ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

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乗馬の技術について思うこと8-駆歩の実態

2021年01月26日 | ハミなし頭絡

 前回「半減脚」の正体について書きました。反論がありますでしょうか?で、もう一つ、「駆歩」という歩様を馬にさせつつ乗る、という乗馬の技術ですが、馬が駆歩という歩様を全くやりたがらない、ばかりかこの辺の練習を引き受けさせられるようになると、どんどん「すぐ暴れるダメ馬」化する、という実態があります。これは結局、乗り手の生徒がそうさせちゃっているのだけど。

 しかし、生徒が「そうさせちゃってる」理由については、そりゃ下手だからでしょ、になっちゃうわけですが、何をもって「下手」なのか、について、ちょっと解説しようかと思います。だって、指導員が全く説明できないんですもの。なにを「指導」して下さってるんですかねえ?

 駆歩時の速度は時速に換算するとどの位かというと、生徒の駆歩練習で大体時速10~12㎞位。障碍クロスバーとかで15㎞、高い障碍で前に出して18㎞くらいかなあ。ワールドカップクラスの障碍で25㎞、総合のクロカンで30~40㎞位。スキーもそうですが、最初の頃えらく速く感じても実際はノロノロ運転で、自転車程度の速さでしかない。よく、サラブレッドは競馬でメチャ速く走っているから、ゆっくりの駆歩ができない、とか言いますけど、サラの皆さんが大喜びで競馬の速度で走ってるわけじゃなし、ゆっくりの速度の経験値が少なめなだけ、それも何年もクラブホースをやっていれば、別に苦手になるわけでもありません。では、生徒側はどうか。

 駆歩でよくある練習法は、輪乗りです。こんな感じ。

この場合、乗り手にかかる力は前方向だけじゃなくて、遠心力がかかる。外へ外へと駆歩の最中にずっともってかれます。

 この遠心力が結構ばかにならない。というのは、普段自転車でもなんでも、遠心力がかかるような運転って、峠のドリフト走行位なので、ピンとこないから、外側に振られているのに気づきにくいんです。気づかないけど、なんとなく外側の鐙を踏ん張ってしまって、体が浮く。そのうち重心がずれてくる。それを何とかしようとして、無意識に内側手綱を引っ張ってしまう。従って、馬は止まりますね。なのに、「止まれなんて言ってない」って拍車で蹴り飛ばされる。どっちなんだ?

 これは輪乗り駆歩中の落馬の動画ですが、馬のせいでは勿論なく、結局乗り手が遠心力に吹っ飛ばされて落馬しています。脱水中の洗濯物みたいな状況に対抗する筋力がないと、こうなります。

 もう一つ、駆歩の歩様の特徴として

という、上下の動きがあります。いや、上下運動なんか速歩でも常歩でも起きてるんだけど、駆歩は、連続ジャンプ的なところがあるもんで、動きとしては大きくなる。この動きについていけないと、上下運動に揺さぶられて、怖いもんだから手綱にしがみついてしまう。よく「ハミにもたれる」と馬の悪口をいう奴がいますけど、大半は乗り手がハミにもたれてるんですよ。反対だっつの。

つまり、乗り手が輪乗り駆歩の時に受けている力って前進+外側に振られる遠心力+駆歩歩様の上下運動ってことで、極めて複雑なんです。これを乗り手が体で処理できないから、上手くいかなくなるわけ。



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