酒屋のおいちゃん 再び

去年のクリスマス頃に値上げしたのよ、あの店。
ビール1本当りいっきにおよそ25円も
このご時世、酒屋の立場も分からなくともないんだけど。

最初にそれに気が付いたのはダニー。
「なんか今日は高かった気がする」から始まって年明けには「間違いなく僕と君とでは値段が違う」と言い出したの。
あたしに言わせると「ありえない、勘違いじゃないの」と。
でも終いには「ビールはこれからちーちゃんが担当ね。僕が行くと高くつくから」ということに。

そこである日、おいちゃんに価格の違いを確認してみた。
「君らは毎日必ず同じビールを買いに来てくれるから店主の特権で特別に価格を据え置いてたんだよ。僕が店にいなくて他のヤツがレジやってる時は値上がり価格で払ってね」と。


だがしかし


おいちゃんたらダニーには変わらず値上がり価格で請求するのよ。
よってあたしがビールを買いに行く係りになるのは必然的。
「たかが25円」だけど、3本買えば75円、掛けるところの月30日、よって「されど75円」。
だから一緒に店の前までは行くけど入店するのはあたしだけって日もしょっちゅう。

それを知ってか知らずか今日の会話。

「旦那は最近見かけないけどどうしたんだい？」

「値引いてくれないんだもの。来る訳ないじゃない」

喉元まで出掛かってたけど「くっ」と堪えたわ。
「買い物はあたしの担当なの」って。

あのおいちゃんは本当にトボケてるのか、そのフリをしているのかが見抜けないのが忌々しいわ。



今日の夕飯

・スパイシーチキン
・アボキューロール
・青梗菜の炒め物


昨晩は徹夜だったらしいダニー。
ソファーで寝てます。



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