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荒川選手の金メダルをめぐる日米報道の比較

2006年02月24日 09時13分58秒 | 時事放談: マスコミ編
今朝起きていつも通りWEBサーチをして、初めて荒川静香選手の金メダルを知りました。おめでとうございます。

メダル・ゼロと予想していたゴウ先生、その不明を詫びたいと思います。城田憲子強化本部長も胸を撫で下ろしておられることでしょう。浅田真央選手を派遣しなくてもよかったではないか、とほくそえんでらっしゃるのではないかとご推察申し上げます(!)。

ともあれ、TVを観ていないゴウ先生、詳しい内容を知りたくて、あれこれ記事を読んでみました。しかし、日本の新聞は実に物足りないのです。午前8時現在gooニュースに取り上げられている記事でまともに読めるのは、時事通信の記事と下記の読売新聞くらいでした。

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待ちに待ったメダル、けが乗り越え荒川が快挙 (読売新聞) - goo ニュース

2006年 2月24日 (金) 07:25

 待ちに待った今大会日本勢初メダルは「金」。荒川がアジアのフィギュアスケート界に、史上初となる五輪金メダルをもたらした。

 開会式で「世界三大テノール」のルチアーノ・パバロッティ氏が歌い上げた地元イタリア歌劇「トゥーランドット」の曲に合わせ、氷上を華麗に舞った。直前に滑ったショートプログラム(SP)1位のコーエン(米)がジャンプで2度転倒する大失敗にも動じず、ほぼノーミスの演技を披露。3―3回転のコンビネーションジャンプは、安全に3―2回転に変更したが、代名詞とも言えるイナバウアーに、3―2―2回転の連続ジャンプ。長くしなやかな手足を生かしたスケールの大きな滑りで自己最高得点を更新し、SP上位のコーエン、スルツカヤ(ロシア)を逆転した。

 昨年、グランプリシリーズで、浅田真央(グランプリ東海)に2連敗した後、コーチをアイスダンス長野五輪代表のモロゾフ氏に変えた。プログラムを修正し、SP、フリーとも使用曲を変更。さまざまなリスクを冒してでも、メダルにかけた2004年世界選手権女王の思いは、最高の輝きとなって実った。

 直前にはきつく締め上げる靴で右足かかとを痛め、トリノ入り後に転倒して左肩を脱臼(だっきゅう)した。けがを乗り越えての快挙を、超満員の観衆はスタンディングオベーションで祝福した。

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最後の2段落は、滑る前から書いていたと想像して、前の2段落を書くのに1時間くらいかかっているわけです。何かとろいですよね。

しかも、荒川選手のフル・ネームすら書いていません。ゴウ先生、「静香」でよかったかしらんと思って、上記の時事通信の記事で確認せざるをえませんでした。

読売新聞ともあろう大新聞が、慌ててはいけません。落ち着いて、もっと情報量の多い記事を書いてもらいたいものです。

そこで、日本選手に負けたアメリカではどのように報道しているだろうかと思って、毎日読んでいるUSA Today、Washington Post、New York Timesの記事を比較してみました。

まず、記事本文の語数。それぞれ802語、830語、842語と、こんなに短時間で読み応えのある分量をものにして、詳しく競技進行を追っています。読売には見習ってもらいたいところです。

しかも、恐るべきことに日本時間で午前8時現在、すべてWeb版の第一面扱い。USA TodayとNew York Timesに至っては、第一面に荒川選手の写真入りなのです。彼女、アメリカで相当人気があるのでしょう。

そこでもう少し詳しく観察してみると、面白いことが分かりました。

まず中立なのは、APの記事“Japan's Arakawa wins figure skating gold; USA's Cohen falls to silver”を使ったUSA Today。

見出しを訳すと、「日本の荒川、フィギュア・スケートで金――アメリカのコーエン、銀に沈む」とでもなり、荒川のことだけでなく、自国の選手の結果も見出しに織り込んでいます。

さらに、写真も荒川が金メダルをぶらさげたものと転倒しているコーエン選手のものを順に一枚ずつ載せているのです。

それに対して、完全に日本の英字新聞ではないかと思ってしまったのが、New York Times。Lynn Zinser記者が書いた“Figure Skater Arakawa Gives Japan Its First Gold Medal”という自社記事です。

訳すと、「フィギュア・スケートの荒川、日本に初の金メダル」。見出しに、アメリカ選手のことなど出てもきません。大丈夫なのでしょうか。

しかも、荒川選手の写真が2枚使われ、コーエン選手の写真は一枚もなし。記事の内容も、荒川選手のことを非常に高く評価したものです。

恐るべし、アメリカの朝日新聞!ヘンなところで、日本びいきでした。常にこうあってもらいたいものです(?)。

そして、一番アメリカよりで、ある意味一番ほっとしたのが、Washington PostのAmy Shipley記者による“Cohen Falls Twice, but Wins Silver Medal”です。

訳せば、「コーエン、2度転倒、しかし銀は獲得」。ゴウ先生もアメリカ人ならば、このような見出しをつけます。ショート・プログラムが終って1位の選手がフリーで2回転倒して銀に終れば、こういう見出しをつけるのが普通の感覚というものでしょう。

写真もコーエン選手一枚、荒川選手一枚なのですが、USA Todayとは異なり、先にコーエン選手を載せています。

徹底した自国選手中心主義に、逆に潔さを感じるゴウ先生でありました。

そこでの論調も、冷静に競技を見つめていて、ゴウ先生は一番好ましいものに思われました。

そこで裏ブログの方で、Washington Postの記事の一部を今日の「気になる英語表現」として分析しますので、どうぞお立ち寄りください。(→こちらをクリック!

ともあれ、メンツが保てたJOCと日本スケート連盟。皆さんを救ってくれた荒川選手に最高の礼をつくしてあげてほしいと願います。

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