時代の流れからいって、当然の高額賠償金です。もはや、タバコ会社は、逆風を避ける方法はありません。
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JT子会社など3社に賠償命令=総額1兆5000億円―加裁判所
【ニューヨーク時事】カナダのケベック州上位裁判所は1日、同州の喫煙者らが健康被害を訴えた集団訴訟で、日本たばこ産業(JT)子会社のJTIマクドナルドなど3社に対し、総額156億カナダドル(約1兆5000億円)の賠償金の支払いを命じた。3社は判決を不服として控訴する方針。現地メディアが伝えた。
他の2社は英ブリティッシュ・アメリカン・タバコと米フィリップ・モリス・インターナショナルの各子会社。判決ではJTが20億カナダドル、ブリティッシュ・アメリカンとフィリップ・モリスがそれぞれ105億カナダドル、31億カナダドルを負担する。
たばこ大手3社に1兆5千億円の賠償命令 カナダ
CNN 2015.06.02 Tue posted at 13:46 JST
(CNN) カナダの消費者が大手たばこ会社を相手取って起こした集団代表訴訟で、ケベック州の裁判所はたばこ会社3社に対し、総額150億カナダドル(約1兆5000億円)の損害賠償支払いを命じる判決を言い渡した。
カナダの放送局CBCによると、原告側は、たばこ会社が喫煙のリスクについて十分な告知をせず、見境のない宣伝を行ったり文書を破棄したりしたと主張していた。
賠償が命じられたのはインペリアル・タバコ、ベンソン&ヘッジス、JTIマクドナルドの3社。
原告のうち、1976年1月までに喫煙を始めてがんになった人は各10万カナダドル(約1000万円)、それ以降に吸い始めた人は9万カナダドル(約900万円)を受け取る。また、肺気腫を患った原告にも賠償金が支払われる。
今回の訴訟は、喫煙による深刻な健康被害を訴える原告団と、禁煙できなくなったと訴える原告団の2つの集団代表訴訟として1998年に始まった。
原告側のブルース・ジョンストン弁護士は1日、「たばこ会社はうそをついただけでなく、結託してうそをついた」と語気を強めた。
一方、たばこ会社側は、消費者は喫煙のリスクを十分認識していたはずだと主張、判決を不服として控訴する意向を示している。
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フリーマガジンの『R25』を一読すればわかるように、JTの広報活動はいまでも世界的に類のないしつこいものです。もし他の国で同様のことをやれば、即刻3兆円規模の訴訟が起こるのではないかと思うほどです。
日本でも同種の訴訟が起こせないものかと思ったりもするのですが、日本の訴訟法に阻まれて、ここまで高額の賠償請求訴訟を起こすのは、実質上不可能なようです(何なのでしょう、あの「供託金」という時代遅れの制度は)。
しかも、JTはタバコ利権に群がる政治家と喫煙客に媚を売る飲食店を味方につけていますから、JTの国内での勢いは、落ち目とはいえ、まだまだ高く、世界のトレンドとマッチしていません。このために、2020年の東京五輪も、時代の逆行を行く「喫煙五輪」になるという悲惨な動きです。
日本政府は、この裁判で判明した、反タバコという世界的流れを踏まえて、より厳しい禁煙行政を徹底しないと、世界から笑われます。アベノミクスにタバコ利権が入っていないことを願う次第です。
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