サラブレッドという馬の品種が気の毒なのは、長い間「サラは乗馬に向いてない。なぜなら、競馬馬として走れ走れ言われてるし、他の馬より速く走る気満々だから、すぐ暴走するから」という迷信に振り回されて、押し込むことばかりやられてるから。
そんな事あるわけねえっしょ。
もし、本当に馬が「他の馬よりか速く走りたい!」なんて思いながら競馬をやってるなら、鞭で一々はたく必要は全くない、でしょ。
人間の場合、あれこれ競技があって(で、なぜか必ず白黒つけなくちゃならない風にいつの間にかなってしまう)、まあ、私なんぞはよーやるわあ、と思ってるわけだけども、それがめっちゃ大事で根性入れて(自分から)やってる人がいて、だから勝ち負けが成り立つ。ある意味かなりバカバカしいですけどね。動物がそんな事考えるわけないべ。だから、鞭ではたかにゃならん、という事なんですわ。
ただ、競馬から引退したての馬というのは、全然若い。馬にも反抗期的なものがあって、どうやら4~6歳辺りらしいんですけど、その時期はなかなか言う事を聞かない。それを見て「暴れ馬だ」とやられて、それをさせないように、という方向性で躾けられる、というか、それを「調教」と称している、という事なんでしょうけど。
実は、この件にも重大な問題が潜んでいることが最近自分の中でははっきりしてきているんだけど、要は競馬引退頃に蹄疾患が出てくるのよ。サラはアルミの冷鉄だもんで、装蹄で簡単に爪水虫をうつされてしまう。それがじりじり酷くなる頃に引退して乗馬馬をやれ、で、今までよりうんとこさ重くて下手くそな客を載せろ、とくるわけ。痛いから動かない、すると鞭ではたかれる。嫌だ嫌だ、で暴れる、で暴れ馬だから、と烙印を押されてますます訳分らん馬装をさせられる、という悪循環。蹄をかばって走るから、体のあちこちに故障が出てしまう。サラはその辺本当に繊細だと思うのだが。
結局若い&不健康&載せる客が下手くそ(指導員だって別にうまいわけではない)&そうした理解が全くない状況でこき使ったり「調教」するから、しんどくなって、最終的には疝痛で死んじゃう。
自分の自馬さんもサラなんだけども、蹄の問題を一歩ずつ解決することで、状況が改善されましたね。とにかく奴の意見を聞いて押したり引いたり、じっくりそうやって取り組むと、外乗だってホイホイ行けるようになる。理由なく暴れやしませんがな、という極めて常識的なことを改めて教わったんですけど。
しかし、クラブホースだと、そもそも「馬の意見を聞く」事自体がない、から。そうでなきゃ「可哀そう」だし。何が可哀そうなのか?一番は蹄問題を放置されている事、もう一つは暴れる理由を馬のせいにされてしまっている事。
この辺りの問題をきちんと解決できれば、サラは乗馬に向いていると思います。特に、全然走れなかった、気性の優しいタイプの人は。「馬術」となると、どうかなあ?でも、別に馬術にこだわらなきゃいいんだよね。サラが向いている「馬術」は、障碍飛越でしょう。飛びゃあいいんだからさ。で、この障碍飛越、ハミなしでやると、まあ飛んでくれます。気持ちいいんですよね~~。つくづく、サラにはハミなしが向いてると思うんですよ。繊細な人たちだから。
ところが、この障碍飛越をできるクラブがホント、ない。どこもかしこも馬場馬術を標榜してて、その理由は、やっぱり「落馬」問題に尽きる。ハミをやめれば、6割程度は解決できる、筈なんですけどね。でもねえ、現実には馬場馬術なるものをやっててみーんな落馬している。結局向かない事をやらされてるから、馬が暴れちゃうんですよ。
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