数年前の話になるが、私はYAMAHAのモニタースピーカ(NS-10M)や、山水、ONKYOといった、往年の銘機を手掛けたI先生という、オーディオアドバイザーの方に師事した。その独特な振る舞いから、おそらく敵も多かったのではと思われる。怖い先生で、時折、怒鳴りつけられたことを覚えている。(本当は非常に面倒見の良い方で、よく怒られたという印象より、こと細かく指導いただいた思い出あがる)
こんなエピソードがある。例によって電源の製品(音)造りにアドバイスいただいたときのことである。(J隊長が予め電源をチューニングし、I先生の所に持ち込んだときの話)
I先生:「お前、なにやって来たんだ。<`~´>」、「おかしくなっちゃったぞ!<`ヘ´>」
J隊長:「いや、特別そんな大それたことはしてないはず・・・モゴモゴモゴ(T_T)」
I先生:「トランスの極性間違ってるような音に似てんだよなぁ?変な音になってるじゃないか! 怒 怒 怒 怒 <(`^´)>」、「トランス積んでるんだっけ?」
J隊長:「これはスイッチング方式なんで、商用に使うようなでかいトランスは積んでません。(@_@;)」、「でも小さい高周波トランスは一つだけ積んで・・・ます。」
I先生:「ちょっと確認して!」
J隊長はおそる、おそる蓋を開け、高周波トランスの周辺配線※を確認!
J隊長:「あっ、(*_*; コネクタの差込がテレコになってるゥ!」
慌てて元に戻し、再確認!
I先生:「ほら、これだよ、これ!」
J隊長:心の中で・・・(「エッー、そんなん なんでわかんのぉ~\(◎o◎)/! ウソでしょう! 誰の耳それ!」)
ちなみに私の体験談ではないが、こんな話も聞いたことがある。
ビ○ターの若いエンジニアに、ある装置のアドバイスをしている時のこと、I先生は、その部品を別のにとっかえてといったそうな。オーディオアドバイザーつったって、そんな特別な耳してるわけでもないし、第一こんなちっぽけな部品ひとつ変えただけで、違いが判るはずねぇーじゃんぐらいにして、あたかも交換したように装い、交換しなかったらしい。
I先生は音を聞くなり、「(音)変わってねーじゃん!」、「お前、本当に変えたの?」
Vエンジニア:「(゜-゜;) ・・・・ (・・;) ソノォ」
I先生:「何、試してぇんだ、コラァ!<`~´>」
かくして、超(聴)・ウルトラ・スパー・グランドエクストラな耳に出会ったのでした。それから1年もたたないうち、I先生は他界してしまいました。惜しいことです。恐らく私が最後の弟子!?(先生はそんなつもりないだろうけど・・・) (^^ゞ
でも先生、本当にありがとうございました。ノウハウ活用させていただきます。
※使用していた高周波トランスは、メインデバイスを駆動するためのドライバ用電源で、同一仕様(本当は1系統だけ違う)3系統の出力配線があった。回路動作的には、どの配線をどのドライバに接続しても何ら支障はないのだが、これが音質的に見ると・・・