月曜に見た『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(以下、『SW3』)の感想をあれこれ考えていたら今日になりました。それだけ評価が難しい映画です。
まず、この映画を単独のものと考えるか、『SW』シリーズ新作3本の中の一本と考えるか、それとも6作の中の一本と考えるかで、見方は変わると思います。
ゴウ先生の評価は、単独の「映画」としてみると、B-/C+。以前の記事に書いたように、予習がなければとても「映画」として見られません。謎だらけです。ちょっと緊張感を失うとあっと言う間にストーリを追えなくなる危険性を孕んでいます。もちろん、「映画」ではなくCGを見に行ったというのであれば、別の評価でもよいのでしょうが。
ところが、前半3作のエンディングだと思って見ると、評価が変わります。ゴウ先生はジョージ・ルーカスの底力を感じました。それは、3作もかけて映画史上稀有な壮大な「絶望」の物語を創りあげたことに対してです。あまりの絶望の深さに、見終わった後、すぐに『SW4』を見たくなりました。それこそ「新たなる希望」が欲しくなったからであります。
『SW3』を見ることで、『SW1』であれだけ可愛かったアナキンが、『SW2』でヘイデン・クリステンセンのような悪役面の少年に変わった理由がよく分かります。皇帝軍以外は、だれも幸せになれないドラマにこれだけ多くの人を惹きつけられる手腕はすごいとしか言いようがありません。充分B+の価値はあります。
それでも、やはりB+どまりなのは、アナキンとパドメ、アナキンとオビワン、アナキンとパルパティーンなどの関係描写があまりに単純だからです。とりわけ、アナキンのパドメに対する思いがきちんと描かれているとは言えず、こちらとしてはパドメの死を素直に受け入れられなくなります。(たとえば、暗黒面のフォースを手に入れたダース・ベイダーもしくは皇帝がパドメを生き返らせることはできないのか、とか。)とにかく、もっと人間ドラマをきちんと描いて欲しかった恨みが残るのです。
そこで、6本の長大な叙事詩として見るとどうかと思って、自宅で子供たちと『SW5』まで見直しました(時間の都合で『SW6』は見直しがすんでいません)。そこから出た結論は、こりゃすごい、という思いです。
ゴウ先生は、以前も書いたように、決して『SW』フリークではありません。どちらかと言えば、第一作から第三作までが公開された高校から大学時代、『SW』に対して冷ややかな視線を送っていました。当時、一番尊敬していたアメリカ人監督がウッディ・アレンだと言えば、その理由を分かってもらえるでしょうか。
そんなゴウ先生ですが、『SW3』を見てから『SW4』と『SW5』を見直すと、どちらもスルスルと映画が頭に入ってくるのです。それぞれのエピソードが単独で面白いと思われる方もおありでしょうが、ゴウ先生にはすべてを通してみて初めてその本当の面白さが分かった気がしました。あれほど覚えるのが嫌だったキャラクターの名前もスーッと入ってきますし、伏線などの映画的仕掛けにすんなり酔うこともできるようになったのです。
というわけで、全6作を一本だと思って見たら、ゴウ先生は、A-を差し上げます。これで初めてルーカスがあのムチャクチャ分かりやすい『インディ・ジョーンズ』シリーズの製作者であることと結びつくゴウ先生でありました。
ところで、今回使用した新宿スカラ座ですが、画質・音質で気になったことを記しておきます。まず画質。スクリーン全体をしっかり視野に捉えたいと思って最後部の列で見ましたが、後のドアにかけられた非常口の緑のライトが明るすぎて、画面が白っぽく見えました。前方中央付近にある左右のドアの非常口ライトも邪魔です。消防法の関係で難しいのかもしれませんが、『SW』には不利でした。
さらに、音質に関しても、最後部だと後からのサラウンドがほとんどありません。『SW3』はドルビー・サラウンドEXの上映のはずですから、真後ろから音が来ても然るべきなのですが、スカラ座ではまったくケアされていませんでした。指定席付近では大丈夫だったのでしょうか。疑問です。
というわけで、この映画、DVDをGump Theatreで上映して初めてゴウ先生には本当の実力が分かるのかもしれません。来年ぐらいには発売されるでしょうから、待ち遠しい限りです。その時の再評価もお楽しみに。
それから、パンフレット。800円だったと思いますが、一つ驚きました。映画評論家とやらのヨイショ文章が一つもないのです。それでいてビッチリ詰まった内容。納得しました。(でもこれでルーカスはまた大もうけでしょうか。凄い!)しかし、内容は、完全なネタバレですから、見終わってから買うのが得策でしょう。
というわけで、ゴウ先生の総合評価:B
1800円ギリギリの価値はあります。前売券を持たない方も楽しめるはずです。ただし、ある程度の事前の予習を忘れずに行かれることとと映画館ならびに館内の座席の選択にはくれぐれも気をつけることをお勧めします。
まず、この映画を単独のものと考えるか、『SW』シリーズ新作3本の中の一本と考えるか、それとも6作の中の一本と考えるかで、見方は変わると思います。
ゴウ先生の評価は、単独の「映画」としてみると、B-/C+。以前の記事に書いたように、予習がなければとても「映画」として見られません。謎だらけです。ちょっと緊張感を失うとあっと言う間にストーリを追えなくなる危険性を孕んでいます。もちろん、「映画」ではなくCGを見に行ったというのであれば、別の評価でもよいのでしょうが。
ところが、前半3作のエンディングだと思って見ると、評価が変わります。ゴウ先生はジョージ・ルーカスの底力を感じました。それは、3作もかけて映画史上稀有な壮大な「絶望」の物語を創りあげたことに対してです。あまりの絶望の深さに、見終わった後、すぐに『SW4』を見たくなりました。それこそ「新たなる希望」が欲しくなったからであります。
『SW3』を見ることで、『SW1』であれだけ可愛かったアナキンが、『SW2』でヘイデン・クリステンセンのような悪役面の少年に変わった理由がよく分かります。皇帝軍以外は、だれも幸せになれないドラマにこれだけ多くの人を惹きつけられる手腕はすごいとしか言いようがありません。充分B+の価値はあります。
それでも、やはりB+どまりなのは、アナキンとパドメ、アナキンとオビワン、アナキンとパルパティーンなどの関係描写があまりに単純だからです。とりわけ、アナキンのパドメに対する思いがきちんと描かれているとは言えず、こちらとしてはパドメの死を素直に受け入れられなくなります。(たとえば、暗黒面のフォースを手に入れたダース・ベイダーもしくは皇帝がパドメを生き返らせることはできないのか、とか。)とにかく、もっと人間ドラマをきちんと描いて欲しかった恨みが残るのです。
そこで、6本の長大な叙事詩として見るとどうかと思って、自宅で子供たちと『SW5』まで見直しました(時間の都合で『SW6』は見直しがすんでいません)。そこから出た結論は、こりゃすごい、という思いです。
ゴウ先生は、以前も書いたように、決して『SW』フリークではありません。どちらかと言えば、第一作から第三作までが公開された高校から大学時代、『SW』に対して冷ややかな視線を送っていました。当時、一番尊敬していたアメリカ人監督がウッディ・アレンだと言えば、その理由を分かってもらえるでしょうか。
そんなゴウ先生ですが、『SW3』を見てから『SW4』と『SW5』を見直すと、どちらもスルスルと映画が頭に入ってくるのです。それぞれのエピソードが単独で面白いと思われる方もおありでしょうが、ゴウ先生にはすべてを通してみて初めてその本当の面白さが分かった気がしました。あれほど覚えるのが嫌だったキャラクターの名前もスーッと入ってきますし、伏線などの映画的仕掛けにすんなり酔うこともできるようになったのです。
というわけで、全6作を一本だと思って見たら、ゴウ先生は、A-を差し上げます。これで初めてルーカスがあのムチャクチャ分かりやすい『インディ・ジョーンズ』シリーズの製作者であることと結びつくゴウ先生でありました。
ところで、今回使用した新宿スカラ座ですが、画質・音質で気になったことを記しておきます。まず画質。スクリーン全体をしっかり視野に捉えたいと思って最後部の列で見ましたが、後のドアにかけられた非常口の緑のライトが明るすぎて、画面が白っぽく見えました。前方中央付近にある左右のドアの非常口ライトも邪魔です。消防法の関係で難しいのかもしれませんが、『SW』には不利でした。
さらに、音質に関しても、最後部だと後からのサラウンドがほとんどありません。『SW3』はドルビー・サラウンドEXの上映のはずですから、真後ろから音が来ても然るべきなのですが、スカラ座ではまったくケアされていませんでした。指定席付近では大丈夫だったのでしょうか。疑問です。
というわけで、この映画、DVDをGump Theatreで上映して初めてゴウ先生には本当の実力が分かるのかもしれません。来年ぐらいには発売されるでしょうから、待ち遠しい限りです。その時の再評価もお楽しみに。
それから、パンフレット。800円だったと思いますが、一つ驚きました。映画評論家とやらのヨイショ文章が一つもないのです。それでいてビッチリ詰まった内容。納得しました。(でもこれでルーカスはまた大もうけでしょうか。凄い!)しかし、内容は、完全なネタバレですから、見終わってから買うのが得策でしょう。
というわけで、ゴウ先生の総合評価:B
1800円ギリギリの価値はあります。前売券を持たない方も楽しめるはずです。ただし、ある程度の事前の予習を忘れずに行かれることとと映画館ならびに館内の座席の選択にはくれぐれも気をつけることをお勧めします。