宅建士試験まで既に半年を切っています。
今年も20万人を超える人たちが受験します。
昨日、受講者様からいただいたご質問。
以下の2問の違いについての解説要求がございましたのでご紹介致します。
<設問No.142>
家屋の売買契約において売主の過失で家屋が焼失してしまった場合、
売買契約は失効する。→(間違い)
<設問No.228>
売買契約を締結し、移転登記後引き渡し前に売主の失火により建物を全焼
させた場合は、債務不履行となり、買主は売買契約を解除できる。
→(正しい)
【受講者様からのご質問】
いずれも売主の過失による債務不履行のように思いますが、解説を見ると
売買契約の解除の可否に違いがあります。何故でしょうか?
「契約の失効」と「契約の解除」は同義ではありません。
失効は契約の効力が生じないことを意味しますが、解除は契約の効力が
有効であることを前提としています。
債務者の過失による債務不履行があったとしても、それにより締結して
いた契約の効力が自動的に消滅するわけではありません。
例えば「運転免許証の失効」という場合、あらかじめ定められていた
有効期限を過ぎますと、本来、禁止されている道路上の車両走行の許可
権が自動的に失われることになります。
しかし、売買契約に基づく債務不履行によって契約効力が自動的に消滅
することはありません。契約効力が存するために、買主は売主に対して
損害賠償請求を行うことができるのです。
よって、No142の設問は間違っていると判断できます。
その一方、債務の履行の全部又は一部が不能となったとき、債権者は契約
の解除をすることができると民法では定めています。
売主の過失により建物は全焼し、売主は買主に対して建物引き渡し債務
を履行することができなくなりましたので、買主は売主の債務履行「不能」
を理由に契約解除をすることができます。
よって、No228は「正しい」と判断することができます。
宅建士試験の勉強では、単純に設問内容の「答えを暗記」しただけでは、
本番試験に合格することはできません。
正誤判断の根拠は、設問の中に100%あります。
「失効」と「解除」という日本語の意味を正しく理解できていない人は、
正解に辿り着けません。
設問中のキーワードに気づくこと、理解することが短期合格には必要不可欠
といえるでしょう。
是非、弊社の門を叩いてください。簡単に合格するためのアドバイスを無料
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