今までにも何度かお話しましたが、癌で8年前に亡くなった大親友の雅子さん。彼女が入院中、「癌が治ったら必ずゆっこ(私)とお父さん(私の父)にお礼をするからね」っと言っていましたがその会無く彼女は他界してしまいました。
彼女が癌になってから出会った「小林正観さん」の本。彼女は、一年に一度私達の住む半田で開催されるその本の著者である小林正観さんのお話会に参加するのを心待ちにしていました。癌で余命宣告を受けた彼女がそのお話会に行って小林正観さんに会う事を目標に辛い治療にも耐え、以後何年かに渡り正観さんのお話会に参加する事が出来たのです。体中に癌が転移し一人では参加出来ず、杖をついて歩く彼女のお供に私も何度か参加させていただきました。彼女亡き後も、私は正観さんのお話会に参加しています。そしてすぐに聞いた事を忘れてしまう私は、正観さんの本を宝物とし、繰り返し今日まで読み続けてきました。
そして、つい先日もお話した父に足りなかった「感謝」の話しは正観さんの本から気が付いた事でした。信仰の篤い父が感謝する事を忘れて神様に好かれていないと言われたら、どうしてなのか・・・・っと正観さんの本を読み始めたのです。今まで、何度も正観さんの本の父に読んでもらいたい部分をコピーして渡しても「お前が何が言いたいのか分からん!」と全く反応がなかった父が、その本を読み始めたのです。
そして父は、私が渡した全ての正観さんの本を読んだのです。
・・・・・少しずつではあるけれど、父は今までの自分を反省し、自分自身と向き合い変わりつつあります。今は私の話に耳を傾け、以前のような傲慢さはなくなりつつあります。そんな父を本当に嬉しく思う今日この頃の私です。
そして昨日の朝、「ハッ!!」と頭によぎった事。
「あ~、これが雅子さんの残してくれた私と父へのお礼なのだ・・・・・」と思ったのです。彼女が亡くなってから何年も経ってようやく気が付いた彼女の私達親子へのお礼。形がなくて目に見えないけれど私達親子にとっての大きな大きなお礼だと気が付いたら、涙が溢れてきました。
父にその事を話すと、父も納得していました。
その渦中の父(笑)、昨日は孫の敬君の野球の試合に出かけ「ホームランを打ったぞ!」と興奮してレッスン中の私に電話をしてきました。
今まで忙しくて、子供の試合にも発表会にも一度も参加した事もなかった父。
我が子が、ホームランを打とうが打たまいがそんな事はどうでもよかった父。
「お父ちゃん、こういう事で嬉しい事が平凡だけど小さな事だけど、世の中のみんなが思う幸せなんだよ・・・・。」と話す私に、父は黙ってうなずいていました。