津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

MQ R1(入力段編)

2006-08-11 19:34:29 | インポート

ひとことで、オーディオ用クリーン電源と言っても、それには様々な方式があり、千差万別である。うちの電源はインバータ(スイッチング)方式を採用しており、トランスレスで小型・軽量という特徴がある。

十数年前まで、スイッチング方式によるオーディオ電源や、デジタルAMPは、ノイズ等の問題から業界でも煙たがられていたように思う。昨今は、デバイスの改良やEMC対策部品の普及、ノイズ対策のノウハウ蓄積により、もはや当たり前になりつつある。今後も電化製品のデジタル化は留まることを知らず、ますます需要が拡大するものと考える。

スイッチング方式の最大のメリットは、高効率(低発熱)による小型軽量化にあり、スイッチング周波数の高周波化は、周辺部品の小型化を可能にする。今後も高周波化は進み、ノイズ低減という課題には、先にも述べたEMC部品の活用や、ソフトスイッチング(⇔ハードスイッチング)と言われる新しい方式も誕生し、実用化もされている。

今日この場で、弊社電源の全てを語るには、多大な時間とスペースを要することから、今回は入力段のお話に留めておくが、MYTIQUE R1(以降MQ R1)を例にとり、後々、後段部分のお話もしていこうと思う。←面倒くさがってるだけ?(^^;

MQ R1は、その方式から(他もそうだと思うが・・・)ノイズ低減が最大の課題となる。インバータから発せられるノイズを最大限阻止するため、使用部品はもちろんのこと、その配置、配線の引き回し、はたまたパターンレイアウトに至るまでノウハウをつぎ込み、対策にあたることになる。(結構大変なんだよなぁ~) (^^ゞ   

入力段における対策のひとつが、NFの使用である。MQ R1の入力は、外部からのノイズ侵入および、漏洩を防止するため、NFを2段構成にして対策している。(これはかなり強力!!)よく、スイッチング系の電源を利用すると、「接続した機材には効く(音質的効果)が、逆に周辺機材がおかしくなるだよなぁ。」という話を耳にするが、MQ R1とってそれは皆無だ!(^_^)v

部品選定には、NEC/TOKIN、双信電機、TDK、他数社のNFを吟味、電源線から侵入する高電圧パルスに対し、鋭利な減衰特性を発揮し、コモンモードチョークコイルには、アモルファス磁性体を使用したTDK製を採用した。また、このNFは湿度、振動、衝撃など、過酷な使用環境条件下においても、減衰特性の安定性を堅持する高い信頼性をもっており、インバータ方式を構成する上で、欠かせないものとなっている。

凄いぞNF!(^o^)丿 お前は偉い

近々、PLCに対してどのような効果があるか試す予定にある。

※2kV・1μsのパルス入力に対し、20dB以上の減衰成果がある。(1個あたり)