夢と希望と笑いと涙の英語塾

INDECという名の東京高田馬場にある英語塾で繰り広げられる笑いと涙の物語
新入会員募集中!

毎日の論説委員は、ニュースをチェックしているのか

2006年04月03日 09時42分07秒 | 時事放談: マスコミ編
時々首を傾げる社説を書いてくれる毎日新聞でありますが、本日のそれはちょっとひどい気がします。というのも、この社説を書いた論説委員がニュース報道をきちんとリサーチしていないということが証明されたものだからです。

まずは、その社説をどうぞ。

**********

中国主席発言 次期首相候補はどう答える

 中国の胡錦濤国家主席が日中友好7団体の訪中団との会談で、「日本の指導者がA級戦犯をまつる靖国神社に再び参拝しないと約束すれば、首脳会談をいつでも開く用意がある」と語った。逆に言えば、A級戦犯の合祀(ごうし)をそのままにして首相が参拝を続けるなら首脳会談には応じない、ということだ。

 中国の最高指導者が首相の靖国参拝と首脳会談開催を直接結びつける発言をしたのは初めてである。靖国問題では譲歩しないという原則を改めて打ち出してきたことは、中国のこの問題に対する強いこだわりを示している。

 友好団体を招いての会談とあって、日本側には胡主席が日中関係改善への新提案を行うのではないかとの観測もあった。期待はずれに終わったのは残念だ。

 日中間の政治関係は冷え切っている。首脳の相互訪問は4年半も途絶えたままだ。国際会議の場を利用した首脳会談も、昨年4月のジャカルタ会談が最後だ。

 1年前の会談で、胡主席は靖国問題に関連し「反省を行動に移してほしい」と要請した。だが、小泉純一郎首相はその半年後に5度目の靖国参拝を敢行した。東シナ海のガス田開発や上海総領事館職員の自殺問題などもあり、日中関係は国交正常化以来最悪といわれるまでの状況に陥っている。

 中国は、小泉政権下での関係修復は見限ったようである。唐家せん国務委員は「小泉首相にはもう期待していない」と明言しているし、温家宝首相も関係悪化の責任は「中国にも日本の国民にもない」と小泉首相と日本国民を切り離す考えを示している。

 小泉首相の任期はあと半年ある。だが、日本の政界は06年度予算が成立し、水面下ではポスト小泉の自民党総裁選レースが動き出している。中国がこの時期に友好団体を招き胡主席が会談に応じたのも、こうした日本の政治情勢を見計らってのことだ。胡発言は小泉首相への批判以上に、小泉後を狙う次期首相候補たちに向けられたけん制の意味合いが強い。

 小泉首相は「靖国問題は外交カードにならない」と言う。しかし、すでに深刻な外交問題になっている現実がある。首相は、靖国問題は「心の問題」とも言う。だが、中国にしてみれば、胡主席が言うように「被害国の国民の気持ち」の問題でもある。

 胡発言を「内政干渉」と受け取る向きもある。今回のような発言が逆効果になる可能性も否定できない。しかし、靖国問題をどう扱うかは、むしろ日本の国民が一番知りたいところだ。外務省が最近発表した国民の意識調査結果では、約8割が日中関係の改善を求めている。

 胡主席が「日中友好の発展は両国の利益とアジアの平和に結びつく」と言うなら、中国には、原則論に固執するだけでなく関係改善の重要性を踏まえた柔軟な対応を求めたい。また、ポスト小泉をうかがう候補者たちには、胡発言に対する明確な答えを持ってもらいたい

毎日新聞 2006年4月3日 0時06分

**********

「ポスト小泉をうかがう候補者たちには、胡発言に対する明確な答えを持ってもらいたい」と締められても、読者としては昨日の朝のフジテレビ「報道2001」を見なかったの?と問うしかありません。

産経の記事などを引用するとまたご注意を受けますので、朝日新聞の記事を引用します。(実際、ゴウ先生が見る限り、この記事が一番詳しいもののように思います。ただし、番組名をはっきり書かないのはどうしたことかと思わんではありませんが。)

**********

安倍・麻生両氏、胡主席発言を批判 「条件化おかしい」 (朝日新聞) - goo ニュース

2006年 4月 2日 (日) 22:09

 安倍官房長官と麻生外相は2日、中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が「日本の指導者が靖国神社参拝を取りやめれば首脳会談に応じる」と発言したことについて、それぞれに出演したテレビ番組で批判的な姿勢を示した。胡氏の発言は、今後の対日外交では小泉首相の後継首相が靖国神社に参拝するかどうかも勘案する考えを示したものだが、ポスト小泉の有力候補とされる2人がそろって不快感を表明した形だ。

 安倍氏はテレビ朝日などの番組で「政治目的を達成するために、首脳会談をしないことを条件として出すのは間違っている」と中国側の方針を批判。「靖国以外の問題が起きた時にも『首脳会談をできない』と言われる。首脳会談をやってもらうために政治的、経済的な私たちの主張を取り下げていいのかということだ」と強調し、「政治の分野でいろんなことが起きるが、それを(経済関係に)波及させない原則を作る必要がある」と語った。

 首相になった場合の自らの靖国参拝については「参拝する、しないを政治的スローガンにするつもりはないし、外交問題からこれを外さなければいけない」と述べるにとどめ、「行かないと決めたわけではないか」との問いには「もちろん違う。いちいち宣言しない方がいい。靖国について語ることは外交問題を引き起こし、国益を損ねる」とした。

 一方、麻生氏も同日のフジテレビなどの番組で、胡氏の発言について「トップが会う必要があれば、会うのは大事なことだ」と述べ、靖国参拝自粛を首脳会談の条件にすべきではないとの認識を示した。「他国から言われて(参拝を)やめるとかやめないとなると、話が非常に込み入ってくる。国家の代表である総理大臣として、(他国に)言われれば言われるほど難しい話になっていく」とも語った。

 また麻生氏は、A級戦犯の分祀(ぶんし)について「靖国神社という宗教法人が分祀はできないと言う以上、政府として一宗教法人に介入することは憲法上できない」と指摘した。

**********

というわけで、次期総理総裁を狙う官房長官と外務大臣のお二方は、はっきりと中国の国家主席の発言に対する意見を述べておられるわけです。

毎日の立場がどうあれ、マスコミとしてそういうことを知らなかったような社説を平気で載せる神経はどうなっているのでしょう。こういうことを続ければ、毎日の社説であれ、記事であれ、きちんとしたリサーチもせずに書いているような印象を読者は持つようになるはずです。

毎日たるもの、まずはきちんとしたリサーチをお願いします。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本のホテルよ、非喫煙者の... | トップ | クロウよ、やっぱり禁煙しよう »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
誤解してしまいます (M)
2006-04-12 01:23:49
先生がご指摘した文は、読者は混乱してしまいます。首相候補が意見を持っていないのではないかと。
返信する

コメントを投稿

時事放談: マスコミ編」カテゴリの最新記事