2005年第1回の定期上映会で上映した作品です。
実はこの映画、INDECで上映したのはこれで3回目となります。INDECの会員ならば、このことだけで、この映画がどれだけ特別な映画か分かります。そんなに上映される映画は滅多にないからです。
通常、INDECでは、いろいろな事情からどんなに定期上映会を開こうとしても年間に45回前後開ければ、精一杯です。ですから、過去6年間でのべ270本程度の映画しか上映してこれませんでした。
270本。すごい数だと思われるかもしれません。でも、ゴウ先生には満足いく数字ではありません。あれも見せてあげたい、それも無視できない、と悩む日々です。単に人を集めただけの映画は、Gump Theatreでは上映されません。
そんなことをすれば、黒澤明が、小津安二郎が、溝口健二が怒ります。フランク・キャプラが、ジョージ・ロイ・ヒルが浮かばれません。
というわけで、普通は同じ映画を複数回プログラムに載せることはないのです。もちろんINDEC会員の顔ぶれも変わっているのですから、いい映画はどんどん上映した方がいいに決まっているのです。でもそうすれば、あまりにゴウ先生の趣味が反映されたものとなり、若者たちにそっぽ向かれる可能性が出てきます。映画はまずは楽しく見てもらえることが一番ですから。
したがって、定期上映会の演目はその時の会員諸君が面白いと思ってくれる新鮮なラインナップにするということを常に心がけています。ですから、旧作が何度も上映されることは極めて例外的なことなのです。
たとえば、3回以上上映された作品は、この『フォレスト・ガンプ』だけですし、2回上映されたのが、『七人の侍』、『隠し砦の三悪人』、『天国と地獄』に『カサブランカ』と『風とともに去りぬ』だけだと申し上げれば肯いていただけますでしょうか。
それではなぜに『フォレスト・ガンプ』が他の5本の不朽の名作の上を行くかを述べないといけませんね。
実に個人的な心情がこもりすぎた結果なのですが、どうかお付き合いください。
この作品が制作されたのは、1994年。その年ゴウ先生は、身重の妻と2歳になったばかりの長男を連れてアイオワから日本に引き揚げてきました。
その年の夏は去年の夏に匹敵するほどの猛暑でした。家族を養うために、着なれないスーツを着て方々に就職活動に出かけました。おかげで、2週間で体重が8㎏減りました。顔も貧相なものです。
そんな不運な男に専門の哲学では正式の大学のポストなんかありはしません。あっても、生活の基盤に乏しい英語かドイツ語の非常勤講師の話だけです。それもあるのかないのか分からないような話ばかりで、現れては消えました。もちろん、非常勤の仕事では到底家族を食わせてはいけません。
そんなこんなで、人の無情さに唇をかみ締めた挙句、渋谷にあったとある英会話学校にTOEICの講師として働くことになりました。給料は信じられないくらいに安かったです。でも、大学の非常勤講師よりもましでした。
そんな状態でしたから、大好きなトム・ハンクスが『フォレスト・ガンプ』という大作を作っていて、それが近日日本でも公開されるということを知ってはいましたが、じっくり映画を見られるような環境でも心境でもなかったのです。
そのうえ、翌1995年の春胆石症の発作で倒れてしまい、手術をしなければならなくなりました。日本の映画界はこの『フォレスト・ガンプ』の話題でもちきりでしたが、ゴウ先生には何の関係もありませんでした。貯えもないのに、こんな病気になってしまってとわが身の愚かさをなじってばかりでした。
そうして1995年も終わろうとする頃、この映画がビデオになりました。いまは潰れた近所の貸しビデオ屋から借りました。当時の我が家のTVは20インチのちんけなものでした。
それでも思いきり映画に引きずり込まれました。
IQ70のフォレスト・ガンプが自分の好きなことを、周りのいろいろな人に支えながら、やり続けていくと、すべてやり遂げてしまうというストーリーです。(原作とはまったく異なる流れとなっています。)
もう、最高です。作中で散りばめられたガンプの大活躍に心が躍らなければ、映画好きではありません。笑いの中に秘められた人間としての悲しみに胸を詰まらせられなければ、映画好きではありません。
見終わった時、ゴウ先生はおいおい泣きました。特に最後のシーンで、トム・ハンクスと天才子役ハーレー・ジョエル・オスメントとが絡む場面では、若き父親のゴウ先生は自分のことのように泣けました。
いいも悪いも、できることならフォレスト・ガンプのように生きたい。そう思ってしまったのです。それだけのパワーとエネルギーをくれたのがこの映画なんです。昨今の泣かせることだけを前提に作られた純愛映画とやらとは骨格と体力が違います。
そして、よし自分の学校を作ろうと決めました。いまこうしてゴウ先生が苦労しているのは、ゴウ先生にゴウ先生がいなかったからだと考えたからです。日本の若者たちにこんな苦労をさせないために、俺は俺の学校を作ってやると誓ったのでした。
ですから、それから4年たってINDECを作った時に、教室兼映画小屋をGump Theatreと名付けることに一瞬のためらいもありませんでした。ここで学ぶ若者たちも、あのフォレスト・ガンプのように、自分らしく自分の道を歩いて、その結果成功を収めて欲しいわけですから。
それから4年たって、上映機材をリニューアルした時に2回目の上映をしました。
そしてまた2年。ひたすらに自分の道を素直に歩き続けるガンプの姿を目に焼き付けて欲しくて3度目の上映となりました。
おそらくまたしばらくすれば、4回目の上映を行うことでしょう。この作品にはそれだけのことをする恩義と義務がゴウ先生にはあるのです。
小さなTVやPCではなく、大画面で映画の中に溶け込んで鑑賞して欲しい映画です。
ゴウ先生ランキング:A+
見てください。
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実はこの映画、INDECで上映したのはこれで3回目となります。INDECの会員ならば、このことだけで、この映画がどれだけ特別な映画か分かります。そんなに上映される映画は滅多にないからです。
通常、INDECでは、いろいろな事情からどんなに定期上映会を開こうとしても年間に45回前後開ければ、精一杯です。ですから、過去6年間でのべ270本程度の映画しか上映してこれませんでした。
270本。すごい数だと思われるかもしれません。でも、ゴウ先生には満足いく数字ではありません。あれも見せてあげたい、それも無視できない、と悩む日々です。単に人を集めただけの映画は、Gump Theatreでは上映されません。
そんなことをすれば、黒澤明が、小津安二郎が、溝口健二が怒ります。フランク・キャプラが、ジョージ・ロイ・ヒルが浮かばれません。
というわけで、普通は同じ映画を複数回プログラムに載せることはないのです。もちろんINDEC会員の顔ぶれも変わっているのですから、いい映画はどんどん上映した方がいいに決まっているのです。でもそうすれば、あまりにゴウ先生の趣味が反映されたものとなり、若者たちにそっぽ向かれる可能性が出てきます。映画はまずは楽しく見てもらえることが一番ですから。
したがって、定期上映会の演目はその時の会員諸君が面白いと思ってくれる新鮮なラインナップにするということを常に心がけています。ですから、旧作が何度も上映されることは極めて例外的なことなのです。
たとえば、3回以上上映された作品は、この『フォレスト・ガンプ』だけですし、2回上映されたのが、『七人の侍』、『隠し砦の三悪人』、『天国と地獄』に『カサブランカ』と『風とともに去りぬ』だけだと申し上げれば肯いていただけますでしょうか。
それではなぜに『フォレスト・ガンプ』が他の5本の不朽の名作の上を行くかを述べないといけませんね。
実に個人的な心情がこもりすぎた結果なのですが、どうかお付き合いください。
この作品が制作されたのは、1994年。その年ゴウ先生は、身重の妻と2歳になったばかりの長男を連れてアイオワから日本に引き揚げてきました。
その年の夏は去年の夏に匹敵するほどの猛暑でした。家族を養うために、着なれないスーツを着て方々に就職活動に出かけました。おかげで、2週間で体重が8㎏減りました。顔も貧相なものです。
そんな不運な男に専門の哲学では正式の大学のポストなんかありはしません。あっても、生活の基盤に乏しい英語かドイツ語の非常勤講師の話だけです。それもあるのかないのか分からないような話ばかりで、現れては消えました。もちろん、非常勤の仕事では到底家族を食わせてはいけません。
そんなこんなで、人の無情さに唇をかみ締めた挙句、渋谷にあったとある英会話学校にTOEICの講師として働くことになりました。給料は信じられないくらいに安かったです。でも、大学の非常勤講師よりもましでした。
そんな状態でしたから、大好きなトム・ハンクスが『フォレスト・ガンプ』という大作を作っていて、それが近日日本でも公開されるということを知ってはいましたが、じっくり映画を見られるような環境でも心境でもなかったのです。
そのうえ、翌1995年の春胆石症の発作で倒れてしまい、手術をしなければならなくなりました。日本の映画界はこの『フォレスト・ガンプ』の話題でもちきりでしたが、ゴウ先生には何の関係もありませんでした。貯えもないのに、こんな病気になってしまってとわが身の愚かさをなじってばかりでした。
そうして1995年も終わろうとする頃、この映画がビデオになりました。いまは潰れた近所の貸しビデオ屋から借りました。当時の我が家のTVは20インチのちんけなものでした。
それでも思いきり映画に引きずり込まれました。
IQ70のフォレスト・ガンプが自分の好きなことを、周りのいろいろな人に支えながら、やり続けていくと、すべてやり遂げてしまうというストーリーです。(原作とはまったく異なる流れとなっています。)
もう、最高です。作中で散りばめられたガンプの大活躍に心が躍らなければ、映画好きではありません。笑いの中に秘められた人間としての悲しみに胸を詰まらせられなければ、映画好きではありません。
見終わった時、ゴウ先生はおいおい泣きました。特に最後のシーンで、トム・ハンクスと天才子役ハーレー・ジョエル・オスメントとが絡む場面では、若き父親のゴウ先生は自分のことのように泣けました。
いいも悪いも、できることならフォレスト・ガンプのように生きたい。そう思ってしまったのです。それだけのパワーとエネルギーをくれたのがこの映画なんです。昨今の泣かせることだけを前提に作られた純愛映画とやらとは骨格と体力が違います。
そして、よし自分の学校を作ろうと決めました。いまこうしてゴウ先生が苦労しているのは、ゴウ先生にゴウ先生がいなかったからだと考えたからです。日本の若者たちにこんな苦労をさせないために、俺は俺の学校を作ってやると誓ったのでした。
ですから、それから4年たってINDECを作った時に、教室兼映画小屋をGump Theatreと名付けることに一瞬のためらいもありませんでした。ここで学ぶ若者たちも、あのフォレスト・ガンプのように、自分らしく自分の道を歩いて、その結果成功を収めて欲しいわけですから。
それから4年たって、上映機材をリニューアルした時に2回目の上映をしました。
そしてまた2年。ひたすらに自分の道を素直に歩き続けるガンプの姿を目に焼き付けて欲しくて3度目の上映となりました。
おそらくまたしばらくすれば、4回目の上映を行うことでしょう。この作品にはそれだけのことをする恩義と義務がゴウ先生にはあるのです。
小さなTVやPCではなく、大画面で映画の中に溶け込んで鑑賞して欲しい映画です。
ゴウ先生ランキング:A+
見てください。
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御紹介されている5本の名作は全てGump Theatreにて見させて頂きましたが、『フォレスト・ガンプ』を見た時の衝撃は別格でした。
フォレストの走り続ける姿。ジェニーへの一途な愛。信じ続ける力強さ。フォレストの生き方全てに心が打たれました・・・
周りにいる人全てがフォレストの力になってくれましたが、それはフォレストの素直に自分の信じた道を突き進む姿に心動かされたからだと感じます。
私もフォレストのように靴がボロボロになるまで走り続ける強さ、周りの人を幸せにする優しさ、そして人を突き動かすエネルギーを持ちたいと心より感じました。
本当に素晴らしい映画を御上映頂きまして誠にありがとうございました。これからも素晴らしい映画と出会える事を心より楽しみにしております。