OTA(Now On The Air)

JF3TBMの無線道楽雑記帳。その他、社会随筆も不定期に掲載。

●仰天のHAMworld・NanoVNA関連記事。

2022年11月28日 | アマチュア無線<全般>

1月号P25で『VSWR』に触れている。『SWRが2のとき、電圧反射係数は約0.316』『リターンロスが約10dB』『100W出力に対し約16Wほどのパワーが反射電力として無駄になります』とある。

【写真:雨天でVSWRが1:2.0ほどに高かったモビホでSA(LU)まで飛んだが】
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◆投稿者に文責を負わせてばかりではなく、版元の責任も負え
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投稿者は『SWRが1.5はリターンロス約14dB』で、

『出力100Wに対し約10Wが反射パワーとして損失になりますから(嘘つけ!)、

極力SWRは1に近い方がよいわけです』という。

寄稿者の考えは『VSWR1.5のとき、10%が損失になる』という解釈なのか。

 

VSWRが1:1.5のときは『反射波は4%で96%放出される』ぞ!。

 

また、紛らわしいのが、

『SWRパワーメーター指示スケールをよく見てください』

『例えばSWRが3のときパワーメーターの指針はいくつを指すか』

『20Wのとき、約1/4のところ、5WがSWRが3』。



これは『引っかけ問題ですか?』と聞いてみたいくらいだ。

 

SWRが3のとき、パワーメーターの指針が1/4の5Wと強調すると、

アホなヤツは『えぇ!VSWRが3.0のときは、20Wの出力が5Wまで落ちて、

15W損失するの!』と、誤解を招くではないか!。

確かにVSWRが3.0の際『RIGの保護回路』が働き5Wまで落ちる場合もある。

 

保護回路が働き、メーター読みのRF-PWRが下がるため、誤解する人もいる。

 

基本的に、PWR計の真ん中が『フルスケールの1/4』で、

フルスケールの位置は4倍になっている。

こんな当たり前のコトを、わざわざ書くかよ。

そもそも、VSWRにせよ、電力計にせよ、

何を測定しているのかといえば『電圧』なのだから、

そこを、きちんと説明してやらなければ、

ビギナーが理解できるわけがないじゃないか。

 

業務用簡易無線(5W程度)は出荷時の検査で『VSWR1:2.0』で検品合格。

 

こういう場合は、この著者はどう説明つけるのだろうか。

・無線機の出力が5W

・VSWRが、1:2.0あったとする

・反射電力が、約10%

・伝送電力は、約90%、である。

つまり、0.5Wが反射波で戻るが『許容範囲』で無視できるのだ。

 

一般誌でVSWRを『低く低く』と煽るから、ビギナーは『VSWR』に過敏になる。

 

執筆者は『減衰比』の『電圧比』ばかり強調し、

『電流比』には『一切触れていない』。

そもそも、電力って『電圧×電流=電力』ではなかったか?。

挙句は『一般無線雑誌には書いていないことを書いてみた。

よく理解することでアマチュア無線技術が向上し楽しくなる』とかいう。

 

たぶんCQ-hamradioやQEXのコトを言っているのだろう。

(HAMworldの読者がQEX(旧ハムジャーナル)など読みますか?)

 

私が、しょっちゅう、

VSWRは飛びに関する直接的なファクターにならない』と言っているのは、

『電圧比』も『電流比』も、きちんと理解しているつもりだからです。

こんなもの、ハム手帳の『同軸ケーブルの損失』『VSWRのリターンロス』、

『dB/dBm 電力/dB μ 電圧換算表』(2022年1月号付録・P171~P172掲載)に、

掲載されているではないか。

 

・飛ぶアンテナは

・ゲインがあって

・打ち上げ角が低いアンテナ

・VSWRは、インピーダンス整合のコトであり、

・飛びのファクターにはならない。

 

CQ-hamradio・1月号付録の『ハム手帳』から拾うと。

 

・VSWRが1.0なら、伝送電力は100%。

・VSWRが1.5のときは反射電力4%、伝送電力96%。

・VSWRが2.0のとき反射電力11.11%、伝送電力88.89%。

・VSWRが3.0のとき反射電力25%、伝送電力75%。

 

一般無線雑誌の1月号付録の『手帖』に、きちんと書いてあるではないか!。

 

そもそも『反射電力』を測定して、

計算式に数値を置いて、分数の計算をして、

そこから、VSWRがナンボ立ってるか・・・などの計測はやらない。

今どきのRIGは、簡易なVSWR測定機能も搭載され、

これで『VSWRのボトム(谷)』がわかれば十分である。

ANT調整時には、ANT直下でVSWRを測定して、

エレメント長をカットしたりの調整を取るが、

実際の運用時は、RIG側から伝送ライン(同軸等)、ANTまで含めた、

トータルでもきちんと監視しておけば、実用上何ら問題はない。

RIGー同軸ケーブルーアンテナ・・・一体で見る必要もあるのだ。

だからこそ『RIG側から見た、全体の伝送状態』がわかる方が実用的だ。

 

そもそも、HAMworldを読むユーザーが『そこまで考えて運用するのか?』

 

書いてあることは80%程度は『合っている』のだが、

どうも、都合よく『電圧に関する理屈』に傾倒し、

電流に関する記述がないのも『記事の正当性への誘導だな』と感じた。

 

ここで文句を言っても解決しないので、

こういう事案は、必ず『版元』に伝えることにしている。

出版社は、複数の人が『責任を負って印刷物・出版物を作っている』。

その認識が甘すぎる。

 

私が思うのは『それでメシ食ってんちゃうんか!?』だ。

 

『いい話』であれば、投稿者に直接メッセージを送ることもあるが、

今回の特集記事は『編集部はザルなのか!』を実感した。

編集部、編集長、発行人、投稿者、

少なくとも『4名』が『責任』を持って、

印刷・出版物にしている『認識』が、

あまりにも低すぎて呆れた。

 

また、P80~P82にかけて『低SWRと飛びは一致しない』という、

別の投稿者の記事も掲載され『一貫性のなさ』に、重ねて呆れた。

(P80~の記事は、理論上は間違っていない)

 

以前からHAMworldに関しては『個人ブログの集大成か?』と感じていた。

CQ-hamradioを読んでも理解できない人(買って『積ん読』人)や、

BCL&CBブーム世代が食いつきそうな『表紙デザイン』で、

ノスタルジーを『釣っている』ような印象が、さらに強くなった。

 

投稿者に『文責』を負わせても、基本は『版元』が責任を持つべきだ。

同人誌ならともかく、出版流通の日販やトーハンを通じ、

『一般書店』の『平台』に並べている以上、

きちんとした『出版社としての仕事をしなさい』と伝える予定である。

 

目端の利く方は・・・

 

P27の『図4・パワーメーターでのSWR測定計算方法』の数式を、

参照して頂きたい。

 

わかっている人なら・・・

 

・VSWRが1:3.0のとき

・進行波が100W、反射波が25Wとあれば

・75%の75Wが放出されると、見たらわかる。

 

実際、25Wの全てがRIGに逆流するわけもない。

伝送ラインで消滅するエネルギーもあれば、

同軸の外被に乗って逆流し、

ファイナルに直撃せずとも、

PCや電化製品に回り込んだりして『いたずら』をする。

また反射波の大方は、

進行波に引っ張られて、再放出される。

 

こんな記事を書かないといけないのは、まことにアホくさく時間の無駄だ。

 

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※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
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