女性がタバコを吸うことで、DV被害に遭っているかどうかをスクリーニングできるという論文がアメリカで発表されました。
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たばこはDVを受ける母親の目印の一つに、米国病院グループが方向
妊娠前と妊娠中のパートナーによる虐待と母親の喫煙率に関係
Medエッジ 2015年1月26日 6:30 PM
パートナーからの暴力。いわゆるドメスティック・バイオレンス(DV)。
妊娠前と妊娠中の身体的な暴力と妊娠前と妊娠中の母親の喫煙との間に関係があるようだ。
19万人以上を調査
米国メリーランド州ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学医学部を中心とする研究グループが、産科婦人科分野の国際誌、オブステトリクス・アンド・ガイナコロジー誌オンライン版で、2015年1月7日に報告した。
研究グループは、2004年から2008年までの間に出産した米国の母親19万6391人を対象として、ドメスティック・バイオレンスと喫煙との関係を調査している。
虐待受けていない大卒者が最もたばこと疎遠
その結果、身体的な虐待を経験した母親は、身体的なの虐待を受けていない場合と比べて、妊娠前の喫煙が2.1倍多かった(44.0%対21.0%)。
妊娠中の喫煙も2.6倍多かった(29.6%対11.4%)。
妊娠中の喫煙率が最も高かったのは虐待を受けた非ヒスパニック系の白人女性グループで(42.3%)。
一番低かったのは虐待を受けていない大学卒業者のグループだった(2.2%)。ただし、大学卒業者では、虐待を受けることで喫煙率が3倍以上に跳ね上がった(7.1%)。
たばこが指標に
パートナーによる虐待を受ける女性は、虐待を受けていない女性と比べて妊娠前の喫煙率が高く、また妊娠中に禁煙する率も低かった。
女性に対する暴力を防止し、安全と健康を改善するために、虐待されている女性のスクリーニングの指標に喫煙を加えるとよいかもしれない。
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“Obstetricians and Gynecologists”(産科医と婦人科医)誌の当該サイトです。
Intimate Partner Violence and Maternal Cigarette Smoking Before and During Pregnancy
Cheng, Diana MD; Salimi, Shabnam MD, MSc; Terplan, Mishka MD, MPH; Chisolm, Margaret S. MD
タイトルを訳すと、「親密なパートナーによる暴力と妊娠前と妊娠中の妊婦のタバコ喫煙」となります。
DVを受けた心の傷を喫煙で紛らわせようとしているのでしょう。理解できる気がします。DVを受けた白人女性は、4割以上も喫煙しているというのですから、深刻です。
日本でも同傾向があるのではないでしょうか。親しい女性がタバコを吸っていたら、さり気なくDV被害に遭っているか尋ねてみるべきなのかもしれません。
DVは、絶対に許されないことです。各個人がDVをしない・されないと意識するのはもちろん、被害者の早期発見と安全確保は社会全体の勤めだと考えます。
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