ダダダダダー、ダダダダダー。という音楽が、日曜日から
頭の中で回り続けています。
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荘厳なパイプオルガンの重低音が劇場いっぱいに響き渡る
おなじみのテーマ曲(?)のあの映画「オペラ座の怪人」を
見てきました。
美しい映像と、引き込まれるストーリーでした。
川上が最近見た映画の中では、まったく秀逸です。
舞台は19世紀のパリ・オペラ座。
実は川上、2000年に、恥ずかしながらこの建物に新婚旅行で
行ってるのです。
それだけに、これはあの辺りかな?いや、あの下かな?などと
勝手に想像したりして、ドキドキしていたのですが、まぁそんな
経験があろうと無かろうと楽しめる映画です。
映画でありながら、オペラを見ているようであり、ご存知の通り
舞台でのミュージカルが元になっていますので、ミュージカルを
見ているのでもあり、また歌の場面が当然たくさんあるので、
歌の勉強のようでもあり、また、旅行も思い出すので旅気分もあり、
一粒で何度もおいしい映画だと言えます。
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ともあれ、このオペラ座に住む謎の怪人=Phantom が、次々と事件を
起こすわけですが、彼は闇に潜み声だけは聞こえるという不思議な
存在でした。
なぜ彼は闇の世界に住むに至ったのか。そこがきょうのポイントです。
実は彼は、ある理由により、幼い頃に心に大変なダメージを受けた。
ある理由というのは、ネタばれしてしまうためここには書きません。
映画をご覧下さい。広い意味で虐待といってもいいですが、そんな
虐待なんてなまやさしいものではありません。
とにかく、自分自身の力ではどうすることも出来ない原因により、
取り返しのつかないほどのダメージを心と体に受けました。
そしてそのダメージとある原因により、やむを得ずオペラ座の地下の
迷宮に籠もり、その恨みを晴らすために、哀しみのために数々の事件を
引き起こすことになるのです。
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これは、何かに似ていないでしょうか。
ちょうどこの映画を見る半日前の26日夜のNHKで放映された
夜回り先生こと水谷修先生の語ったこととまったく同じなのです。
この間の水谷先生の語った、昼の街で大人にいじめられ、社会に
いじめられ、行き場を失い夜の街に生きる場を求めていく子ども達の
図式そのままなのです。
時代が違っても、洋の東西もかかわらず、やはり子ども達が道を
それてしまうのには、同じ原因があるのだと確信しました。
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このことを、彼=Phantom 自らがは映画後半のDOWN ONCE MORE
(「地下へ再び」)という歌の中で、次のように語っているのです。
再び 身を潜めよう 私の暗い絶望の地下牢に!
飛び込むのだ 心の牢獄へ!
この道を下り 地獄のように深い闇へ!
なぜ こんな冷たく陰鬱な場所に
鎖でつながれねばならないのだろうか?
重罪をおかしたせいではない (中略)
誰もが 私を追い払う! どこへ行っても 憎まれる!
誰も やさしい言葉をかけてくれない!
誰も 同情を寄せてくれない!
クリスティーヌ なぜ なぜなのだ?
(中略)
母親でさえ (略) 恐れ 嫌った
仮面こそ 私が最初に身につけた無情な衣服
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この怪人も、実はやむを得ず行き場を失い夜の街に住む
現代の子ども達とほぼ同じ境遇にあると言ってもいいのでは
ないでしょうか。
彼はその「ある原因」のために、誰からも愛されたこともなく、
母親さえも彼のことを「恐れ、嫌った」というのです。
子どもの頃から、追い払われ、憎まれ、やさしい言葉を
かけられたこともなく、同情されたこともない。
やがて、誰も自分を傷つける人がいない、地下の迷宮に住むこととなり、
そこで孤独に育った。
自己肯定感も、自信も、持てるわけもなく、彼は人を傷つけ、
命を奪うという最悪の道を選んでしまっています。
もしも、彼が温かい愛情の中に育っていたら、同情してくれたり、
やさしい言葉をかけてくれたり、助け出してくれる大人が周りに
いれば、たとえその原因となった物理的な原因があったにしても、
もう少し幸せになっていたのではないかと思います。
あるいは、少なくとも闇の迷宮に住むことはしなくて済んだの
ではないかと。
そして、彼の作曲家としての才能、音楽的な才能などを生かして、
昼の街で生きることが出来たのではないでしょうか。
正論みたいですが、彼のような不幸な目に遭う子ども達が出ないよう、
わたし達は日々子どもに寄り添い、子どもの言葉に、SOSに耳を傾けて
いきたいと思いました。
そして、子ども達のいいところを見つけて、愛していけるように
なりたいなぁと微力ながらこっそり思ったりしています。
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ということで、まずは皆さんも映画館に行って、見てみてください。
ミュージカルとしても、耳に残る名曲が沢山あります。
音楽はとにかくよかったです。
「ホント、絶対見て!」って、おすぎみたいに言いたいくらいです。
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映画公式サイト
→ 「
オペラ座の怪人」
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ガンバロウ長岡!!!
ガンバロウ育英!!!
by 川上