春爛漫。歌舞伎も、新しい局面に入ります。
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歌舞伎界、春に挑む 四代目中村鴈治郎襲名披露 浅草で3年ぶり、平成中村座
朝日新聞 2015年3月26日16時30分
4月、東京では2座で歌舞伎の幕が開く。歌舞伎座の中村翫雀(かんじゃく)改め四代目中村鴈治郎襲名披露と、浅草の地で3年ぶりに櫓(やぐら)をあげる平成中村座。共に、先人の思いを受け継ぎ、新たな一歩を踏み出す公演だ。
●歌舞伎座 襲名、強まる祖父への意識
新鴈治郎にとって「鴈治郎」といえば、祖父の二代目だという。「飄々(ひょうひょう)として不思議な人でした。どの芝居でもその役になっちゃう」。近年、老け役や三枚目なども演じ、芸域の広かった祖父への意識も強くなった。
昼に「吉田屋」の伊左衛門、夜に「河庄」の治兵衛と、共に初代の当たり役に挑む。妻子がありながら遊女小春(中村芝雀)に心奪われた治兵衛の出は「頬(ほお)かむりの中に日本一の顔」と川柳に詠まれたほどだった。「恋につかれた男の象徴。皆様に入り込んでもらえるような芝居になれば」
舞台への専念は大学卒業後。「20代は暗中模索。口を酸っぱくして色々と言ってくれたのが(坂東)三津五郎の兄さんだった」。中村勘三郎にも教わることが多かったという。亡き2人の「穴を埋めることも、生涯をかけてやりたい」。
上方歌舞伎の担い手としての責任も重い。「弟子たちも成長している。大阪の公演も増やさないと」
●平成中村座 父の思い継ぎ再始動
父・中村勘三郎が2012年に亡くなって以来、中村勘九郎・七之助兄弟にとって平成中村座の再始動は支えだったという。
江戸時代の芝居小屋を復活させたい、との勘三郎の熱い思いが生んだ空間。勘九郎は「お客さんが入った時の舞台からの景色を見せたい、と思う小屋。やっていてワクワクしますね」。
昼夜に勘三郎ゆかりの演目が並ぶ。昼「魚屋宗五郎」の夫婦は、兄弟が共に初役。父の宗五郎と共演し「空気感を味わえたのは大きい」と勘九郎。七之助は祖父・中村芝翫が目標という。「間の取り方が絶妙。『芸』なんだと思います。ああいう風にやりたい」
夜「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」のお三輪を、七之助は3年前に初演。病床の勘三郎は「もう一回やりたかったんだよ」ともらした。「いじめられるのが、悲しいのではない。なぜ好きな人に会えないのか。その気持ちが出せたら、可愛く切なく見えると思う」
中村橋之助はじめ、共演者は「おなじみ」の顔ぶれ。「みんな熱い気持ちを持っている」と勘九郎。一方、座組みの固定化はイメージにない。ここ数年、勘三郎をはじめ中心となる役者が相次いで世を去った。「余裕はなくなってくる。これからは、みんな一緒にやっていかないとダメだと思いますね」(増田愛子)
▽歌舞伎座4月大歌舞伎 4月2~26日。昼はほかに「碁盤太平記」など。夜の「成駒家歌舞伎賑」で口上がある。1万9千円など▽平成中村座 4月1日~5月3日。昼はほかに「勧進帳」など、夜はほかに「極付幡随長兵衛」などがある。1万4500円など。0570・000・489(チケットホン松竹)。
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歌舞伎座のチケットはまだ十分にありますが、平成中村座のチケットはすでに完売。ぼやぼやしていたら、貧乏英語塾長は、平成中村座のチケットを取り損ねてしまいました。残念。
かくなるうえは、歌舞伎座に行って、「がんじろはん」に「鳴駒屋!」と声をかけることにいたします。
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