結局のところ明確な原因は不明だが、「x-アプリ」がwin10で使えないことから「Music Center」という後発のソフトでデータの復元をしようとした。がこれがドツボで、水曜日から始めて金曜朝に終わる一大工事となってしまった。これに関してMusic Centerはあまり非がない。もしwin7からwin10への移行に際して、”Music Centerデータ復元ツール”が使えないというなら話は別だが。
水曜日に新しく買ったHDD(ST8000DM004)をベースとしてデータの復元を始めた。がAcronis Drive Monitorには真っ赤なエラーがずらっと並んだ。曰く「遅延書き込みデータの損失」で、要は、書き込みによってシステムが遅くならないようにメインメモリに書き込みデータをプールしておいてまとめて書き込む、という遅延書き込みがエラーによって失敗し、データが損失したということだ。この状態で復元を進めるのは嫌だったのでやり直し、また復元するもエラーが出るということを3度くらい繰り返し、これが1日続いた。
google検索で出てきた情報では「遅延書き込みデータの損失」が起きるのはHDDの故障が原因ということらしいが、サーフェステストではエラーが出なかったし買いたてのHDDがエラーが出てないのに謎の故障を起こすとは考え難かった。そこで思い当たったのが、
- ST8000DM004が長時間書き込みに向かない
- バックアップデータと復元先が同じHDD
- そもそもバックアップデータが断片化して酷い
ということだ。①に関しては、いくらSMRという仕様ゆえにNASに向かない速度とはいえ、アーカイブ利用でも流石に長時間書き込みできませんはねえだろうということで除外した。時折カシンカシンと音がするが、普通のHDDはカチカチ音がなるのはプラッタが傷ついてやばい状態だが、ST8000DM004とST6000DM003などのSMR-4による、いわゆる無印barracudaは普通にこういう音が出る。なので②と③のいずれかが問題があったのだと思う。現在無事に復元が終わったのは、②と③の問題を解決したためだろう。
つまり、
②バックアップデータと復元先が同じHDD
→バックアップ(ST8000DM004)と復元先(ST8000AS002)に分け、その後minitool partition wizardでST8000DM004(本来復元する予定だった場所)にパーティションをコピーしドライブレターを変更することで移設。
③そもそもバックアップデータが断片化して酷い
→バックアップしたデータは合計600GBを超える。登録された音楽データは2万曲近くあったので、そういう細かいファイルがさらにバックアップされたばかりで断片ばかりだったので、読み取りがうまくいかなかった可能性があった。デフラグを実行し断片化を潰したことで読み取りやすくなった。
これらによってようやく、赤いエラーメッセージが出ることなく復元が成功した。HDDの寿命を縮めると言われるがデフラグはとても大事だということが改めて分かった。
その後、普通のコピーでも赤警告(遅延書き込みデータの損失)が出てきた。ソフトによるバックアップでなかったので「fire file copy」という今では懐かしのコピー管理ソフトを使いムーブしたら警告は出なかった。違いがあるとすれば書き込みバッファが1~2GBから99MBに減ったことで、書き込み速度と書き込み予約のデータ量がほどよく釣り合って、データがプールしすぎなかったから書き込みがうまくいったということかもしれない。
これはつまり、わざと書き込みを遅くしないとまたエラーを吐くということだ。どういうわけか旧式のAS002では警告が出なかったので、もうしばらくこっちでも頑張ってもらわないといけないようだ。
※単純なスペック比(どっちも8GB)
ST8000DM004…5450rpm/SMR-4/キャッシュ256MB/普通のHDDとねじ位置一緒
ST8000AS002…5980rpm/SMR-2/キャッシュ128GB/横ねじ1か所のみ・下に4つ/熱い