昨日の続きです。
〇質問:質問事項5、営農再開支援事業についてご質問いたします。
農業を中心とした町民相互のきずなの形成及び営農再開に向けた環境保全活動を現在、14団体、20行政区の農事復興組合において実施中です。冒頭申し上げましたとおり、当初予算において、「新規就農者確保促進事業」、「農業法人誘致事業」の予算を確保しました。両事業が実現化すれば、営農再開が今以上に活発となり、必然的に環境保全にもつながります。
ただ、現状は、今年度の水稲作付面積は27.2ヘクタールと、震災前の1200ヘクタールのわずか2.3%弱となっています。今後、町では600ヘクタールの作付面積を目標としているとお聞きしています。つまり、営農再開の推進と同時に、まだ再開に至っていない水田などの環境保全活動事業の継続が今後も求められます。営農再開は、町復興・再生に欠かすことのできない事業であると考えますが、来年度以降の営農再開支援事業継続の見通しについてお伺いいたします。
〇農林水産課長答弁:営農再開支援事業の件についてお答えいたします。
営農再開支援事業の来年度以降の事業継続の見通しについてお答えいたします。
当事業につきましては、福島県により、基金化により令和2年度までの財源は担保されておりますが、3年度以降の継続は不透明です。営農再開支援事業に係る国と県の市町村巡回による意見交換の都度、事業の継続については強く要望しているところです。
その上で、来年度以降の保全管理については、担い手への農地集積に向けた準備への支援というものが示されました。担い手へ集積する候補の農地については、10アール当たり1万2000円、担い手への集積が見込まれる農地については、10アール当たり3万5000円が交付されます。どちらも営農再開を前提としますが、これまでと同額の3万5000円の補助を受けるためには、どの担い手が、いつから、どこで、何をつくるかといった営農計画が必要なほか、 要件なども加わります。
〇再質問:営農再開支援事業についてですが、来年度からは営農再開が大前提の事業となり、営農計画を策定し事業採択されれば、今年度同様、環境保全が可能となるとの答弁だったかと思います。
それでは、営農再開の予定がない農地の保全管理はどうするのかという問題が生じます。私有地保全管理同様、広大な農地についても原理原則論では済まない問題だと思いますが、町として、来年度は、これらの地区についてどう対応されるのか、お考えをお伺いいたします。
○農林水産課長再答弁:営農予定のない農地の保全管理についてのご質問にお答えいたします。
現在の10アール当たり3万5000円の保全管理経費については、荒廃農地抑制に大きい効果を果たしていますが、ともすれば、営農するよりも収益が高く、営農再開の阻害要因になりかねない側面があるとも考えております。
本年度で現行の保全管理が終了することから、町としてもいろいろと検討をしてまいりました。例えば、町がトラクターを準備し、作業者を雇い、町による直接の保全管理をしたらどうかとも考えました。1200ヘクタールを6カ月で草刈りを2回するとした場合、10人、10台の確保が必要になります。そうすると、機械代として約1億円、人件費や管理費に数千万円がかかることが想定されます。ただ、そこでトラクターに長期間乗り続けると体への負担が心配されるところでもございます。
ほかの考え方として、同じく1200ヘクタールを2回とし、現在の保全管理と同じ10アール当たり1回7000円で同組合に委託すると1億6000万円以上、単価を例えば4000円に下げても約1億円の経費がかかります。
また、別の考え方として、どうしても管理できないところだけを町が管理する場合、現状、復興特別交付税で震災前の税収は確保できているものの、今後の行政運営を考えれば、個人の所有物である農地について、町がそのような経費をかけ続けることの是非という問題、さらには、自身で営農や農地の管理をしている方との不公平性という問題も考慮しなければなりません。
このようなことから、来年度の農地保全については、それぞれの地域で営農再開を十分に話し合っていただき、先ほどお示しした2つのパターンを活用していただきたいと考えております。
今日はここまで。