人生エクソダス

なんてことのない日々のこもごもをつらつらと書き連ねたり連ねなかったりする。

メチルB12

2019-10-20 14:52:17 | TIPS

 メチルB12というのはメチルコバラミン(メコバラミン)のことで、シアノコバラミンとともにビタミンB12の成分を言う。ビタミンAのことをレチノールと言ったり、ビタミンCのことをアスコルビン酸と言うのと同じ要領だ。

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 で呼び名が違うゆえに中身も若干違い、メチルは神経の修復を促進するので神経痛とかそういう薬として処方されるが、紫外線に当たるとシアノになってしまうので、普通メチルは遮光加工した容器(茶色いいかにも薬が入ってる)に入れてある。
 シアノはそういう意味でありふれてるというか、メチルより特別気を遣わなくて良いこともあってかメチルに比べて安い。点眼薬としてシアノが入ってることがあるが、これは直に患部に届くことから、内服薬と違って直接目の機能を直せるからシアノでよかったりする。

 メチルはだいたい内服薬とかトローチだが、これは逆にシアノを内服薬にしても神経の修復にあまり使ってくれないからだ。まあ値段との兼ね合いということもあって、ビタミン剤の安いやつはだいたいシアノが使われていて、けっこうお高いやつはメチルだったりする。
 ただ、だいたいメチルの錠剤で医薬品として処方されるやつが一錠500mg、1日3錠(つまり一日1500mg)で、一応B12が水溶性ビタミンで1日の限度の既定がないとはいえ、だいたい日本で出回ってるのは上限1500mgなので、それ以上処方している薬は無い。

 私がドケルバン病(親指付け根付近の腱鞘炎)で1ヶ月親指を開けず右手が機能不全になったとき、テーピングとかビタミン剤で一瞬緩和できたかなと思ったらすぐにぶりかえして憤死しそうだった時、iherbでメチルB12ないかなと思って探してみたら思いのほかバリエーションがあって、1錠5000mgのトローチなんかもあったが流石に5000mgは怖かったので2500mgのものを購入した。ちなみに100錠で1200円だった。これを飲んでだいたい10日くらいで、そういえば痛みがないということに気づき、親指をめいっぱい開いても痛みを起こすことはなくなっていた。

※アメリカのサプリの値段が日本と段違いなのは、そもそもアメリカの医療が日本みたいにだいたい一律ではないので、それこそ青天井の値段を付けても文句を言われない、治療するか一生借金背負うかみたいな世界なのでサプリでなんとか医者の世話にならないよう水際作戦するしかないという背景があるので、日本とアメリカで違いが出るのは仕方ない面も有る。

 さらにシナジーがあって、B12と葉酸を組み合わせて使うことで神経の回復の促進が期待できるというものがある。実際B12と葉酸が合わさった薬もある。

 ここまで聞けばすげえメチルB12と葉酸の最強伝説となるが、話はそう簡単にいかない。B12も葉酸もがんリスクの報告があるからだ。実際結構前から論文が出ているが、実際の相関関係について実証が進んでいないのか、B12を取りすぎるとがんになる!葉酸を取りすぎるとがんになる!とまで断言出来ず(そもそもそこまで話が進んでいるならもっと話題になってないとおかしい)、そういう可能性があるので能動的に摂取するのは様子見が良いという状態だと思う。

 B12も葉酸も神経の修復まではいいが、細胞分裂の促進という効能もあって、それががん細胞も成長させてしまうということからリスクがあるらしく、葉酸に至っては植物から抽出したfolateは良いけど科学的に合成したfolic acidはあかんという論文もあるみたいで(英語で書いてあったので詳しい内容はわからない。folic acid cancerとかで検索)、そんなのサプリの製造会社が正直に書いてなかったらわからんだろ…という。
 ただ、例えばnow foodsのfolateはDFE(dietary folate equivalent 葉酸の食事相当量)という記載の仕方で、下にfolic acidの量が書いてあるので、各パッケージを見てちゃんとfolateと書いてる物を選んだ方がまだ安心だと思う。食事の相当量ってなんぞやと思うが、食事から1333mcg取っても合成した800mcgと同じくらいですよということらしく、単純に考えれば額面より内容物が少ないということになる。まあその合成した葉酸というものががんリスクの要因になってるので、だったら合成の方が良いとはならないが。

 困ったことにこれはあかんとはっきりした話でないので、やっぱり神経修復にはメチルB12だよねという話に落ち着く可能性もあり、でもがんになったら怖いし…というリスクが消えたわけでもないので、目とか肩の神経痛にはこれだろと思っている自分としては、将来的にがんになる可能性があるものをピックして摂取するのも怖い。だからといって飲まなくても大丈夫かといえば、今回の腱鞘炎みたいに他に二進も三進いかない状態では頼らざるをえないということもあって、早いところ結論が出て欲しいと思う次第である。



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