因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

FUKAI PRODUCE羽衣『ROMANCEPOOL』

2008-08-03 | 舞台
*深井順子プロデュース 糸井幸之介作・演出・音楽 公式サイトはこちら こまばアゴラ劇場 3日で終了。
 猛暑のなか怒濤の観劇。まずは1本めから。羽衣は今回が初見になる。散歩道楽、劇団掘出者、劇団桟敷童子など、これまでみたことのある劇団の俳優さんが何人も客演しており、別の場での顔がどんなものか興味を持った。

 三方を客席が囲み、真ん中がプールという見立てらしい。プールで泳ぐ女の子たちをプールサイドから眺めている男たち。彼らは服装もメイクも妙にけばけばしく、「ダニエル」「ジョン」(だったかな)などと呼び合っている。芯になるストーリーはなさそうで、プールを題材にした話がオムニバス風に連なるわけでもなく、随分テンションが高く、しかも相当に際どい内容の歌とダンスによって進行する。

 演劇の表現方法はさまざまなものがあったほうがおもしろい。また常に「テーマは何か」「作者の言いたいことは何か」と大上段に構える必要もないだろう。肩の力を抜いて楽しめるもの、よくわからないものの、ほかでは味わえない時間を過ごせるもの、いろいろな舞台がある。しかし今回の舞台はそのいずれでもなく、どこに自分の気持ちを寄せればいいのか掴めなかった。俳優が熱演すればするほど引いてしまい、戸惑いを越えて苦痛に近い感覚を味わうことに。単に好みの問題、相性が悪かった、自分の理解力、感受性の及ばない作品であったとまとめるのは簡単であるが、どうにも残念。

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