夢と希望と笑いと涙の英語塾

INDECという名の東京高田馬場にある英語塾で繰り広げられる笑いと涙の物語
新入会員募集中!

J・リン選手報道に見る、いまだに残るアジア人蔑視

2012年02月22日 10時21分13秒 | 時事放談: 海外編

裏ブログ(映画と本と音楽にあふれた英語塾)の「気になる英語表現:台湾系二世、一躍NBAスターに」において、先週の土曜日に取り上げたニューヨーク・ニックスのジェレミー・リン選手の報道において、アジア人を蔑視する発言があった模様です。記録しておきましょう。

**********

アジア蔑視、揺れる米スポーツ界 NBA台湾系スター選手に「Chink」(産経新聞) - goo ニュース

2012年2月22日(水)08:00

 ■人気テレビ局 編集担当者解雇

 【ニューヨーク=松浦肇】米スポーツ界がアジア系への差別問題で揺れている。米スポーツ番組がプロバスケットボールNBAの台湾系スター選手に差 別的な表現を用いたのがきっかけで、人権団体が非難声明を出し、編集担当者が解雇される事態となった。「人種のるつぼ」と呼ばれる米国でも、軍隊や学校で はアジア系に対するいじめが頻発しており、人種差別が根強い世相が浮き彫りになった。

 「Chink in the Armor(よろいをまとった中国野郎)」。17日夜、米国で人気のスポーツ専門局ESPNが、こんなショッキングな見出しを用いて、ニューヨークのチーム、ニックスのジェレミー・リン選手をインターネット上で紹介した。

 リン選手は名門ハーバード大学出身の23歳。ポイントガードと呼ばれる司令塔的なポジションで、最近にわかに頭角を現したのだが、リン選手が台湾人移民の家族で育ったため、アジア系米国人の間では、「台湾の誇り」と人気が急上昇していた。

 移民の国、米国では、アフリカ系のオバマ大統領をはじめ、マイノリティーの社会的台頭が著しい。だが、体格差が左右するスポーツ界で、アジア系は、ヒスパニック系、アフリカ系の後塵(こうじん)を拝してきた。

 だからこそ、ESPNはリン選手にスポットライトを当てたのだが、リン選手に対して用いた「チンク」という言葉は直接的には「隙間」という意味で も、中国系移民に使った場合、日本人が「ジャップ」と呼称されるに等しい侮辱的な表現となる。ESPNは翌日に謝罪したが、ESPNはテレビ放送でもアナ ウンサーが同様の差別用語を発言しており、米人権団体のアジア系米国人弁護教育基金(AALDEF)は、「謝罪だけでは済まない」と法的措置を示唆してい た。

 ESPNは19日、差別的な表現を用いたとして編集担当者を解雇する処分を発表。リン選手は米メディアに「彼らは謝罪した。私はもう気にしていない」とコメントした。

 19日に戦時中の日系人に対する強制収容70年を迎えた米国社会では、アジア系移民に対する差別がいまだ残っている。陸軍では、ニューヨーク市チャイナタウン出身の2等兵が昨年10月に派遣先のアフガニスタンで、同僚の兵士から人種差別的ないじめを受けたのを苦に自殺した。同僚兵士らはすでに起訴されたが、海兵隊でも昨年4月に中国系の兵士がいじめを理由に自殺している。

 米司法省と教育省が10代の学生を調査した統計(2009年実施)によると、31%の白人、34%のヒスパニック、38%のアフリカ系が「学校でいじめを受けたことがある」と答えたのに対して、アジア系学生の場合は54%に達するという。

**********

まあ、これが現実。19世紀にアメリカで問題になった「黄禍(yellow peril)」意識は、いまも完全に払拭されたわけではありません。まして、中国がこれだけ強大な国になってくると、アメリカ社会に内在するひずみが表面化するのです。

日本人も同じこと。アメリカで活躍するためには、こうした偏見と戦わなければなりません。くれぐれも勘違いしないように。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「大月孝行」と書かない毎日... | トップ | がれき処理問題:橋下市長は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事放談: 海外編」カテゴリの最新記事