iPod nanoが、あなたを英文速読へといざなう （後編）

さて、話を英語の勉強に戻しましょう。

記事の意味は取れたでしょうか？今週は、和訳はつけませんが、真剣に勉強したい方は、しっかりと辞書を引いて読んでください。そうでない方は、機械翻訳を使って文意を確認することをお薦めします。（太字の単語の意味は、文末に載せてます。）

それでは、この記事を使って、おおよその英語の実力を示しましょう。大体分かったというレベルの理解力で、目が文字を追った時間を基準にしています。

10分　　TOEICリーディング・セクション300点
8分　　TOEICリーディング・セクション400点
6分　　TOEFL Section III 24点　TOEICリーディング・セクション450点
4分　　TOEFL Section III 26点

というわけで、日本人ならば上の記事を4分以内つまり分速300語くらいのペースで読めるようになれば、相当なものです。

それでは、速読のコツとはどんなものでしょう。もちろん、基本的な単語力・文法力・読解力があることは前提です。その上で、二つほど必要なものがあると思います。

まず、速く読むためには、速く読もうと決める覚悟がなければ話になりません。多少分からない所を飛ばしてでもどんどん読むぞと決断しないと、速く読めるものでも遅くなるからです。覚悟が必要という所以です。

その点、試験のスコアばかりを気にするあまり悪しき「完璧主義」に陥ってしまった人は、読むスピードは上がっていきません。大まかな内容を取る速読とじっくり読む熟読・精読とを分けて考えるようにしてください。

ただし、両方をうまく使えるようにならないと、TOEICでもTOEFLでもGMATでも高得点を叩き出せるものではありません。この記事のような肩の凝らない文章を使って、速読する覚悟を身につけていきましょう。

次に重要なのが、『ドラゴン桜』風に言えば、「地頭」（「じあたま」と呼んでください）の強化です。

英単語の意味だけを知っていても、その文章を速く理解できるとは限りません。たとえば、この記事の場合、iPod nanoについての情報を日本語で集めていたり、こういうIT関連の英文記事を普段から読んでいたり、そして日本語でも本や雑誌を速く読んでいたりしている人は、読むスピードも理解するスピードも、nanoについて何も知らない人よりも速くても不思議ではありません。

ですから、英語の勉強には、休みがないのです。英語を読まない・書かない・聞かない・話さない時でも、英語力を上げることは可能なのですから。普段からいろいろなものに興味を持ち、論理的に考えるようにしてください。ただ英語を勉強しているだけでは、仕事や留学を成功させることにはなりません。

合言葉は、覚悟と地頭。勇気を持って、速読の世界へ踏み出しましょう。

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付録：太字の単語の意味

1.　sibling　　兄弟

2.　sleek　　すべすべした、ぴかぴかした

3.　razzle-dazzle 　　大騒ぎ状態の

4.　smitten.　　衝撃を受けた、ピシッと引っぱたかれた

5.　snuggest　　一番体にぴたっと合っている

6.　unabridged　　省略されていない、完全な

7.　flaw　　欠陥、過ち

8.　quirk　　奇抜さ、ごまかし

9.　susceptible　　影響を受けやすい、敏感な

10.　deliberately　　わざと、故意的に

いかがでしたか？TOEFLでいきなり250点以上のデビューを飾りたい方は、5問は正解しないとだめです。易しそうに見えるこの英文にもこれだけ難しい単語が隠れています。ざーっと速読したら、しっかり単語を引いてじっくり一つ一つの英文を熟読してください。