忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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でも許そう、笑えたから。「エイリアンvsプレデター」

2004年12月12日 | 作品紹介(映画・ドラマ)

■DVD:「エイリアンVS.プレデター」


なるほど、「フレディvs」ジェイソン」の次はこう来たか。
2大ヒーローの顔合わせを20世紀FOXで作るとこうなったというのが
今回紹介する「エイリアンvsプレデター」である。

真面目に作る気などサラサラないことは開始5分ほどで充分わかったので
思いきり肩の力を抜いて観たのが良かったのかも知れない。
予想よりは楽しめた。
「おこちゃまのプレデター」が「いっぱしのプレデター」になるための
試験用に獲物として繁殖されているのがエイリアン、という設定になっているのだが
夥しい数のエイリアンとヒヨッコプレデターではどう見てもエイリアンが有利である。
獅子が千尋の谷へ我が子を突き落とすがごとく、命懸けの試験というわけか。

そんな争いの真っ只中にノコノコとやってきた人間は完全に邪魔者というか脇役で、
プレデターと行動を共にする主人公以外は皆いてもいなくても成立しそうなほど影が薄い。
序盤で顔見せをしておいて、死ぬときは十把ひとからげでは彼等も浮かばれまい。
2、3人ずつまとめて死んでいく彼等を見ていると、
「バトルロワイヤル」で安藤政信にまとめて殺された名も知らぬ4、5人の生徒達を思い出した。

監督は「バイオハザード」のポール・W.S.アンダーソン。
そう言えば「バイオハザード」も人間ドラマを盛り込むのは下手だったが、
今作もエイリアンとプレデターの戦闘シーン以外に見所はほぼ無い。
人間さえ出て来なければ字幕すら必要ない。
「シャー!」(エイリアン)と「コフー!」(プレデター)だけで充分鑑賞可能だ。

キラ星のごとく散らばる設定の杜撰さは、ひとつひとつ挙げて行けば日が暮れてしまう。
が、敢えていくつか挙げるとすれば

エイリアンの体液はポタリと地面に落ちただけでコンクリートをも溶かすほどの
強力な酸(かどうか知らないが)を持っているはずなのに、
プレデターは殺したエイリアンを玄人はだしの見事な腕前で三枚(というわけではないが)に下ろし、
頭部を盾に、尻尾を槍に見立てて主人公に手渡すのだ。
この女がまた大したタマで、何の躊躇もなく装備してしまう。
腕は熱くないのか?お前の皮膚は、肉は、骨は、一体何で出来ているのだ。

でも許そう、笑えたから。

100年に一度地球に来ては人間に知識を与えてきたというプレデターだが、
人間とのコミュニケーションは全てジェスチャーゲーム、
走る速度も跳躍力も全て主人公と同レベルと、人間に比べむしろ退化している印象が強い。
宇宙船を作る技術はあるというのに、まだ飛ぶことが出来ないのか?
人間の言葉すら話せないのか?ドラえもんからホンヤクコンニャクを借りて来い。
また、人の体内を透かして見ることが出来る能力も持っているらしいが、
あのオチは完全にその能力を否定していないか?

でも許そう、笑えたから。

主人公の女、こいつは一体何者なのだ。
エイリアンの体液で溶けない強靱な体は、後半さらに驚くべき能力を見せつける。
何しろピラミッドは南極の地下600m(と言っていたように思う)にあるわけである。
お前の体には、本当に暖かい血が流れているのか?
バナナで釘が打てる寒さでも凍りませんという触れ込みのガソリンじゃないのか?
運動能力もプレデターとほぼ同等という能力を持っていながら、
エイリアンに向かって「このバケモノ!」とか言うんである。
化け物はお前だろう。

でも許そう、笑えたから。

真面目に付き合うと馬鹿を見るが、
馬鹿になりきって付き合うとけっこうツボにハマる。
こんな軽いノリの映画もたまには良かろう。
中高校生あたりが友達同士で観に行くならお勧めだ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:エイリアンvsプレデター
    配給:20世紀フォックス
   公開日:2004年12月18日
    監督:ポール・W.S.アンダーソン
   出演者:サナ・レイサン、ラウル・ボヴァ 他
 公式サイト:http://www.foxjapan.com/movies/avp/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (12)
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