タツノヒノエ

神仏への道-神社仏閣巡りから、古代の神々との出会い

神の子・シヴァ・・・

2023-05-08 18:37:32 | 日記

「現在の」ヒンドゥー教の最高神シヴァ。

破壊神シヴァ・・・歴史上存在した「人としての神」なのか、それとも、暴風雨・地震など、自然災害そのものを神格化しただけの自然神なのか・・・出自はわからない。

人物神としてのインドラとも関連があると言う説もあり、はっきりとはわからない。

雷神インドラも、「雷を神格化した自然神」と思われがちであるが、お釈迦様はインドラ (帝釈天) のことを「サッカ」と呼び、生前は人間で、慈悲深いバラモンであり、生前積んだ善徳により、死後、三十三天の世界に生まれ変わり、その王になったと説明されておられる。

また、仏教側の神話では、大日如来が降三世明王に変化して、仏の教えに従わない大自在天 (シヴァ神) を踏み殺し、後に蘇生させ、調伏した・・・となっている。

この仏教神話が・・・ある場面では、確か、シヴァがインドラになっていたのを何かで読んだことがある。

そういう意味で、シヴァとインドラの関連もなんとなく頷けるものである。

ただ、史実としてのインドラ (帝釈天=サッカ) は、早くからお釈迦様に帰依しているので、仏教に調伏されると言う話は史実ではない。

インドラではなく、インドラよりもまだ上の天上界である梵天界の、「ある梵天」が、「自分のいる世界に来れるバラモン、又は道の人は存在しない」と思っているところを、下界で瞑想しているお釈迦様に察知されて、瞬時に梵天界にテレポートしてきたお釈迦様と、四人の高弟に無言で教え諭される描写は原始仏典に出てくる。・・・お釈迦様と高弟4人、合計5人が、「火界定 (かかいじょう) 」に入った姿で梵天の真上 (お釈迦様) 、高弟4人が、お釈迦さまより下位、梵天より上位の東西南北の位置に空中で座る・・・と言う無言の説法で、梵天が改心したと言う話。これが、もしかすると、降三世明王がシヴァを降伏 (ごうぶく) すると言う神話のモデルになったのかも知れない。

Murudeshwar Shiva.jpgシヴァ神。ウィキより。こちらは、2500年前に描かれた、「生身のお釈迦様 画」

この画像のシヴァは、私は「ヒマラヤ山脈」そのものを想起する。

シヴァが、人の神なのか、自然神なのか、修法そのもの (行者が観法の対象とするイメージ) なのかは、わからない。

原始仏典のうち「サンユッタ・ニカーヤ」 (ブッダ 神々との対話) より、

「第三章 種々なる異学」第一節 シヴァ に、「神の子 シヴァ」と言う神霊が登場する。

「わたしは、このように聞いた。あるとき尊師 (お釈迦様) は、サーヴァッティー市のジェータ林・(孤独な人々に食を給する長者) の園に住しておられた。

その時、〈神の子・シヴァ〉は、夜が更けてから、容色麗しく、ジェータ林を遍く照らして、尊師のおられるところにおもむいた。近づいてから、尊師に敬礼して、傍らに立った。

傍らに立った〈神の子・シヴァ〉は、尊師のもとで、次の詩を唱えた。  

「善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、より善き者となる。悪い者とはならない。

善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、智慧が得られる。他のことからは、得られない。

善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、憂いのさ中にあっても憂えない。

善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、親族のうちにあって輝く。

善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、人々は良き境地におもむく。

善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、人々は、永遠の福楽に住する」と。

そこで尊師は、〈神の子・シヴァ〉に詩をもって返答した。  

「善き人々とともに坐せ。善き人々と交われ。

善き人々の説く正しい教えを学び知って、すべての苦しみから脱れる」と。

(サンユッタ・ニカーヤに登場する「神の子・シヴァ」が、「シヴァ神」と同一か否かは、わからない)

・・・・・


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする