2005年4月9日(土)の定期上映会報告です。
日本では23日に公開された「Shall we Dance?」を一足早くアメリカ盤のDVD(写真)で上映しました。INDECの特権です(?)。ゆえに、日本語の字幕でなく、英語の字幕で見ました。
DVDの画質は、120インチの大画面で見ましたが、乗ったことがあるシカゴのループ(環状電車のことです)の雰囲気を見事に出していましたし、細密な画質に満足できました。過去の経験から日本の映画館の水準を十分に凌駕していると思います。これなら監督のピーター・チェルソムも文句を言わないことでしょう。
音質もまずまずです。アクション映画ではないので、これ見よがしのサラウンド感はもともとありません。しかし、ダンスシーンの包囲感は十分にボール・ルーム(舞踏場)にいる錯覚を覚えさせます。名曲のタイトル・チューンがかかってリチャード・ギアとジェニファー・ロペスが踊りだすと、もう最高です。
そんなDVDによる鑑賞ですが、まず思ったのが、リチャード・ギアが老けたこと。『シカゴ』に比べるとドッと年を取った感じがしました。いまから28年前に『ミスター・グッドバーを探して』でダイアン・キートンと共演した頃のギア、そして『愛と青春の旅立ち』のギアを思い浮かべると、一瞬めまいを感じたほどです。『シカゴ』や『運命の女』で慣れていたのに・・・。でも踊るとやっぱりカッコよすぎます。これでは役所広司が可哀想です。
そしてジェニファー・ロペス。オリジナルの草刈民代ファンとしては、一番心配していた配役でありますが、杞憂でした。すんなり見られました。ギアを惹きつけるためには、ロペスくらいグラマラスでないとリアリティがないかと、キャスティングの妙に納得したほどです。
そして『ターミナル』のスタンレイ・トゥッチー。竹中直人の役ですが、これほど雰囲気が似ているとは・・・。竹中を研究したのでしょうね。こうなると、『スゥイングガールズ』がハリウッド・リメイクされる時は、彼に竹中の数学の先生役をやってもらいたくなります。ともかく、『ターミナル』でトム・ハンクスをいじめるよりは、こちらのドジ具合が最高です。特にカツラをかぶったトゥッチーは本当にカッコいい!アデランスをプレゼントしてあげたくなりました。
そして、渡辺えり子役のリサ・アンウォルター。美しすぎます!特にギアとワルツを踊るシーンでは完全にミス・キャストです。笑えません。美しすぎるからです。ちょっと渡辺の崩れたブスさを表現できる女優はアメリカにはいないのでしょう。
しかしこうした名優たちの好演を軽々と越えて行ったのは、スーザン・サランドンの存在感でした。
原作では冴えない専業主婦役を大手デパートの広報担当部長に設定することで、サランドンのゴージャスな雰囲気をギアのダンディぶりとマッチさせようという趣向が嬉しくなります。
どう考えても、アメリカでは社交ダンスは、競技ダンスは別として、日本人と比べて敷居の高いものではありません。ハイスクールのプロム(卒業謝恩会?)から始まって踊る機会は結構あるものです。
そうなれば、役所広司の社交ダンスへのためらいをそのままの形でアメリカ版に置き換えるのは滑稽です。そこでギアがサランドンとの熱い愛を取り戻したいという筋の脚本になったのだと思います。
そしてサランドンは見事にその期待に応えたと思います。彼女でなければ、赤いバラを抱えてたうえにタキシードに身を包んでエスカレーターから登場するギアの気障さに対抗できはしませんでした。(その意味では、アメリカでもいわゆる成熟した女優の層が薄くなっている感が否めません。代わりはキム・ベイジンガーぐらいでしょうか。)
というわけで、サランドン命のゴウ先生としては、ロペスよりもサランドンを格上に描いた感のあるこの映画にニコニコ顔を隠せないのでした。(実際、DVDの写真を見れば分かるように、サランドンはロペスとまったく同じ扱いを受けているのです。)
ゴウ先生ランキング:B
オリジナル・ファンはまあいいんじゃないと肩をすぼめ、ジェニロペ・ファンはウーンと唸り、サランドン・ファンはやったーと叫ぶ映画です。
でも1800円の価値は十分にあります。ゴールデン・ウィークにどうぞ。ゴウ先生はずっと働き通しですが・・・。
INDEC新入会員募集中!INDEC公式ホームページへどうぞ!
日本では23日に公開された「Shall we Dance?」を一足早くアメリカ盤のDVD(写真)で上映しました。INDECの特権です(?)。ゆえに、日本語の字幕でなく、英語の字幕で見ました。
DVDの画質は、120インチの大画面で見ましたが、乗ったことがあるシカゴのループ(環状電車のことです)の雰囲気を見事に出していましたし、細密な画質に満足できました。過去の経験から日本の映画館の水準を十分に凌駕していると思います。これなら監督のピーター・チェルソムも文句を言わないことでしょう。
音質もまずまずです。アクション映画ではないので、これ見よがしのサラウンド感はもともとありません。しかし、ダンスシーンの包囲感は十分にボール・ルーム(舞踏場)にいる錯覚を覚えさせます。名曲のタイトル・チューンがかかってリチャード・ギアとジェニファー・ロペスが踊りだすと、もう最高です。
そんなDVDによる鑑賞ですが、まず思ったのが、リチャード・ギアが老けたこと。『シカゴ』に比べるとドッと年を取った感じがしました。いまから28年前に『ミスター・グッドバーを探して』でダイアン・キートンと共演した頃のギア、そして『愛と青春の旅立ち』のギアを思い浮かべると、一瞬めまいを感じたほどです。『シカゴ』や『運命の女』で慣れていたのに・・・。でも踊るとやっぱりカッコよすぎます。これでは役所広司が可哀想です。
そしてジェニファー・ロペス。オリジナルの草刈民代ファンとしては、一番心配していた配役でありますが、杞憂でした。すんなり見られました。ギアを惹きつけるためには、ロペスくらいグラマラスでないとリアリティがないかと、キャスティングの妙に納得したほどです。
そして『ターミナル』のスタンレイ・トゥッチー。竹中直人の役ですが、これほど雰囲気が似ているとは・・・。竹中を研究したのでしょうね。こうなると、『スゥイングガールズ』がハリウッド・リメイクされる時は、彼に竹中の数学の先生役をやってもらいたくなります。ともかく、『ターミナル』でトム・ハンクスをいじめるよりは、こちらのドジ具合が最高です。特にカツラをかぶったトゥッチーは本当にカッコいい!アデランスをプレゼントしてあげたくなりました。
そして、渡辺えり子役のリサ・アンウォルター。美しすぎます!特にギアとワルツを踊るシーンでは完全にミス・キャストです。笑えません。美しすぎるからです。ちょっと渡辺の崩れたブスさを表現できる女優はアメリカにはいないのでしょう。
しかしこうした名優たちの好演を軽々と越えて行ったのは、スーザン・サランドンの存在感でした。
原作では冴えない専業主婦役を大手デパートの広報担当部長に設定することで、サランドンのゴージャスな雰囲気をギアのダンディぶりとマッチさせようという趣向が嬉しくなります。
どう考えても、アメリカでは社交ダンスは、競技ダンスは別として、日本人と比べて敷居の高いものではありません。ハイスクールのプロム(卒業謝恩会?)から始まって踊る機会は結構あるものです。
そうなれば、役所広司の社交ダンスへのためらいをそのままの形でアメリカ版に置き換えるのは滑稽です。そこでギアがサランドンとの熱い愛を取り戻したいという筋の脚本になったのだと思います。
そしてサランドンは見事にその期待に応えたと思います。彼女でなければ、赤いバラを抱えてたうえにタキシードに身を包んでエスカレーターから登場するギアの気障さに対抗できはしませんでした。(その意味では、アメリカでもいわゆる成熟した女優の層が薄くなっている感が否めません。代わりはキム・ベイジンガーぐらいでしょうか。)
というわけで、サランドン命のゴウ先生としては、ロペスよりもサランドンを格上に描いた感のあるこの映画にニコニコ顔を隠せないのでした。(実際、DVDの写真を見れば分かるように、サランドンはロペスとまったく同じ扱いを受けているのです。)
ゴウ先生ランキング:B
オリジナル・ファンはまあいいんじゃないと肩をすぼめ、ジェニロペ・ファンはウーンと唸り、サランドン・ファンはやったーと叫ぶ映画です。
でも1800円の価値は十分にあります。ゴールデン・ウィークにどうぞ。ゴウ先生はずっと働き通しですが・・・。
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観ていて全く退屈しませんでした。
それどころか、感動的でスクリーンに釘付けになる映画でした。
上映くださりありがとうございました。
雰囲気がいいシーンが多く、お気に入りの映画になりました。
音楽も気に入ってしまいましたので、Amazonで書籍購入のついでにサントラ盤を購入しました。
全く同感です!
このリメイクで一番目を引いたのがスーザンサランドンの存在感でした。日本版にはなかったアメリカ流の熟年夫婦愛をかくも自然に演じてリチャードギアとのバランスを完璧にとってくれたと思います。
見ていて微笑ましくなりまた羨ましくなった中年夫婦でした。
あんなふうに歳をとりたい!!
(^^;)