受動喫煙規制に関して、世界と日本の差をわかりやすく説明している記事を見つけました。記録しておきましょう。
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質問なるほドリ
受動喫煙対策、日本は最低?=回答・山田泰蔵
毎日新聞2017年6月4日 東京朝刊
屋内禁煙義務なし 規制強化必要
なるほドリ 日本の受動喫煙対策(じゅどうきつえんたいさく)って世界最低レベルって聞いたんだけど。どういうこと?
記者 世界保健機関(せかいほけんきかん)(WHO)が2015年に公表した調査ですね。14年時点で病院、学校など8種類の公共の場所において、屋内全面禁煙(おくないぜんめんきんえん)の義務を課す法律があるかないかを調べたものです。8種類すべてで屋内全面禁煙となっているのは、世界188カ国中、49カ国に上りました。一方、日本は、健康増進法(けんこうぞうしんほう)などで受動喫煙を防ぐ努力義務があるのみ。屋内全面禁煙義務はないため「0」となり、4段階中、最低ランクとなります=図参照。
Q 公共の場所って?
A いわゆる公の施設だけでなく、多くの人が集まる場所とされ、(1)病院(2)小中高校(3)大学(4)官公庁(5)公共交通機関のほか、(6)職場(7)飲食店(8)バーを含んでいます。WHOの「たばこ規制枠組(きせいわくぐ)み条約(FCTC)」の指針では、屋内は全面禁煙とするよう求めています。15年時点で世界の大半(180カ国)の国が締結(ていけつ)しており、日本も締結国の一つです。
Q 今の国会では健康増進法の改正は見送られたみたいだけど、厚生労働省(こうせいろうどうしょう)や自民党の案は、世界レベルだとどのぐらいなの?
A いずれの案も屋内全面禁煙義務が課されるのは「病院」「小中高校」「大学」「官公庁」の4種類。最低から1ランク上がるのみです。4段階中の3番目なので、まだ低いですね。
Q なんだ、大したことないね。
A もう1ランク上げるためには、「職場」「飲食店」「バー」のうち少なくとも1種類を屋内全面禁煙にしなければなりません。世界レベルというにはさらに規制を強化する必要があります。(医療福祉部)
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恥ずかしい話です。いかに日本の政治家と官僚が、国民の健康を守ろうとしていないかです。
日本は路上喫煙が禁止されているところが多いから、公共屋内、特に飲食店の規制はし難いという政治家がいます。
ですが、それはとんでもない意見です。東京なんて、ほとんどの区が路上喫煙禁止条例を設けていますが、取り締まりが甘いから、守っていない喫煙者がゴマンといるではないですか。路上喫煙禁止は、有名無実とまではいわないまでも、その理想からはほど遠いものです。
だからこそ、レベル1の英国・豪州などを見習って、厳しい受動喫煙規制を行うべきなのです。
やれば、すぐにもできることなのに、それを放置する政治家と官僚たち。見識を疑います。