ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
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『冬のソナタ』を読む 「あなたへ続く道」(上211~232)

2024-03-06 23:31:47 | 評論

   『冬のソナタ』を読む

    「あなたへ続く道」(上211~232)

3 影の国へ行った人の話

ユジンはチュンサンのことを誤解していた。

「影の国へ行った人がいるんです。でもそこでは誰もその人に声をかけなかったそうです」

「それで?」

「それで……寂しかったんですって。これで終わりです。つまんないですよね?」

「どこで聞いた話ですか?」

「友達です」

「わかった。寂しかったのはその友達でしょ?」

「そうです。そのときはわからなかったんだけど、今考えてみるととても寂しがっていた気がします」

(上230~231)

ミニョンは誤解しない。

(終)


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書評  岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 1~3年生』(小学館)

2024-03-06 00:57:57 | 評論

   書評

   岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 1~3年生』(小学館)

 

  • 引き算について

引き算は難しい。

もんだい

公園で9人の子どもたちが、あそんでいました。しばらくして、5人が帰りました。あと何人あそんでいるでしょう。

(p18)

愚問。

「公園」と「しばらくして」と二つの「あそんで」は解答者を惑わす言葉だ。「あそんでいるでしょう」なんて、とんでもない。勉強をしているかもしれない。寝ているかもしれない。

適当な問題だと、〈ある部屋に9人の子どもたちがいました。5人がいなくなりました。残りは何人でしょう〉となる。

不適当な「もんだい」を適当な問題に作り替えることができなければ、式は立てられない。算数を学ぶ前に読解力が必要なのだ。ただし、算数専用の読解力。日常生活では役に立たない読解力。

さて、この「もんだい」を解こうとして、偽のび太は「9+5で……」とやり始める。すると、偽ドラえもんは「このもんだいはたし算じゃないよ」とお節介を焼いてくれる。やらせとけよ。のび太は〈9+5=14〉とやってみるべきなのだ。その結果、〈何か変だな〉と思いなさい。もし、思わなければ、計算を始めるのは早い。先に算数専用の日本語を学ばなければならない。

人数が増えるのか、減るのか。そのことを、ざっくりとわかっていないのに、計算の方法を知っても無駄だ。「たし算じゃないよ」と言われれば、1年生なら、〈じゃあ、ひき算〉と思ってしまう。だが、そんな癖が付いたら、算数であれ何であれ、考える力は養われない。

ここがポイント

「ちがいはいくつ」に答えるときは、ひき算で計算するんだ。

(p20)

ひどい! 

偽ドラえもんにもひどいということは、わかっているらしい。だから、慌てたように付け加える。「ちがいはいくつ」は、記号の前触れだろう。

もんだいに書いてあることを、そうぞうすることを「イメージする」というんだ。

(p19)

無責任。

どうやって想像するんだよ。「そうぞう」ができないのに、「そうぞう」を「イメージ」と言い換えたら、なおさら難しくなるぞ。

そのことを心配した偽静香が「もんだいはかならず3回読んで、書いてあることを「イメージ」しましょうね!」(p19)と助言する。

 ナンセンス! 

どうやって「そうぞう」をするのか。

「文章題はすぐ式をたてようとするのではなくて、書いてあることを図に表すと、考えやすくなるよ」(p81)

「問題の中の数のかんけいがわかりにくいときは、図にかいて考えのがいちばんいいよ」(p122)

さっさと、そう言えよ。偽ドラえもんの意地悪! 

実は、黒いタイル9枚と5枚(p19)が並べてある。だが、この方法は置き換えであって、想像ではない。想像の場合、人の姿がばらばらとあって、ふらふらと減る。減るということを漠然と想像することが初めの一歩だ。増えるのか、減るのか、そのことがおおまかにわかっていないのなら、図に置き換えても無駄だ。

じゃあ、どうやって想像するのか? 知らない。私は知らないよ。

さて、偽ドラえもんに応用問題を出してやろう。

〈誰もいない部屋に9人来た。5人出た。さらに5人出た。今、何人いるか〉

9-5-5=-1

「そうぞう」できるかな。マイナスの人数では幽霊をイメージするかい? 

〈誰もいない部屋に9人来た。5人出た。さらに5人出た。最後に9人来た。今、何人いるか〉

来た人と出た人を別々に数えたら、マイナスの人数は出ない。

9+9-(5+5)=8

 この計算なら、幽霊抜きでイメージできるかな? 

(続)


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