読書や映画など観劇以外の覚え書きです。
【本】
*曽野綾子 『老いの才覚』 ベスト新書
*宝泉薫 『泣ける太宰 笑える太宰』 彩流社
*芥川比呂志 『ハムレット役者』 講談社文芸文庫
*北村薫 宮部みゆき編 『名短篇、さらにあり』 ちくま文庫
林芙美子の『骨』、島村藤村の『ある女の生涯』に背筋が寒くなる。これが舞台や映像になったらと想像してみた。いろいろな女優の顔が浮かんでは消え、ますます怖くなった。
☆群像2月号掲載の岡田利規『距離、必需品』をおもしろく読みました。岡田利規の舞台をなかなか楽しめないのですが、小説の文体には違和感を覚えず、主人公の女性の感覚にすっと寄り添えました。人がことばにして相手に話しているのは、心のなかのほんの一部にすぎず、大半はことばにできずに泡のように消えたり、マグマのように滾りながら、澱のようにたまってゆく。その泡やマグマや澱の様相が、微に入り際に穿つごとく、隙なく繊細に記されています。何気ないひとことをここまで突き詰めて受け取られたら相手の男はたまらないでしょうが、でも彼女の気持ちはわかります。岡田利規が舞台で何を描こうとしているのか、小説を読むことによって少しは歩み寄れるかもしれません。
【映画】
*加藤直輝監督 『アブラクサスの祭り』
*クラウス・ハロ脚本・監督 『ヤコブへの手紙』
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