先日、西悦夫氏の明治維新に関する新説レビューに関するDVDを見て共感した。アメリカでは、歴史の真実をひもとくなら、
Follow the Money(金の流れを追跡せよ)だと教えられる。
18世紀から20世紀初頭、産業革命に端を発したイギリスの著しい経済成長は外国への植民地政策へとつながり、史上最大の統治面積を誇った。全地球上の4分の1の面積がイギリス統治下に置かれ、その総称である大英帝国は「日が沈まぬ国」と言われた。つまり、統治した国の必ずどこかの頭上には太陽が輝いていたのだ。
そのイギリス経済を牛耳っていたのが、1600年創立のイギリス東インド会社である。当時のイギリスは清国から大量に陶磁器や絹、茶などを輸入していたが、イギリスからは時計や望遠鏡などの富裕層向けの高級品しか輸出できなかった。
また、清国の主流通貨は「銀貨」だったが、イギリスは産業革命による資本蓄積やアメリカ独立戦争の戦費確保のため、銀の国外流出を抑制する政策をとっていたため、清国へ支払う「銀貨」調達に苦心していた。中国からの輸入超過をなんとか解消したいイギリスの目にとまったのが、当時、イギリスの植民地であったインドで栽培されていたケシである。
元々、皇帝一族へ贈られる媚薬成分としてケシが使用されていることを知ったイギリス東インド会社は、清国との不均衡貿易を調整し、銀貨を取得するための手段として大量のケシを植民地インドで栽培することを決めた。数百キロに及ぶ広大な面積でケシを栽培し、どんどん清国に輸出したのだ。
その結果、清国ではアヘン中毒が蔓延した。アヘンの輸入禁止令を何度も発令するが、効果なく、また人口増加傾向にあった清国では、民度が低下し、自暴自棄の下層民が増えたことも、アヘン吸引者の増加を助長させた。
不均衡貿易は解消したどころか、今度は大量の「銀貨」がアヘンの支払いのため、清国からイギリスに流れ、清国の銀保有量は激減し、銀の資産価値は暴騰。遂に清国は債務不履行に陥ってしまった。そこで、代金不払いを不服としたイギリスは満を期し、清国に戦争をしかけたのだ。それが世にいうアヘン戦争である。
アヘン中毒の清国軍兵士相手の戦争である。負けるわけがない。イギリスは清国に勝利し、清国から多額の賠償金と香港割譲を受けた。
その香港に創設されたのが有名はHSBC(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited)、つまり、香港上海銀行である。その創設の立役者がジャーディン・マセソン社。
この会社の前身はイギリス東インド会社。1832年にスコットランド出身のイギリス東インド会社元船医で貿易商人のウィリアム・ジャーディンとジェームス・マセソンにより設立された会社であり、インドに広大なケシ栽培場をつくり、清国に大量にアヘンを輸出していた会社である。
HSBCはアヘンで稼いだ金のマネーローダリング銀行として設立されたのだ。
そして、このジャーディン・マンセン社と仲睦まじかったのが、グラバー商会と坂本龍馬が設立した「亀山社中」である。
ジャーディン・マンセン社は腹黒い貿易会社。清国を手に入れた後、次に狙うは我が国「日本」。実は薩摩藩は幕府の許可無く琉球を経由し、清国との密貿易を行っていたし、長州藩の高杉晋作は上海へ渡航し清国を取り巻く列強の存在を知っていた。
一方、幕府はアメリカ東インド会社の艦隊(ペリー来航)がやってきた事で浮き足だっている。ペリーはアメリカ政府の人間ではない。東インド会社という民間企業の一社員に過ぎない。にもかかわらず、日本は艦船4隻に完全に震え上がったわけだ。
日本も欲しい。しかし、清国とのアヘン戦争で、イギリス軍兵の多くを死傷させたイギリスは、もう、自国兵士を戦地に派兵するのは得策ではないと判断した。そこで、どうしたか?
現政府ともいえる徳川幕府に不満を募らせる薩摩藩、長州藩を束ねさせるため、子飼いの坂本龍馬を遣わし、彼らに軍艦や大量の武器・弾薬等を供与し、テロリストに育て上げたのだ。
自国民どおしで内乱を起こさせ、日本そのものを弱体化させようとしたわけである。土佐の一脱藩浪士にすぎない坂本龍馬に莫大な資金と武器を与えたのは、間違いなくイギリス東インド会社である。
1859年(安政6年)、上海支店にいたイギリス人ウィリアム・ケズィック(ウィリアム・ジャーディンの姉の子)が横浜(旧山下町居留地1番館、現山下町一番地)に「ジャーディン・マセソン商会」横浜支店を設立したが、この会社が日本に進出した外資第1号だと知れば納得できるはず。
更に吉田茂の養父・吉田健三が一時期、同社横浜支店長を勤めていたことからしても、イギリスの息のかかったメンバーによるテロ行為によって樹立された時の明治政府および以後の日本政府と同社との蜜月ぶりが容易に想像つく。
このような歴史を知れば知るほど、何故、アメリカがイスラム国に対して、自国兵士による地上戦を拒み、現地のイラク兵士に武器を大量に供与し、戦場に送り込んでいるのかわかる気がする。
今、イスラム国を支えている武器は、アメリカがイラク兵に与え、そのイラク兵から奪ったものが大半を占めている。
シリアやイラクも反米国家。イスラム国との戦争でそれぞれの国力が疲弊するのを外野から眺める姿が、東インド会社の姿に重なって見えてしまうのは私だけだろうか。
東インド会社の国旗を見れば、イギリスとアメリカという国の生い立ちが、なんとなく素人でもわかるはずである。。。。。。
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