もう、1週間ほど前の話になってしまうが…
歴史的快挙!
佐藤琢磨が日本人初のインディ500制覇!!!
【写真】トップでチェッカーフラッグを受ける#26 佐藤琢磨
いやぁ~単にボキャブラリーが貧弱だからかもしれないが「すげぇ~!!!」としか言葉が出てこない。
今年のインディ500の開幕前は、もっぱら元F1チャンピオン:フェルナンド・アロンソのスポット参戦ばかり話題だった。正直、私もそちらの情報収集ばかり勤しんでいて、佐藤琢磨選手に関しては今年で8回目の参戦する位の認識でしかなかった(ゴメンなさい…)が、よくよく考えてみれば佐藤選手は2013年カリフォルニア州ロングビーチで行われた第3戦でシリーズ初優勝を達成した実力者(今回のインディ500優勝で通算2勝目)で参戦するだけのドライバーじゃなかった。
1993年、前年のF1ワールドチャンピオン:ナイジェル・マンセルがCARTに転籍したのをきっかけにインディと当時並行して行われたCARTは時々見るようになったが、さほどのめり込むほどでもなかったので、CART及びインディに関してはそれほど知識があるわけでもないが、佐藤選手のインディ500制覇の偉業が如何に素晴らしいかは、オレでも理解できる。
F1に参戦できるほどのテクニックを持っていたので、過去のF1ドライバーの能力について疑問を呈すことはないが、日本トップクラスのドライバーだった中嶋悟選手、鈴木亜久里選手、片山右京選手等々を持ってしても世界最高峰のF1で優勝する雰囲気は感じられなかった。F1という世界ではドライバーのテクニックだけでは優勝できない、マシンの性能、ピットスタッフ、チーム体勢、スポンサーマネー等々、全ての要素が満たされなければトップレベルに到達できない、ある意味、かなり不公平なスポーツである。
しかし、2004年の佐藤琢磨選手は優勝できるのではないかと思えるような大活躍を見せてくれた。この年のマシン「B・A・R 006」はチームメイトのジェンソン・バトンと共に優勝こそはなかったが、随所に速さを見せ、ジェンソン・バトンが2位表彰台を4回、3位表彰台を6回獲得、佐藤琢磨選手もヨーロッパGPで日本人初のセッションリーダー(予選1回目)、フロントロー獲得、ラップリーダーを記録。さらにアメリカGPで日本人最高位タイの3位フィニッシュを果たすなど、非常に力強い戦闘力を保持し、フェラーリに次ぐコンストラクター2位を獲得した。
2004年アメリカGP 3位フィニッシュを果たした#10 佐藤琢磨選手
その後、在籍した「スーパーアグリF1」が2008年にF1を撤退してから、不幸にもF1のシートを確保することは叶わなかったが、今回の日本人史上初(アジア人としても史上初)のインディ500制覇で、改めてトップドライバーとしての実力を我々に見せつけてくれた!
【F1とインディ(CART)との比較論争】
1993年、輝かしいアメリカでのキャリアに比べて、F1で思うような成績を収められなかったことと、同年にナイジェル・マンセルがあっさりとF1とCARTでの「2年連続」のチャンピオンを獲得したこととにより、F1とCARTのドライバーのレベル差が論争の的となった。
その後、ジャック・ヴィルヌーヴがCARTチャンピオン獲得後にF1でもチャンピオンを獲得したが、アレックス・ザナルディはCARTチャンピオン獲得後F1に復帰するものの全く結果を残せなかった。 2008年にはCART後継シリーズのチャンプカーで4年連続チャンピオンの金字塔を樹立したセバスチャン・ボーデがスクーデリア・トロ・ロッソからF1に参戦し注目を集めたが成績不振で2009年の第9戦ドイツGPを最後に解雇されている。しかし、カテゴリーが違うし、個人的には、この論争はナンセンスだと思う。
上記のような論争があるにしても、今回の佐藤琢磨選手のインディ500制覇は賞賛されるべき偉業であることは間違いない。
おめでとう、佐藤琢磨選手!
歴史的快挙!
佐藤琢磨が日本人初のインディ500制覇!!!
【写真】トップでチェッカーフラッグを受ける#26 佐藤琢磨
5月28日にインディアナポリス・モータースピードウェイで開催されたインディカー・シリーズ第6戦第101回インディ500。8度目のインディ500に挑んだ佐藤琢磨が日本人初となるインディ500制覇を成し遂げた。
気温22度、うす曇りのなかスタートが切られた2017年のインディ500。ポールポジションのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)を先頭に12時26分にグリーンフラッグが振られた。F1モナコGPを欠場しインディ500に挑戦しているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ)は、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)のとなり2列目センターポジションからスタートするも、ポジションを9番手にダウンしてしまう。
序盤は7番手からスタートでジャンプアップしたトニー・カナーンがトップに立ち、ガナッシ・デュオが交互にレースをリード。28周目にカナーンがまずはピットイン。ほかのドライバーも続いていき、アロンソも30周目終わりに初めてのピットイン作業を終える。各車ピットインを終えるとトップはエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2番手にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)という展開に。アロンソは3番手に浮上する。
アロンソは36周目のストレートでカーペンターをかわし2番手に、その翌周にはロッシを抜きトップに浮上。初のリードラップを記録する。44周目には琢磨がカーペンターをかわし、アンドレッティ・オートスポートがワン・ツー・スリーでレースを進めた。
しかし、53周目に大きなアクシデントが起きる。コーナーを回りきれずウォールにヒットしたジェイ・ハワード(シュミット・ピーターソン)とコース中央付近でディクソンがぶつかり、ディクソンのマシンは宙を舞ってイン側の壁にヒット。マシン後部を失う大きなクラッシュとなった。レースはSAFERウォールや金網の修復のために55周目にレッドフラッグが振られ、一時中断となる。
20分ほどでレースはアロンソをトップに再開する。アンドレッティ・オートスポート勢は好調で、アロンソ、ロッシ、琢磨、ライアン・ハンター-レイがトップ4を占めながらレースを進める。琢磨も65周目にトップに浮上。2012年以来のリードラップを記録した。
その後、コナー・デイリー(AJフォイト)のクラッシュやデブリによって2度のコーションが入り、レースは中盤戦へ。ピット作業で遅れた琢磨は徐々にポジションをダウン。レース半分、100周目を終えた段階での順位は、ステイアウトしピット戦略を変えてきたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がトップ。ハンター-レイ、ロッシ、アロンソ、カナーンと続く。
好調のアンドレッティ勢だったが、137周目にハンター-レイがエンジントラブルでリタイア。そのコーションのピット作業でロッシもエンジンをストールしてしまいトップ争いから脱落してしまう。167周目、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)がエンジントラブルで再びコーションに。ここで多くのドライバーが最後のピットインし、レースは最後のスティントへ入った。
トップはコーション前にピット作業したマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)がトップ。エド・ジョーンズ(デイル・コイン)も同タイミングでピットインしており2番手に浮上。3番手にカストロネベス、4番手にジェームス・デイビソン(デイル・コイン)、琢磨は5番手と好位置につけ、アロンソは9番手。
172周目にリスタートを迎え、激しい上位争いが展開される。179周目、佐藤琢磨はターン1でアウトからジョーンズとカストロネベスをかわし2番手に浮上する。一方、ポジションを上げトップ争いに加わろうとしていたアロンソだったが、180周目にエンジントラブルが襲いリタイアに。ここまで素晴らしい走りをみせてくれたアロンソに、スタンドからも惜しむリタイアを惜しむ大きな声援が送られた。
184周目にリスタートが切られるも多重クラッシュが発生し、9度目のコーションに。デイビソンとオリオール・セルビアが接触しウォールにヒットし、その2台を避けたジェームズ・ヒンチクリフ(ジェームス・ヒンチクリフ)とパワーが接触。ジョセフ・ニューガーデン(ジェームス・ヒンチクリフ)もスピンを喫しイン側にヒット。5台がクラッシュする大きなアクシデントとなったが、幸いにもドライバーは無事のようだ。
2017年のインディ500は残り11周で大詰めとなる最後のリスタートが切られた。トップはチルトン、琢磨が2番手、3番手にはジョーンズを交わしたカストロネベスが続く。残り7周、ターン3でカストロネベスがチルトンをかわしトップに浮上し、琢磨も続く。そして残り5周、今度はカストロネベスをかわして琢磨がトップに浮上した。
逃げる琢磨、追うカストロネベス。緊迫したトップ争いは、琢磨がトップのまま、ラスト1周のホワイトフラッグが振られる。
琢磨はそのままカストロネベスの追撃を振り切り、トップをキープしチェッカーフラッグ! 日本人初のインディ500制覇という偉業を達成した。琢磨にとって2013年以来のインディカー・シリーズ2勝目は、モータースポーツの歴史に名を刻む大きな1勝となった。
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いやぁ~単にボキャブラリーが貧弱だからかもしれないが「すげぇ~!!!」としか言葉が出てこない。
今年のインディ500の開幕前は、もっぱら元F1チャンピオン:フェルナンド・アロンソのスポット参戦ばかり話題だった。正直、私もそちらの情報収集ばかり勤しんでいて、佐藤琢磨選手に関しては今年で8回目の参戦する位の認識でしかなかった(ゴメンなさい…)が、よくよく考えてみれば佐藤選手は2013年カリフォルニア州ロングビーチで行われた第3戦でシリーズ初優勝を達成した実力者(今回のインディ500優勝で通算2勝目)で参戦するだけのドライバーじゃなかった。
1993年、前年のF1ワールドチャンピオン:ナイジェル・マンセルがCARTに転籍したのをきっかけにインディと当時並行して行われたCARTは時々見るようになったが、さほどのめり込むほどでもなかったので、CART及びインディに関してはそれほど知識があるわけでもないが、佐藤選手のインディ500制覇の偉業が如何に素晴らしいかは、オレでも理解できる。
F1に参戦できるほどのテクニックを持っていたので、過去のF1ドライバーの能力について疑問を呈すことはないが、日本トップクラスのドライバーだった中嶋悟選手、鈴木亜久里選手、片山右京選手等々を持ってしても世界最高峰のF1で優勝する雰囲気は感じられなかった。F1という世界ではドライバーのテクニックだけでは優勝できない、マシンの性能、ピットスタッフ、チーム体勢、スポンサーマネー等々、全ての要素が満たされなければトップレベルに到達できない、ある意味、かなり不公平なスポーツである。
しかし、2004年の佐藤琢磨選手は優勝できるのではないかと思えるような大活躍を見せてくれた。この年のマシン「B・A・R 006」はチームメイトのジェンソン・バトンと共に優勝こそはなかったが、随所に速さを見せ、ジェンソン・バトンが2位表彰台を4回、3位表彰台を6回獲得、佐藤琢磨選手もヨーロッパGPで日本人初のセッションリーダー(予選1回目)、フロントロー獲得、ラップリーダーを記録。さらにアメリカGPで日本人最高位タイの3位フィニッシュを果たすなど、非常に力強い戦闘力を保持し、フェラーリに次ぐコンストラクター2位を獲得した。
2004年アメリカGP 3位フィニッシュを果たした#10 佐藤琢磨選手
その後、在籍した「スーパーアグリF1」が2008年にF1を撤退してから、不幸にもF1のシートを確保することは叶わなかったが、今回の日本人史上初(アジア人としても史上初)のインディ500制覇で、改めてトップドライバーとしての実力を我々に見せつけてくれた!
興味深いのが、今年から移籍した「アンドレッティ・オートスポーツ」のオーナーはマクラーレンから1993年にF1参戦したマイケル・アンドレッティ。
#7 マイケル・アンドレッティ(マクラーレンMP4/8)
1991年、CARTチャンピオンとして鳴り物入りでF1参戦した彼だったが、当時ウィリアムズの後塵を拝していたとはいえトップチームのマクラーレンのセカンドドライバーとしては少々物足りない成績という評価だったのは不運だったとしか言いようがない。ルーキーのこの年に3位入賞も記録したが、チームメイトが伝説の名ドラーバー:アイルトン・セナ。比較対象としてはあまりにもハードルが高すぎる…。更にテストドライバーには前年、ロータス・フォードで大活躍し、後のワールドチャンピオンのミカ・ハッキネン。チームも世論もハッキネンにシートをという風潮があったように思われ、結局マイケル・アンドレッティはシーズン途中でシートを失う羽目に…
しかし、翌年から活動の場をアメリカに戻し、以後毎年勝利を記録し、再びCARTのトップドライバーとして活躍。息の長い活躍から、「ミスターCART」と呼ばれるようになっていった。2003年には、自らのチーム(アンドレッティ・グリーン・レーシング(AGR))をチーム・グリーンとジョイントする形で結成。インディカー・シリーズへ転向したが、シーズン途中でドライバー業を引退し、チームオーナー業に専念するようになった。その後チームはチップ・ガナッシ・レーシングとチーム・ペンスキーの2強に次ぐ有力チームに成長、2007年にダリオ・フランキッティ、2012年にライアン・ハンター=レイがこのチームでシリーズチャンピオンを獲得した。
【F1とインディ(CART)との比較論争】
1993年、輝かしいアメリカでのキャリアに比べて、F1で思うような成績を収められなかったことと、同年にナイジェル・マンセルがあっさりとF1とCARTでの「2年連続」のチャンピオンを獲得したこととにより、F1とCARTのドライバーのレベル差が論争の的となった。
その後、ジャック・ヴィルヌーヴがCARTチャンピオン獲得後にF1でもチャンピオンを獲得したが、アレックス・ザナルディはCARTチャンピオン獲得後F1に復帰するものの全く結果を残せなかった。 2008年にはCART後継シリーズのチャンプカーで4年連続チャンピオンの金字塔を樹立したセバスチャン・ボーデがスクーデリア・トロ・ロッソからF1に参戦し注目を集めたが成績不振で2009年の第9戦ドイツGPを最後に解雇されている。しかし、カテゴリーが違うし、個人的には、この論争はナンセンスだと思う。
上記のような論争があるにしても、今回の佐藤琢磨選手のインディ500制覇は賞賛されるべき偉業であることは間違いない。
おめでとう、佐藤琢磨選手!