東大阪市加納 日蓮宗 妙政寺のブログ〜河内國妙見大菩薩、安立行菩薩、七面大天女、鬼子母神を祀るお寺!

HPからブログに移行し、ちょっと明るい雰囲気です。仏事、納骨、永代供養のご相談、どうぞお申し出ください。

河内の民話「太鼓楼」

2018-12-22 19:24:14 | 河内國の昔話
こんばんは!

今日は冬至です。
少し暖かい冬至ですね。

さて、今年最後の「河内国の昔話」になります。

仏名寺さんは、この辺りでは最も大きな寺院です。
本堂も群を抜いて立派です。ちょこっと羨ましかったりします。
今回は、その仏名寺さんにまつわるお話です。



「太鼓楼」

 「ドン ドン ドン」
 仏名寺の太鼓の音が、村中に響き渡りました。
 「お昼やでー。弁当にしようや」と刻(とき)を知らせる太鼓の音は、村人の生活に密着したものでした。
 山門の北にあったこの太鼓楼には、二匹の豆ダヌキが住んでおりました。
 春の彼岸会も近いある夜のことでした。打ち合わせに来た檀家総代の伊太郎さんと豊吉さんが、夜も更けてから寺を辞しました。
 庫裏の玄関まで和尚さんに見送られ、山門まで来た時です。ひょっこひょっこと草履の音も軽やかに近づいて来る小さな人影を見ました。それは、前かがみの小さいからだの寺の奥さんでした。あたりはおぼろにかすんで、芽のふくらんだイチョウの大木が頭におおいかぶさるように四方に枝を伸ばしておりました。
 「こんなに晩の遅いのにーごりょさんが門まで送ってくれはったなぁー」
 二人は恐縮して、何度も頭をさげて帰途につきました。
 山門から十間(20m)ほど来た時、豊吉さんがはっと立ち止まり、「寺のごりょさん、きのうから実家へ帰ったあんおとちがうか。おっさんが、そう言うたあったな」
 「せやけどー、さっきの人は、確かにごりょさんやったで。帰ってきはったんやろうな」
 そうかなぁー」と、合点はしたものの、何かはっきりしないものが残りました。
 そこで、二人は翌朝、田仕事に行く前に寺に立ち寄ってみました。
 「まだ、家内は寺の方へ帰って来とりまへん」との和尚さんの言葉でした。
 では、昨夜見た奥さんは幻だったんでしょうか。
 いいえ、それはきっと太鼓楼の豆ダヌキが、奥さんに化けたのだと、村人はうわさをしました。
 また、こんなこともあったのです。
 浅吉さんが、夜更けに山門の前を通った時、小さな黒い影が屋根から飛び降りてきた気配を感じました。
 と、浅吉さんはぴたっとその場にくぎづけになってしまったのです。下駄だけが地面に吸いついたように動かないのです。無理に右足を出そうとしたその時、頭や肩に力が入り、前にどてんと転がってしまいました。
 不思議にも下駄だけが二つちゃんと立っているのです。
 村人は、これも豆ダヌキが下駄の歯の間に入って人を転ばせるのだと、夜おそく寺の前を通ることを恐れておりました。
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はだれ雪

2018-12-14 22:13:40 | 独り言
こんばんは。

12、13日は教区の勧学院研修会でした。
もともとは京都大本山・妙顕寺さまで開かれていた研修会でしたが、12年前に教区行事を京都一局にしないという事から大阪市管区での開催となりました。
その折から会場設営、宿泊手配、食事手配などにずっと携わってきました。
来年の任期満了に伴い、わたしが携わる勧学院研修会もこれが最後になりました。
来年以降は、一参加者として聴講させてもらいます。



さて、今日12月14日は何の日?と尋ねられて「赤穂浪士」を思い浮かべた方は、正しい昭和の日本人だと思います(笑)
かく言うわたしは小学生の頃から「忠臣蔵」が大好きで、中学生の頃には「四十七士」全員の名前を言えたくらいです。
それだけにかなりの数の「赤穂浪士」ものを読みましたし、ドラマや映画も見てきました。

昨年12月23日、いきなりの悲風に心が折れそうになりました。
作家葉室麟さん、享年67歳。
大好きな作家でした。
彼の作品には何度か「赤穂浪士」が関わってきます。
「はだれ雪」(角川文庫)はまさにかつてない「忠臣蔵」。



ひとがこの世に残す最後の言葉とは。最後の思いとは。
葉室さんの「生」への思いが感じられます。

このくだりも好きなんです。


公弁法親王はなおも厳かな表情で、
「もともと、ひとは生まれながらに正しき者と悪しき者に分かれておるわけではない。ひとりの身のうちに正しさと悪しきものが、ともにあるのや。ひとの悪を取り去ろうとしても、腕一本、足一本をもぎ取るくらいのもので、仮にそうしたにしても、手足を引き裂かれて残った身には、また悪心が生じる。それがひとの業というものなんや」
と話した。
「ひとの悪は裁けぬと仰せでございましょうか」
吉保は問いかける眼差しを公弁法親王に向けた。
「法で裁けるのはひとの行いだけや。ひとの正しさも悪も法によって裁くことはできぬ」
「それでは天下に悪行が横行しましょう」
額に汗を浮かべながら、吉保は抗うように言った。
「それを悪行やと誰が決めるのや。おのれの正しさを言い募る者はやがて悪に転じ、おのれの悪を知る者にはやがて正しき道が開かれよう。政事をする者は思い上がらず、ひとの正しさ、悪に沿うて、導くことや。法で裁くだけなら、政事などいらん。高札場に法の条文を張り出しておくだけですむのやないか」
公弁法親王は吉保を見据えた。

葉室麟「はだれ雪」より

この作品にはかつてない「忠臣蔵」がえがかれています。

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またまた焼き芋

2018-12-10 21:31:29 | その他
こんばんは。

庭の桜の落ち葉をすべてかき集めて、またまた焼き芋です。



上手に焼くにはサツマイモを少し濡れた新聞紙で巻いて、それからアルミを巻きつけて焼くと良いんです。
面倒だからそのままアルミを巻いただけで焼くと、やはり皮が焦げ焦げです。


でも、甘くて美味い!



関西外語大学の穂積キャンバス跡地で。

秋も終わりです。
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成道会と大掃除

2018-12-08 22:24:24 | 妙政寺の年中行事
こんばんは〜

ちょっと休憩のつもりが、かなり長い休憩になってしまいました。
放置ですね、これは。

今日はお釈迦様がお悟りになられた日。つまり釈尊成道会です。
巷では「真珠湾攻撃」「日米開戦の日」が取り上げられます。これも歴史認識として大切ですが、仏教徒として「釈尊成道会」も大事にしていかねばなりません。

今日は「成道会」を兼ねて妙政寺では大掃除でした。



磨きと堂内の掃除は婦人部のお仕事です。





男性は外のお仕事。


綺麗になりました。
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