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巣ごもりシアター「マノン」

2020-05-05 | バレエ・ダンス・ミュージカルなど
新国立劇場バレエ「マノン」を観た。
これは2月に観にいくのを楽しみにしていたのだが、行くはずの公演がコロナウイルスの影響で直前に中止になってしまい、しかもその時には初日からの高い評判が聞こえてきており、仕方がないと思いつつもかなり残念に思っていたもの。

それが、今回の「巣ごもりシアター」で配信されることになったのである。
配信されるのは2月23日公演の、米沢唯&ワディム・ムンタギロフの回。
ロイヤルバレエのプリンシパル、ワディムさんのデ・グリューが家で観られるとは嬉しい。

ストーリーは、マノンという女性のために破滅的な人生を送ることになる神学生デ・グリューの話。と言ってしまえばいいのか? いや、マノン本人も堕ちていくのである。それも徹底的に悲惨な方向へ。

暗い重いストーリーだとわかっていたけれども、

いやこの鑑賞後の、ずしーんという感じ。


素晴らしいです。


マクミラン振り付けで、もうアクロバット的とも思える動きを見事にこなす中で、唯さん体重がないのか!?とすら思える軽やかさ。
ワディムさんとの視線の交わし方、舞台上の恋愛を観ているような緊張感。
ムッシューGMはもちろん上手だけども、中の人が若くていい人なのがわかる(違うか)。それからレスコーと、その愛人もそれぞれ心情を表現しきっている踊り。木村さんの繊細さはやはり今回も素敵。
その他の登場人物とオケも申し分なし。衣装は以前オペラハウスに展示されていたけれど、こうして実際に着用されているのを見ると、例えば「沼地」のは本当に堕ちゆく運命を衣装だけで表している(しかも動きやすくできている)のだなあ。マスネの音楽、久しぶりに聴いたけれどこうして振りが乗るともう泣けますね。

誰にでもわかって楽しめるバレエというよりは、大人の作品であるけれど(やや性的な表現もあるので)、この公演は圧巻でした。

ブラボー。

いつの日かまた、公演を劇場で観られますように。

そしてそのために、今の自分にできるささやかなことで、舞台芸術を含めたアートを支えていくことができますように。






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