自己満足的電脳空間

完全自己満足主義。テーマはない。自分の趣味・関心事を偏った嗜好と思考でダラダラと書き綴る自分のための忘備録。

北海道日本ハムはオープナーではなくショートスターター

2019-04-10 00:05:00 | 野球、その他スポーツの話
昨年からMLBの一部チームで本格的に導入されたオープナー

MLBのやることに右に習えのNPBも近々導入してくる球団が現れるのは安易に想像できた。最初に導入したのはオープナーに肯定的だった栗山監督率いる北海道日本ハム。

4月2日 東北楽天○3-1●北海道日本ハム(@宮城球場)

北海道日本ハムの栗山英樹監督が楽天戦でMLBの投手起用法オープナーをアレンジした“1試合2先発制”を導入した。「先発投手→先発投手」は北海道日本ハムの新アイデアでショートスターターと呼称するらしい(MLBのオープナーは通常はセットアッパーの投手が先発し、2番手は本来のスターターで北海道日本ハムのように先発投手を連続して登板させることはない)。


#14 加藤貴之

先発左腕の加藤貴之投手は3回1安打無失点ながら、4回からはジョニー・バーベイト投手をマウンドに送る新継投策。2人で1失点も、打線が東北楽天先発の辛島に7回まで3安打に封じられ、開幕3連勝を逃した。

栗山監督は温めてきた「1試合2先発制」を解禁したものの、勝利には結びつかなかったが「常識を疑って新しいものが生まれるはずだと思って野球をやっているだけ。批判覚悟で行っている」と淡々と言葉を並べた。加藤、バーベイトに3回ずつを任せ、狙い通り6回を1失点に抑えたのはショートスターターの戦略がハマったと言ってもいい。


球場がざわついた。無失点だった先発・加藤を3回46球で降板。4回からバーベイトに切り替えた。どちらも開幕前の登板では5回以上を投げ、先発として調整してきた。雪が舞う過酷な環境で1回に22分間試合が中断するアシクシデントもありながら、2投手は役目を果たした。木田優夫投手チーフコーチは「先発した加藤の3回で交代は予定通り。2人でしっかりゲームを作れて頑張ってくれた」と振り返った。

開幕前に先発ローテの軸として期待していたマルティネスが故障離脱。開幕3連戦で延長2試合と中継ぎ陣を酷使したことも新投手起用法を使った理由の一つであろう。

先発、中継ぎの概念をぶち壊す。「先発とかっていうよりも2人がリリーフで最初から投げているって考えたら、その分を補っているってだけ」と指揮官。先発5イニングの概念に固執せず9回を分業制にすることで、143試合の投手起用に幅が生まれる。右腕から左腕などタイプの違う投手につなぐことで、敵打線の目先を変える効果もある。翌4日の東北楽天戦でも斎藤佑樹投手がオープナーとして起用された(但しこの日は斎藤佑樹投手が1回2/3で3失点となりオープナーは失敗)。


既存のルール内であれこれやりくりする頭脳戦は野球の面白みである。今後は北海道日本ハム以外の球団もショートスターターないしはオープナーを採用するのか?弱者の戦略ほどアイデアに満ちあふれエキサイティングなものはない。