、
サンタが存在してももいいのかもしれないと思えるようになります。
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読んであげた子ども達には、ちょっと難しかったようです。
でも、サンタクロースについて真剣にディスカッションをした分、
これからも考えるきっかけとなっていけば面白いですね。
とは言っても、クリスマスまでもうすぐ。
サンタクロースは「いる」と思う人も、「いない」と思う人も、
楽しく過ごせるといいですね。
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Change!! IKUEI!!
by 川上
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