2005年2月5日に上映しました。
実はこの映画、定期上映会にかけたのは初めてなんです。以前、ある会員からリクエストされて、その彼のためだけに上映したことはありますが、こういう形では上映してきませんでした。
ゴウ先生に云わせると、この映画は無邪気そうでいて、実はかなりアザトイ趣向の連続で、嫌いではないけど、どうもイマイチ乗れない作品だからです。
脚本をスティーブン・スピルバーグの妹のアン・スピルバーグが担当していたり(ユダヤの結束は固いんです)、ニュー・ヨークはニュー・ヨークでもクィーンズの方のユダヤ人街が舞台になったり、極めつけはユダヤ・ビジネスの典型であるおもちゃ業界が舞台ですから、どこかユダヤの宣伝映画のようなものに感じられるのですが、読み込みすぎでしょうか。
まして、この映画のトム・ハンクスは、その髪型といい、昨日イスラエルから来たというような雰囲気を全面に出してます。ハンクス・ファンのゴウ先生としても複雑な思いに駈られてしまうわけです。
もちろん、INDECの会員諸君はこういう裏事情に疎い発展途上のナイーブ人ばかりですから、見た諸君から寄せられた感想文には何らそういう内容は触れられていません。ノンキなんです。知らなくてすめば、それに越したことはないけれど、ユダヤ人問題というのは、世界の一大問題ですからね・・・。残念。
それではどうして上映したかと言えば、コメディとしてみたらばやはり設定・ストーリーの展開、それに芸達者な俳優たちがすべてペニー・マーシャル監督のもときちんといい仕事をしていますから、やはり無視してはいけないとおもったからであります。
とにかく、アメリカのコメディ映画のほとんどすべてがユダヤ人の俳優に支えられているという事実を知れれば、一応今回のトム・ハンクス特集は正解だと言いたかったわけです。
と同時にこの完成されたコメディが12歳と30歳のジョシュアを描き分けることで成功している点を逆手にとって、『世界の中心で、愛をさけぶ』という映画モドキを批判したいという意図もありました。
実際、『ビッグ』の後で、『セカチュー』の冒頭を見せただけで、参加してくれた会員諸君のほとんどはゴウ先生の意図を察知してくれました。(それでも全部見ていないから、『セカチュー』の愚かさを論じられないと書いてきたノータリンがいて、がっかりしたゴウ先生です。どうぞ2時間18分の時間と貴重なお金をしっかりドブに捨ててください。)
映画は複合芸術です。脚本・俳優・撮影技術・音響・音楽・映像そうしたものが監督ないしは製作者の技量によって、観客に訴えられるものでなければなりません。
歌がいいから(だったら、『瞳をとじて』のCDを買えばよいのです)、俳優が似てるから(12歳と30歳のジョシュアは似ても似つかないですが、見る側に何の違和感もありません)ということだけで映画を語ってはいけないと思うのです。この監督による演技指導がなされたこの俳優のこの演技という形でこそ、俳優を語ることが許されるのがプロの映画というものです。
『ビッグ』はそういう意味で、肩の力を抜いて楽しむにも相応しいですし、ニュー・ヨークにおけるユダヤ人社会というものをうっすらと垣間見ることもできます。そして、映画の勉強にもなるわけです。
英語学習という点においても、汚らしい侮蔑語がほとんど出てこないうえに、出てくる俳優たちの発音が聞き取りやすく分かり易いものですから、安心してお薦めできます。
ゴウ先生ランキング:B+
『セカチュー』に飽きたら(?)、ぜひどうぞ。
INDEC新入会員募集中!INDEC公式ホームページへどうぞ!
ビッグ20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンこのアイテムの詳細を見る |
実はこの映画、定期上映会にかけたのは初めてなんです。以前、ある会員からリクエストされて、その彼のためだけに上映したことはありますが、こういう形では上映してきませんでした。
ゴウ先生に云わせると、この映画は無邪気そうでいて、実はかなりアザトイ趣向の連続で、嫌いではないけど、どうもイマイチ乗れない作品だからです。
脚本をスティーブン・スピルバーグの妹のアン・スピルバーグが担当していたり(ユダヤの結束は固いんです)、ニュー・ヨークはニュー・ヨークでもクィーンズの方のユダヤ人街が舞台になったり、極めつけはユダヤ・ビジネスの典型であるおもちゃ業界が舞台ですから、どこかユダヤの宣伝映画のようなものに感じられるのですが、読み込みすぎでしょうか。
まして、この映画のトム・ハンクスは、その髪型といい、昨日イスラエルから来たというような雰囲気を全面に出してます。ハンクス・ファンのゴウ先生としても複雑な思いに駈られてしまうわけです。
もちろん、INDECの会員諸君はこういう裏事情に疎い発展途上のナイーブ人ばかりですから、見た諸君から寄せられた感想文には何らそういう内容は触れられていません。ノンキなんです。知らなくてすめば、それに越したことはないけれど、ユダヤ人問題というのは、世界の一大問題ですからね・・・。残念。
それではどうして上映したかと言えば、コメディとしてみたらばやはり設定・ストーリーの展開、それに芸達者な俳優たちがすべてペニー・マーシャル監督のもときちんといい仕事をしていますから、やはり無視してはいけないとおもったからであります。
とにかく、アメリカのコメディ映画のほとんどすべてがユダヤ人の俳優に支えられているという事実を知れれば、一応今回のトム・ハンクス特集は正解だと言いたかったわけです。
と同時にこの完成されたコメディが12歳と30歳のジョシュアを描き分けることで成功している点を逆手にとって、『世界の中心で、愛をさけぶ』という映画モドキを批判したいという意図もありました。
実際、『ビッグ』の後で、『セカチュー』の冒頭を見せただけで、参加してくれた会員諸君のほとんどはゴウ先生の意図を察知してくれました。(それでも全部見ていないから、『セカチュー』の愚かさを論じられないと書いてきたノータリンがいて、がっかりしたゴウ先生です。どうぞ2時間18分の時間と貴重なお金をしっかりドブに捨ててください。)
映画は複合芸術です。脚本・俳優・撮影技術・音響・音楽・映像そうしたものが監督ないしは製作者の技量によって、観客に訴えられるものでなければなりません。
歌がいいから(だったら、『瞳をとじて』のCDを買えばよいのです)、俳優が似てるから(12歳と30歳のジョシュアは似ても似つかないですが、見る側に何の違和感もありません)ということだけで映画を語ってはいけないと思うのです。この監督による演技指導がなされたこの俳優のこの演技という形でこそ、俳優を語ることが許されるのがプロの映画というものです。
『ビッグ』はそういう意味で、肩の力を抜いて楽しむにも相応しいですし、ニュー・ヨークにおけるユダヤ人社会というものをうっすらと垣間見ることもできます。そして、映画の勉強にもなるわけです。
英語学習という点においても、汚らしい侮蔑語がほとんど出てこないうえに、出てくる俳優たちの発音が聞き取りやすく分かり易いものですから、安心してお薦めできます。
ゴウ先生ランキング:B+
『セカチュー』に飽きたら(?)、ぜひどうぞ。
INDEC新入会員募集中!INDEC公式ホームページへどうぞ!
映画上映会に参加させて頂くようになってから約二年が経ち、沢山の映画を鑑賞させて頂いておりますが、『ビッグ』にユダヤ問題のメッセージがあったとは全く気付きませんでした。
映画界でのユダヤ勢力については何度もお話をして頂いたにもかかわらず、何も気付かない鈍感な自分を恥ずかしく思っております。もっと多くの映画に触れ見る目を養っていきます。
そういった事は気付かなかったのですが、トム・ハンクスの演技、テンポの良さ、何とも言えない切なさ等本当に楽しませて頂きました。ありがとうございました。
その後、上映頂きました『セカチュー』とは雲泥の差でした。(比べることすら『ビッグ』に対して申\し訳ないのですが…)
これからも複合芸術としての素晴らし映画に出会っていきたいので、今度とも映画上映会に休まず参加していきます。宜しくお願いいたします。
『ビッグ』は内容がコミカルでそれだけで楽しめる映画だと思ったのですが、背景にユダヤ人問題という大きな問題があること、先生に指摘されて初めて気づきました。ストーリーの展開ばかりに気を取られていた自分を恥ずかしく思う限りです。このようにご指摘いただくと、映画の見方が全く変わる気がしました。多様な民族の住むアメリカでは、映画も民族の宣伝の道具として使われることは現実的に思えてきます。
日本人の私でも、異なる国の文化的背景をきちんと理解できるようになりたい、映画の見方を先生にご指摘いただいて改めて思いました。異なる国の文化的背景を理解せずにコミュニケーションは成り立たないと思います。英語学習に通じることを感じます。
映画を「複合芸術」として理解し、一流といわれる映画をもっとたくさん観て、日々見る目を養いたいと思っています。