消えゆく霧のごとく(クンちゃん山荘ほっちゃれ日記)   ほっちゃれ、とは、ほっちゃれ!

きらきら輝く相模湾。はるか東には房総半島の黒い連なり。同じようでいて、毎日変わる景色。きょうも穏やかな日でありますよう。

読書の苦しみ、職業的習慣の悲しさ!

2016年11月06日 13時21分24秒 | 読書の楽しみ、読書の...
  誤字、誤植、誤記、変換間違い、数あれど、
   気づかぬことこそ、しあわせの元と知る!


 編集や校閲を仕事としてながらくやっていると、いつの間にか個人的に楽しく読むはずの読書が、付箋片手のまったくつまらんものになってしまうというお話です。まさに“読書の苦しみ”で、これから逃れるには、本を読まないか、死ぬしかないようです!

 先だって埼玉に戻った際、ガラにもなく断捨離に手をつけようと、「読みかけ」を中心に積み重なった書籍の類に手をつけました。
 ある程度はかどったところで、包装紙にくるまれたモノを発見。うかうかと開けてしまって、胸を衝かれました。
 で、手が止まってしまい、ダンシャリそのものも中止。追って伊豆で処分しようと、「読みかけ」の山を車で運んできました。

 そうしたところ、きのうのネットニュースで、

 慶応大集団乱暴疑惑 大学側が学生4人を無期停学処分 「気品損ねる行為」産経新聞 11/5(土) 8:40配信
 神奈川県葉山町の合宿施設で、慶応大学の10代女性が同大広告学研究会(広研)に所属する男子学生数人から乱暴を受けたとされる問題で、関わったとされる4人の男子学生に対し、同大が無期停学などの処分を出していたことが4日、分かった。処分は3日付。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161105-00000504-san-soci


という報道を読んでしまいました。事件そのものは既報でしたが、あらためて「4人」という破廉恥漢の数にひっかかりました。

 ちょっと待てよ!そういうの、確か「読みかけ」の中にあったぜ、と思い出したのです。

 ところで、本といえば私は前にも書きましたように、ここ10年ぐらいはBOOK OFFの最安値(前は100円、今はたわけたことに200円)のものしか原則買っていません。
 その例外は、佐々木譲という人の作品です。これは新刊からあまり時日がたっていなくても、BOOK OFFで定価の6、7割になっていることがあり、その場合は買いました。実は私、この方の大ファン、かなり熱烈な、だったのです。
 だったのですというのは、あることで読まなくなってしまったからです。ある小説の中で重要な要素につき誤記があり、増刷でも修正されないので嫌気がさしてしまったからでした。
 その誤述とは、「私文書の作成名義の偽り」が「私文書偽造」であるのに、「私文書内容の偽造=虚偽内容を書く」*を犯罪であると書き間違ったままにしているもので、その後パッタリとなったのでした。
 *1 身近な例で言うと、学校の試験問題は私文書になります。答案に間違った答えを書くなんてのは普通にありますが、それは私文書偽造になりません。なったら大変です。ただし、太田花子の身代わりとして中田蝶子が受験して、太田花子名義の答案を作成してくれば一面、私文書偽造ということになります。

 年寄りの話は長くてかなわんなあ、単刀直入にせんか!と言わんで、もうちょいお付き合いをお願いします。
 
 昨年末、BOOK OFFで、『街の街路図』(小学館2015/8)を見かけ、正月のヒマつぶしとして久しぶりに買い求めました。
 この話は、北海道のいくつかあった「郡」のうちのひとつの郡の役所(郡府)があった港町、小樽か? を舞台として展開されるようで、表紙を開いたところ(見開きになっている部分で、「見返し」という)に、町の市街図がかかげてありました。ところが、ぱっと見ると、説明文の中に誤植があります。著者のせいではないのですが、郡府法科大学=「郡法大」を「群法大」と見逃しているのです。
   
 それで、もうちゃんと読む気がしなくなって、結末だけを斜め読みして、ほったらかしてあったわけです。こうした「読みかけ」の本はたーくさん持っています。

 で、昨日の夜、「読みかけの山」を崩すと、やっぱり『街の街路図』がありましたので、始まりから終わりまで、ひやひやしながら職業的読書をしてしまいました。ネタばれになると困るので『街の街路図』の詳しい結末は書けませんが、前記報道のKO破廉恥研究会をボート部に移し変えたようなプロットで進行していきました。

 あたまから誤植が目立ったわりには、『街の街路図』は誤字誤植は少なく、付箋は3本立っただけ。初版第一刷ではなんとか1か所で!2、3か所ならしゃあないかな、という“常識的水準”からすれば及第のようでした。

 *暮れも押し迫った⇒暮れも押し詰まった(49p1)
 *群府みどころ⇒郡府みどころ(150p7)
 *三間運河はかっては南運河⇒三間運河はかつては南運河(227p8)


    「包装紙にくるまれたモノ」については、近日中にアップしたいと思っています。

 本文とは関係ないのですが、小樽が舞台か?(違うかも)と思っていたら、小樽のすばらしいカフェの画像がありました!
 http://blog.goo.ne.jp/cafe-photo/e/ea2486f162636c0f862942a192d66a24