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ころちゃん 命日

11年前の、やはり 今日のような天候が続く梅雨時の真夜中 ほっ と目を開けると、煌々と照らす室内の私の横にいる ころちゃん の真ん丸く見開いた目があって、とっさに抱き上げて ころちゃんころちゃんと呼ぶと、さっき寝る前に見た目とは違う どこかを見つめているような覚悟したような目が私の両腕の中にあった。
数ヶ月前から病院に連れていったり入院をしたりの ころちゃん との毎日で、雑種で室内犬ではないので庭が生活の場であるのに この日は何だか心配になって、和室の私のふとんの横に ころちゃん を寝かせて、電気をつけっぱなしで明るくしたままで一緒に寝たのだった。
すぐ、横に置いておいた水の入ったスポイトを ころちゃん の口の舌の上にのせて、少しまた少しと水を与えると力なく反射的に歯と舌と口の中が動き、まだある意識のなかで水が身体に吸収されていった。
じーっと一点を見つめるころちゃんの目は、見続ける私の目の中を通り抜け、遠い遠いずーっと向こうを見ているように、そこには病を抱えた昨日までの表情は全くない、と私は思った。
ガクッ と音をたてて支えていた身体の張りがなくなった。ころちゃんころちゃんと呼び続け、電話で事情をはなし、抱っこして車に乗って獣医さんのところへ行った。
何とかなりませんか何度も言ったけれど、注射をしたけれど、諦めなければならなかった。
家に戻って、さっきの私の横にころちゃんを寝かせ朝になって、日中に ころちゃん の身体を足からシッポの先から耳の中からすべてのすみずみまで拭いてきれいになった。
こんなにきれいにしてあげた事一度もなかったなあ。
輝くように真っ白になった ころちゃん を抱えて、生活していた庭・寝起きしていた縁の下の空間・子犬の時遊ばせた事がある2階のベランダ・病気になってから寝かせていた玄関など過ごした空間を ころちゃん と動きまわった。思いついて二枚スケッチした。

ころちゃん どこの星になっているのですか? 
星がきれいにものすごく近くに見える時などそんなことを思っていますよ。


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