おやつ問題を考えてみて、そうだよねえ、と思うのは、客側は、少なくともクラブホースの皆様を自動車教習所の車みたいに捉えているわけではない、という事。やっぱりそこは生き物だし、名前もついてるし、騎乗後の手入れとかもやるし(させないクラブもあるかもしれないですけど)親しみがわくのは当然と言えば当然。しょっちゅう疝痛だの跛行だの起こしてるみたいだし、可哀そうに、より負担がかからないように上達せねば、となる、ですけどね・・・・・・。
残念ながら、「馬術」をやらされる馬の負担は増えこそすれ、減ることはナッシング、なのが実情なんですよ。だから、事故が起こる。
乗馬クラブと客の考えてる「乗馬」の内容の食い違いの一例を下図に示してみましたが。
自分が乗馬クラブに入った時、まさか「馬術」を教わることになるとは思ってなかった、んですけど、そのうち洗脳されちゃうんですよね。「初級馬場」だの「初級障碍」だの、というクラスがあるから。なんかこう、「馬術」が誰でもできそうな(実はそうそうできるものじゃない)クラス内容になってる(実際は、馬術とは程遠い内容)のと、こういうクラスに入った頃から、ハミ受けがどうこう、ってことをやたら言われるようになるから、やらなくちゃいかんのか?と騙されるんだ。
その頃から指導員が色々おっしゃいますけど、獣医の自分は「ホントのとこ、どうなの?」と思うことが増えていきはしました。例えば「ハミを追う」。ありえません。馬はハミが嫌だから何とかして外そうと首を振ったり頭を下げたりしますけど、それが「ハミを追う」って、どういうこと?根拠がないんだよ。例えば「ハミを受け入れるから唾液が出る」あり得ません。ウソつくな、おい
でもねえ、毎回のようにそんな事を言われてると、そうなのかなあ?と動物の専門職であるはずの自分も洗脳されちゃうんですよ。その理由としては、日本中の乗馬指導員が同じことを言うからです。疑問を持つ人がいないわけ。なぜか
結局、乗馬指導員も動物のことを知らない、シロートだからです。ついでに言うと、馬の獣医も動物を知らんシロートという事は同じです。だから、「そんな事ありえヘン」と言わないのだ。
クラブと客がもめるのは、突き詰めると、シロート同士の不毛ないさかい、という事になる。獣医については、小動物臨床をやっている(その中でも、当院は草食爬虫類や哺乳類でもうさぎ等のげっ歯類、鳥類まで診ている。最小手術対象はカナヘビ)こちらは、動物全体を俯瞰してみているから、気づきが多い。馬の先生方は、他の動物は牛ですら知らないもんね。だから、何の根拠もなく「馬は特殊」みたいなことを平気で言う。他の動物も勉強しなさいよ、と思うのだが。
でも、完全に洗脳が解けたのは最近です。ハミを使わなくなって10年ほど経ちますけど、成程、こういう事か、と整理できたのは。だってなあ、世界的にこの洗脳が広がってるんですもんね。これを解くのは容易じゃない。大体オリンピックが悪い。あれに馬術なんかが入っちゃってるから、馬術がエライ&野心やらなんやら、が出てきちゃうんですよね。
ハミを使わない=邪道のヘンな奴、と思われてたまるかよ。
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